L→R 井上公平(AUN J)、森崎ウィン(PRIZMAX)

L→R 井上公平(AUN J)、森崎ウィン(PRIZMAX)

【インタビュー&レポート】
森崎ウィン(PRIZMAX)
×和楽器ユニットAUN J

『響 The Sounds of Japan Tour 2019』
2019年5月4日 at 東京・浅草花劇場

2019年5月4日 at 東京・浅草花劇場

2019年5月4日 at 東京・浅草花劇場

 森崎ウィン(PRIZMAX)が、5月4日に東京・浅草花劇場で開催された和楽器で編成されるユニットAUN Jクラシック・オーケストラのコンサート『響 The Sounds of Japan Tour 2019』にゲスト出演。昼夜に渡って2公演行なわれた本公演の昼の部をレポートする。

 AUN Jは、和太鼓、三味線、箏、尺八、篠笛、鳴り物などの伝統的な和楽器で編成される8人組ユニット。国内のみならず海外でもコンサートを行ない、ASEAN全10カ国を回る『ONE ASIAジョイントコンサート』を大成功させるなど、音楽を通じて国際交流を実践している。森崎の在籍するダンスヴォーカルグループPRIZMAXは彼の故郷であるミャンマーでの活動も多く、森崎が参加したミャンマーのイベント『Japan Myanmar Pwe Taw』で2組の交流が生まれたという。その縁から、6月12日にリリースされるAUN Jのコラボレーションアルバム『響~THE SOUNDS OF JAPAN~』に森崎がゲストヴォーカルで参加し、今回のコンサートでのコラボ共演も実現した。

 まずはAUN Jのメンバーがステージに現れると、和楽器のインストゥルメンタル楽曲で会場を包んでいく。アンプで歪ませないオーガニックなサウンドは、ロックなどのライヴとはまた違った迫力があり、穏やかさと激しさに満ちた演奏で観客を魅了していった。そうした中、ゲストの森崎がAUN Jのメンバーと同じ西陣織のジャケット姿でステージに登場。最初に歌うナンバーは、森崎が作詞作曲を務めたPRIZMAXの「カフェオレ」。ソウルフレーバーのポップチューンが和楽器の演奏によって新たなグルーブを生み出し、森崎のヴォーカルも普段とひと味違う艶やかさが引き出され、本人も“めっちゃ楽しいです!”と終始興奮気味の様子。同じく森崎が制作した楽曲「ただいま」では森崎がアコースティックギターを弾きながら、感謝の念が詰まった歌詞を気持ちを込めて歌っていく。和の響きに溶け込んだ歌が、観客の心をグッと掴んでいったことも特筆したい。
2019年5月4日 at 東京・浅草花劇場

2019年5月4日 at 東京・浅草花劇場

 その後はAUN Jが「打上花火」(DAOKO × 米津玄師)といったポップナンバーのカバーから国際音楽文化交流プロジェクト『ONE ASIA』のテーマ曲といった振り幅で観客を楽しませ、再び森崎とのコラボへ。アルバム『響~THE SOUNDS OF JAPAN~』に収録された楽曲「Don't Cry」を披露する。歌詞を手掛けた森崎は““アジアをひとつに”がテーマの曲という話を聞きまして、でも正直僕が世界平和とか書くこともできないし、ずっと歌詞を悩んでたんです。ミャンマーにいた時にテレビでカンボジアの少年のドキュメントを観て、その子に届けばいいなって気持ちで書きました”と歌詞に込めたメッセージについて語る。辛さを癒すことを探し続けるというやさしさに満ちた歌を、琴、篠笛、尺八、鳴り物、和太鼓、三味線の演奏とともに温かく届けコンサート本編は終了した。

 アンコールではAUN Jと森崎で唱歌「故郷」を披露し、会場は明るいムードに包まれる。森崎は“こうして生楽器でライヴできることはすごくありがたいですし、誘っていただいてありがとうございました”と語り、AUN Jのメンバーとともに挨拶してコンサートを締め括った。AUN Jの和楽器の音色の美しさ、森崎のヴォーカル力、その両者の持ち味が相乗効果で瑞々しい輝きを放っており、終始美しいサウンドに酔いしれる、まさにスペシャルなコラボコンサートだった。

撮影:小坂茂雄/取材:土屋恵介


セットリスト

  1. 1.From the Far East/絢爛バサラ
  2. 2.乱
  3. 3.Oriental Journey
  4. 4.万殊の灯りに想いを馳せて
  5. 5.カフェオレ w)森崎ウィン
  6. 6.ただいま w)森崎ウィン
  7. 7.打上花火
  8. 8.光への扉
  9. 9.良平の太鼓
  10. 10.ONE ASIA/in the Moonlight
  11. 11.Don't Cry w)森崎ウィン
  12. <ENCORE>
  13. 故郷 w)森崎ウィン

OKMusic編集部

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