【04 Limited Sazabys
ライヴレポート】
『YON EXPO'20』Day2
2020年11月29日
at 愛知・Aichi Sky Expo
(愛知県国際展示場)
初日同様に機内アナウンスを経て、「Feel」「Warp」と聴かせる楽曲でスタート。1日目は疾走感に長けた速いビートの楽曲が多かったけれど、この日は歌メロ主軸のメロディアスな曲調で攻め、それがまた幕張メッセを彷彿させる愛知国際展示場という大バコにもマッチしていた。
“心のステージダイブは許す”とGEN(Vo&Ba)が言うと、15年に出たメジャー1stアルバム『CAVU』の表題に触れ、航空用語で“CAVU=視界良好”という意があることを説明。その作品から「days」を放ち、キャッチーな魅力を存分に発揮する。めっちゃ久しぶりにやると前置きして「medley」を挟んだあと、スクリーンにプラネタリウムのような幻想的な照明をバックに「midnight cruising」を披露。初日もプレイされたが、何度聴いても夢見心地に浸れるロマンチックなナンバーに観客も大盛り上がり。
“4月に配信ライヴをやったけど、肌に合わなくて。昨日はエモ散らかして…みんながいないと輝けない”とGENは観客がいて、初めて自分たちの存在意義があることを報告。そして、重厚なコーラスで援護射撃する「Milestone」、ロックンロール調の「mahoroba」とつなぐと、ここでアコースティック・セットへ。「Horizon」「soup」の2曲を披露し、GENの少年声にうっとり聴き入った。
空港ドラマ風コントを挟み、“ここから夜間飛行に入る。揺れますけど、付いてこれますか?”とMCを入れて「Night on」に移る流れも最高だ。それから「Letter」「Shine」「hello」と歌ものナンバーを続け、“活休明けで、俺、歌うまくなってない?”とGENが呟く。筆者もそれには激しく同意した。今日は彼の艶やかな歌声に吸い込まれる場面も多く、改めていい曲を多く持つバンドの強味を実感するばかりであった。さらに彼は観客はもちろんのこと、周りのスタッフにも恵まれていることを告げると、思わず零れる涙をタオルで拭うシーンもあった。こうした弱さを曝け出せるようになったのも強くなった証であり、また、自分たちを応援してくれるファンを心の底から信頼しているからに違いない。
本編を「Squall」「Terminal」で終えると、アンコールでは“ここが俺の居場所、フォーリミは鳴り止まない。みんなの未来に光が射しますように”と添えて、「swim」「Give me」「Remember」と3連打の大盤振る舞い。ラスト一曲まで生きるパワーを貰える歌声と演奏にひどく感動した。
2日間に及ぶワンマンを観終えて、両日ともに色合いの異なるステージとなったものの、途轍もなく人間臭いフォーリミに触れられたという意味では共通していた。喜怒哀楽を投げ打ち、柔と剛の表現力を全開放したパフォーマンスは記憶の奥底に深く残るものだった。替えの効かないフォーリミらしさ満点のショウを観て、彼らのことをより一層好きになったファンがほとんどではないかと推測する。それほど、久々に観た彼らのライヴは人間的な魅力にあふれ、観る者をグッと惹きつける生命力に満ちていた。早くまたフォーリミのライヴを観たいーーそれが今の率直な感想だ。
撮影:ヤオタケシ、瀧本"JON…"行秀/取材:荒金良介
https://okmusic.jp/news/406472
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