【かねやん的アニラジの作り方】第3
3回 平成レトロとアニラジ

 オンラインくじの1等賞品用にと先日新宿の大型家電量販店に「写ルンです」を買いに行って驚いた。「写ルンです」なんてもはや風前の灯火のような商品かと思い、大型店に行ってみたがとんでもない。カメラコーナーで大きく展開していた。「チェキ」と並んで人気商品のようだ。また、先日テレビを見ていたら女子高生のアイテム「ルーズソックス」の復活とともに「平成レトロ」なる言葉が紹介されていた。いまだ、昭和の価値観でバリバリ生きている私なんかにしてみたら「平成」はまだまだ現代だが、確かに平成も初期であれば30年前にもなる。歴史上の出来事なのだろう。そういえば最近、うちの番組でも「プロフィール帳をつくろう」といった懐かしめな企画が散見されるようになった。

 2000年前後の流行を見てみるとある一定の間隔をあけて流行する「ルーズソックス」のようなファッションアイテムを除くと、「写ルンです」「チェキ」「プロフィール帳」などはインターネットを使わないアイテムだ。00年前後の時代はインターネット時代の夜明け前ぎりぎりと言ったところ。デジタルカメラもあるが「写ルンです」もある併存の時代だった。我々のアニラジの世界でもインターネットラジオは誕生しつつも、まだまだ地上波ラジオ全盛の時代だった。グッズで言うと「声が入る目覚まし時計」みたいな、ちょっとハイテクなアナログ、でもインターネットは使わないというポジションというべきか。しかし面白い話だが、「オンラインくじ」の1等賞品が「写ルンです」を出演者が撮ったものをそのままプレゼントするという感覚。出演者が見た景色を、たった1人だけ賞品を当てた人だけが見ることができるという独占意識がこの賞品のミソだ。
 ではまさに平成に花開いたラジオ領域である「アニラジ」を「平成レトロ」的に取り組むにはどうしたいいだろう? 「ちょっとハイテクなアナログ」、そして複製できないというのがキーワードだろう。
 またベルガモが最近はじめたVTuberの番組「紫乃咲ほのあとMarciaのバナナ大福V」(毎月第1、第3月曜日午後7時更新/ニコニコチャンネル「ベルガモTALKS」で配信)。なぜベルガモがVTuberをはじめようと思ったのか。VTuberのメインコンテンツである「ゲーム実況」。これも〇〇しながらで聴いているという、いわゆる「ながら聴取」が多いという。他のコンテンツも調べてみたがなんか「ゆるい」、AMラジオ的手法が多い。なら、うちでも面白いことができるのではないかと思いはじめたものです。
 「ちょっとハイテクなアナログ」という意味では、リスナーから送られてくる電子メールも大切にしたい。今、ニコニコやYouTubeのコメントやTwitterでリスナーとのやりとりが多くなっているがなんせ短文。感情の赴くまま。メールはやはり文章で、真意が伝わりやすい。メールが登場した時、ハガキ・ファクスと違って「メールは温かみがない」なんて言われたが、メールが今や古株ツールになった。昭和は60年、平成は30年、倍の速さでいろいろなものが進化したのかもしれない。
 「平成レトロ」と言えば、ベルガモの看板番組「宮村優子岩田光央のおかわりできますか?」だろう。「新世紀エヴァンゲリオン」のアスカ役宮村優子と「AKIRA」の金田役岩田光央という「昭和・平成レトロ」の極みのような2人が爆裂トークを繰り広げている。ちょっと懐かしい味わいをぜひ堪能してほしい。

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