世界は初音ミクをどう見たか? Pol
icyMic「ポップ・ミュージックの未来
について興味深い問題提起」

(参考:初音ミクはいかにして真の文化となったか? 柴那典+さやわかが徹底討論)

 元々日本のポップカルチャーに関心の高かった層に加え、最近ではそれ以外−いわゆる「音楽村」の住人たちからも初音ミクへの関心が高まってきている。世界で最も影響力のある音楽オンラインメディアの一つ「ピッチフォーク」は5月16日付けの記事で「日本のデジタルポップスター・初音ミクの人気は西欧諸国でも浸透するか」と題した記事を掲載。同記事では「なぜ有名ミュージシャンは初音ミクを愛してやまないのか」というテーマでゼッドやライアン・ヘムズワース、ポーター・ロビンソン、そしてレディー・ガガといったアーティストやプロデューサーが初音ミクとコラボレーションを行う理由を分析。日本政府の推進する「クールジャパン・プロジェクト」の影響に加え、初音ミクがバーチャルな存在であるためミュージシャンの自己表現に適すること(対人間の際に発生するような煩わしいことが初音ミクでは心配ないこと)、そして幼いころにセーラームーンやポケモンで育った世代が成人となり、日本のポップカルチャーの見え方が「オタク的」なものから変化しつつあることを指摘している。

 また月間視聴者数が1500万人を超え、その深い考察からForbes誌をはじめ既存メディアからも高い評価を得ている新興オンラインメディア「PolicyMic」も4月2日付けの記事「少し変わった日本のポップスター」で初音ミクを大々的に紹介。同記事は「(アメリカン・アイドルに象徴されるように)ポップ・アイドルの全て、キャラクターから物語までもが一部の音楽プロデューサーによって完全にコントロールされてしまうようになってしまった今日の音楽業界において、初音ミクの成功はポップ・ミュージックの未来について興味深い問題提起をしている」と考察。その人気は今後も留まることがないだろうと記事を結んでいる。

 以上のように今や一部の人間だけでなく世界中の音楽ファンから注目を集める初音ミク。「Hatsune Miku Expo」は第2弾として10月11日・12日にロサンゼルスで開催。 さらに10月17日・18日にはニューヨークでも開催されることが決定している。この日本発のヴァーチャルアイドルが今後どれほどまで世界的な人気を獲得するのか、今後も目が離せそうにない。(北濱信哉)

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