ユニコーン、再結成後も絶好調 年齢
さえネタにする余裕はどこから生まれ
る?

 初回生産限定盤の特典DVDには、「あなたが太陽」のレコーディング風景等を収録した「冬季ゴニンピック ~13/14秋冬シーズンを観測、笑いの祭典~」、そして「Feel So Moon」のミュージックビデオを収録。セブン-イレブン等で購入できるセブン&アイ盤には、特典として新曲「はいYES!」を収録したエクストラCDが同梱される。

 80年代半ばからバンドブームの中心的グループのひとつとして活躍したユニコーンは、1993年に惜しまれつつも解散。メンバーはその後、それぞれソロとして活動するなどして、とくに奥田民生は大きな商業的成功を収めた。そして2007年、キーボードの阿部義晴によって「5人での新曲作り」が持ちかけられ、2009年より本格的に再始動。2011年には19年ぶりにJUN SKY WALKER(S)との対バンを日本武道館で開催した。2014年には今回のアルバムを引っさげての全国ツアーも予定している。

 ユニコーン再結成後の活動について、音楽ライターの柴那典氏は次のようにコメントしている。

「ユニコーンは2009年の再結成後、初となるアルバム『シャンブル』が約30万枚を売り上げ、全国ツアーでも約15万人を動員しました。活動休止前のユニコーンが1993年にリリースしたアルバム『SPRINGMAN』の売り上げが約29万枚だったので、当時と変わらないどころか、さらに売れたことになります。このように彼らが完全復活を遂げることができた理由としては、各メンバーが充実した音楽活動を継続していたことが挙げられるでしょう。中でも注目したいのは阿部義晴さんの活動。彼はユニコーン解散後、プロデュースワークに力を入れ、2000年代初頭には氣志團をヒットさせるなどの実績も積んでいます。そうして磨かれたプロデュースの手腕を、かつての自身のバンドに応用し、メンバーそれぞれの円熟したスキルを引き出しているのが、再結成後のユニコーンなのだと思います」

 また、再結成後も持続性のある活動を展開し続けられるのは、そのスタンスによるところが大きいのではないかと、柴氏は指摘する。

「再結成後のユニコーンは、2009年には『川西幸一 50歳記念 チョットオンチー栄光の50年』、2013年には『手島いさむ50祭 ワシモ半世紀』と題されたライブイベントを開催しており、自分たちの年齢もネタにして楽しんでいます。きっと今のユニコーンは、メンバーそれぞれが本気で音楽を楽しむためのバンドになってるのではないかかと思います。だからこそ、マイペースに継続できているのではないでしょうか」

  再結成後、最も成功したバンドのひとつとも言われるユニコーン。彼らが今もなお現役でいられるのは、円熟したスキルと充分な成功を手にしながらも、音楽的な探究心を失っていないからかもしれない。そして、創作面での充実感こそが、メンバーの余裕のある佇まいを生んでいるのだろう。新アルバム『イーガジャケジョロ』がどんな仕上がりになるのか、楽しみに待ちたい。(リアルサウンド編集部)

リアルサウンド

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