【Little Parade インタビュー】
自分のきれいなところも
汚いところも全部詰め込めた
鍵盤で作ったことで
新しいタイプの曲になった
では、1曲ずつお話を聞かせてもらいますが、まず1曲目の「感情ターミナル」は新しい感じの曲に仕上りましたね。
そうですね。今までやってこなかったタイプの曲ができたと思いましたし、自分でも新しさを感じています。実験的に自分で鍵盤を弾きながら作った曲なんです。これまで曲作りはギターだけでやっていたから、鍵盤で作ったことで新しいタイプの曲になりましたし、この曲はギターだったら生まれてこなかったと思います。そんなことも含めて、チャレンジした曲なので、いろんなものを詰め込んでいます。詰め込みすぎて、自分自身ちゃんと理解できているかと言われると、分かっていない部分のほうが多いかもしれません。
やっぱりギターと鍵盤では作る感覚が違うんですね。
そうですね。鍵盤だと真上から見ることができるから、“今まで何も分からずにやっていたんだな”って気づかされることが多くて。なので、“だったら、こういうのもできるんじゃないか!?”みたいな新たな可能性も感じましたし、今後はこれまでになかったタイプの曲がもっと生まれるかもしれないと思っています。この曲を作ったことで少し成長できたかなって(笑)。
レコーディングはどうでしたか?
新しいことを詰め込んだ曲なので、てんやわんやというか、いろいろ大変な部分もありました。1日に2曲の歌録りをするという計画を立ててレコーディングを進めていったので、自分にできることは全てやれたと思っています。でも、ミュージシャンの誰もがそうだと思うんですけど、毎回100パーセントの満足は感じていないんじゃないかと。それは自分もそうで、“ここはこういうふうに歌えば良かったかな?”とか完成したあとも考えちゃうんですよね。他の人は気づかないぐらいのものなんですけど。でも、少しの後悔があるからこそ、次の制作に気持ちが向かえるので、制作意欲みたいなものにはつながっています。
2曲目の「最後の友人」については?
最初にサビができて、そこから一気に作りました。一気に作ってしまったので、記憶が曖昧というか、細かいことを覚えていないんです。
それくらい短時間で作ったと。
はい(笑)。この曲はAqua TimezのベースのOKP-STARに参加してもらって、アレンジもしてもらいました。ピアノでmayukoも参加してくれているから、“ふたりの持ち味が出るように”ということを願っていたし、完成して嬉しいと思った曲ですね。今のご時世、リモートで制作を行なうことが多くて、“せーの!”で音を出すことがなかったんですけど、それでも音からそれぞれの人柄が感じられて、演奏している姿を思い浮かべることもできました。そういう人と巡り会うというのはなかなかないので、Aqua Timezをやっていたこと、彼らと出会えたことは自分にとって大きな財産だと感じています。
コロナ禍になってからはセッション的に作ることも難しくなったり、制作のやり方も変わったと思います。
そうですね。リモートって僕は結構苦手なんですけど、彼らとのやりとりは安心感がありました。
3曲目は先ほどお話を聞かせてもらいました「すみれ色の夜」で“シングル曲ができた”とおっしゃっていましたが、そういうのは作る時に意識されているんですね。
そうですね。でも、僕はすごくキャッチーな曲が好きなので、むしろシングルじゃない曲を作る時のほうが意識して作っています。まぁでも、この曲は一番時間をかけて作ったかも。
先行リリースされている曲なので、ファンの方からの感想なども届いているかと思いますが。
ファンのみんなは本当にやさしいので褒めてくれますよね(笑)。自分たち以外、Aqua Timezを知らないような若い子たちにも広まってほしい気持ちを持っていてくれたりするのでありがたいです。