しゃちほこ、スパガ、ベイビーレイズ
が混戦のチャート 今後の躍進狙うア
イドルグループの行方

(参考:「初音ミクを介してローティーンにBUMPの歌が届いた」柴那典+さやわかが語るボカロシーンの現在)

 Sexy Zoneが1位なのは実に順当。もちろん15万枚という立派な数字のおかげだが、発売週の選び方が神懸かり的にうまいせいでもある。ジャニーズは他社の強力なミュージシャンと競合して出し抜かれることのないタイミングで新譜を出して、確実に1位を狙ってくるのだ。またSexy Zone自体としても前作の14.5万弱という売り上げ枚数から見て微増を達成し、グループ結成直後からの一時的な売り上げ落ち込みをゆっくりと脱しつつあるようだ。運営側としてはこれを維持しつつ、20万枚を出せるくらいまでさらに成長・回復させていきたいところだろう。ジャニーズの中でも古典的な男性アイドルの楽曲の良さを持つグループだけに、音楽ファン的にも期待したいところではある。

 さて結果としてはSexy Zoneの一強ながら、それ以外は今後の躍進を目指して試行錯誤が続いているミュージシャンの揃った面白いチャートになっている。たとえば2位から4位までのチームしゃちほこSUPER☆GiRLSベイビーレイズはいずれも女性アイドルとしては今後の中堅どころを狙おうか、というくらいのポジションに位置するグループがそろい踏みという感じ。特にSUPER☆GiRLSはメンバーの入れ替えを経た「第2章」の第一弾シングルだ。楽曲としては「新装開店」ということでアイドルグループのデビュー曲のように華やかな印象。とりあえずこういうノリが好きな人には満足できる内容と言っていいだろう。もっともランキング結果で見ると順位も売り上げ枚数も若干の後退という程度に落ち着いた。これをダメージが少なくて済んだと見るか、心機一転で爆発できなかったと見るかは難しいところだが、いずれにせよ次作が勝負になるはず。

 また4位のベイビーレイズはシングルとして過去最高の順位となった。昨年はテレビドラマ「あまちゃん」の挿入歌「暦の上ではディセンバー」で歌唱を担当しており、そこから確実に知名度を上げてきた結果が出つつあると言ったところだろうか。ただし順位で見るとなかなかの上昇気流を感じさせるが、売り上げ枚数的には1000枚単位での微増を続けているところで、なかなかもどかしいところ。「あまちゃん」効果以降に商品構成を8パターンまで増やすという勝負をやり始めているので、ここからしばらく運営側としてもファンとしても体力勝負になるかもしれない。2位のチームしゃちほこもそうだが、楽曲の質が高いグループなので、それなりに結果を求めつつもよい作品を定期的に生み続けてほしいところ。

 5位のファンキー加藤は2月のソロ第一弾以来ということで、なかなか短いスパンでの発売となった。昨年のファンモン解散も記憶に新しい中、これだけ積極的にリリース攻勢を見せるというのはなかなか意外というか、不思議なモチベーションの高さを感じさせる。ただこの矢継ぎ早のリリースが影響したのか、前作の初週3.8万枚に対して今回は初週1.9万枚。これはけっこうきついのではないか。ただファンモンもシングルの売り上げで注目されるようなグループではなかったので、今回はこの後に控えているであろうソロアルバムに向けての顔見せも念頭に置いたリリースなのかもしれない。

 そのほかでは10位のBUCK-TICKの安定感が素晴らしい。安定と言っても長い目で見るとじわじわと売り上げは落ちている。だがこれに関してはそれでも1万人が買ったということ自体が喜ばしく、またこのままリリースが続けていけたらいいなと思わせるものがある。(さやわか)

リアルサウンド

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