YUKI「この20年、ずっと歌を好きでい
て。どんどん好きになっている自分が
いて、それが本当にうれしい」 ツア
ーファイナル・日本武道館公演の公式
レポート到着

YUKIが全国ツアー『YUKI concert tour “SOUNDS OF TWENTY” 2022』ファイナル公演を、12月5・6日に日本武道館で開催した。本記事では、6日公演のオフィシャルレポートをお届けする。

YUKIが、ソロデビュー20周年を記念した全国ツアー『YUKI concert tour “SOUNDS OF TWENTY” 2022』を完走した。今年の6月から各地のホール〜アリーナを巡った本ツアーの最終地点は、ワンマンでは7年ぶりとなる東京・日本武道館。12月5・6日の2日間に渡り行われたツアーファイナルから、新旧楽曲を織り交ぜて全24曲が披露された6日公演の模様をレポートする。
開演時間を迎えると、舞台を覆う紗幕にYUKIのオリジナルキャラクター・ゆきんこ、本ツアーのキャラクター・ユキちゃんが登場するカートゥーン調のアニメーションが映し出され、これまでのライブ映像をプレイバック。カウントダウンを経てステージ上に姿を現したのは、鉄骨で組まれたシンプルなセットだ。二段組の上部センターにエレキギターを携えて佇むYUKI。まばゆい光に包まれる中、1曲目に鳴らされたのは抑えたテンションで始まるオルタナティブナンバー「Good Times」(2ndアルバム『commune』/2003年)。テンポアップする曲中盤に差し掛かると、ホイッスルの音を合図にYUKIの歌とバンドの演奏がヒートアップし、激しい火柱が上がる。続く「the end of shite」(1stシングル/2002年)、「My Vision」(2nd EP『Bump & Grind』/2022年)と、デビュー曲と最新曲にあるそれぞれのロックマインドが示されていく。「鳴いてる怪獣」(6thアルバム『megaphonic』/2011年)からは、YUKIの笑顔がスクリーンに映し出され、会場から大きな拍手が。開始から数曲で早くもピークを迎えたかのような一体感が生まれていた。
YUKI
「ハローYUKIです! こんばんは! 日本武道館、こんなにたくさん来てくれて本当にうれしいです。どうもありがとうございます!」元気いっぱいに挨拶し、「みんな、今日はスーパースターを見に来たんでしょ?」と、いたずらっぽく尋ねて会場を沸かせるYUKI。JUDY AND MARYのボーカルとして1993年にデビュー。解散後の2002年からソロシンガーとしての活動をスタートし、ここまで10枚のアルバムをリリースしてきた。歩みの中で自分の活動を振り返ることをあまりしてこなかったと明かし、しかし今回のライブのために曲を聴き返してみると「名曲の大渋滞だったんです」と興奮気味に語る。「この20年、ずっと歌を好きでいて。どんどん好きになっている自分がいて、それが本当にうれしい」と喜びを噛み締めつつ、「いいところにYUKIが連れていきます!」と宣言。おなじみのダンスをまじえながら観客と心を通わせた「JOY」(9thシングル/2005年)、バックに大きなシャンデリアが出現した「長い夢」(10thシングル/2005年)、満点の星空の中歌った「プリズム」(2ndシングル/2002年)、「COSMIC BOX」(19thシングル/2009年)、「星屑サンセット」(15thシングル/2007年)など色褪せることない名曲を次々と披露していく。
YUKI
「メランコリニスタ」(13thシングル/2006年)をキュートに歌い終えると、ヒップホップビートに乗せて路地を闊歩するYUKIのVTRの世界から、ステージに謎のストリートアーティストが登場。スクリーンに「STAY GOLD」のスプレーアートが施されると、衣装チェンジしたYUKIが姿を現し、パーティームードを盛り上げる。「プレイボール」(24thシングル/2012年)〜「トロイメライ」(33rdシングル/2018年)〜「世界はただ、輝いて」(アルバム『POWERS OF TEN』/2012年)をノンストップでつなげた「誰でもロンリー」(27thシングル/2014年)を軸としたメドレー、威勢のいい掛け声と土着的なビートが身体を揺らす「マイ・プライヴェート・アイダホ」(6thアルバム『megaphonic』)とダンスナンバーが続いた後には、YUKIの歌声を堪能できるパートへ。極上のミディアムバラード「ひみつ」(22ndシングル/2011年)、会場中の〈君〉一人ひとりに届けようとする親密さに溢れた「Baby, it's you」(34thシングル/2021年)、一面毛に覆われた猫型ピアノを弾きながら「Oh!ベンガル・ガール」(2nd EP『Bump & Grind』/2022年)を軽快に歌唱した。
ストリングス隊がステージに現れると、「Hello!」(23rdシングル/2011年)を歌うYUKIの映像とともに歴代のMVが映し出される。さらにホーン隊も加わり、スウィングナンバー「恋愛模様」(5thアルバム『うれしくって抱きあうよ』/2010年)へ。再び衣装チェンジしたYUKIはスキャットでバンドや観客たちとのセッションを楽しむ。YUKIのコンサートを長年支えてきた白根賢一(Dr)、沖山優司(Ba)、名越由貴夫(Gt)、大嶋吾郎(Gt/Cho)、伊藤隆博(Key)らバンドメンバーは今宵は“20th Century Boys”としてステージに立った。
YUKI
スタジアムロックのような響きを持つ「レディ・エレクトリック」(8thアルバム『まばたき』/2017年)からは、「ハミングバード」(6thシングル/2003年)、「ポストに声を投げ入れて」(30thシングル/2016年)、「坂道のメロディ」(24thシングル/2012年)とシンプルなステージで歌を丁寧に届けていく。会場中がダンスフロアと化した「ランデヴー」(18thシングル/2009年)が終わり、「20年間、私は総じて健康でした。愛とユーモアと思いやりと健康が大事です」と語りはじめるYUKI。これまで支えてくれたファンに心からの感謝の思いを述べ、「こうして武道館でハタチのお祝いができてすごくうれしいから、記念に私のワゴンに乗っていく?」と告げて始まったライブ定番曲「WAGON」(3rdアルバム『joy』/2005年)でラストスパート。自らの決意を歌にした「フラッグを立てろ」(32ndシングル/2018年)、2022年のYUKIを象徴する曲「鳴り響く限り」(1st EP『Free & Fancy』/2022年)を披露し、この日を永遠に刻むジャンプをもって幕を閉じた。20周年という一つの区切りを迎えたYUKI。しかし、音楽の旅はこれからも続いていく。

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