【SOLEIL インタビュー】
大人になる途中の通過点
わずか半年という短いスパンで届いた、2枚目となるアルバム『SOLEIL is Alright』。横山 剣や澤部 渡、森若香織などの作家陣を迎え世に放つ曲たちには太陽のような明るさが。中森泰弘(Gu)、サリー久保田(Ba)、そして15歳となったそれいゆ(Vo)に今作について訊いた。
前作『My Name is SOLEIL』の発売からわずか半年でのリリースとなりますが、楽曲制作はいつから始まったのでしょうか?
サリー
それいゆの高校受験が今年の10月から始まってしまうので、最初は来年に2枚目のアルバムを出そうという話になっていたんですが、すぐに出そうってなって。となると、もうこのタイミングでやらないと間に合わなくて。なので、3月にはもうプリプロをしていましたね。
それいゆ
ゴールデンウィークくらいには、もうレコーディングをしてました。
アルバムタイトルはどなたが考えたのですか?
サリー
1stアルバムの“My Name is SOLEIL”というのは、実はそれいゆのInstagramのユーザー名から取ったんです。『わたしは真悟』(楳図かずおの長編SF漫画)にあやかっていて。今作のタイトルは3人で話し合って“SOLEIL is Alright”に落ち着きました。それいゆの名前はフランス語で“太陽”という意味なので、アルバムの1曲目の「太陽がいっぱい」っていうのもタイトルの候補になっていたんですけど、フランス語だと分かりにくいだろうから。
曲のディレクションはどのように依頼されるのですか?
サリー
前作のテーマはゆる〜く“初恋”だったので、今回はゆる〜く“告白”って言っていたんですけど、かせきさいだぁさんや横山 剣さんが“告白”とは全然違う歌詞を書いてきたので、テーマはだんだんアバウトになっていきました(笑)。それいゆが14歳から15歳になったので、“付き合い始め”や“恋の始め”とか、そういうテーマにしたかったんですが…。
サリー
澤部くんにも“告白の歌”というお願いをしたんですけど、“卒業の歌になっちゃった”って連絡が来ました。
(笑)。それいゆさんは“こういうのを歌いたい!”というのは、リクエストしたりしないんですか?
中森
普段、どういう曲が歌いたいのかという話は時々しますけどね。
「Baby Boo」は途中で台詞がありますよね。
サリー
プリプロの時に録ったものはとてもアイドルっぽい言い方だったんですけど、結果としてアルバムに収録しているのは少しストイックな感じになっています。
中森
“ライヴでは言いたくない”って言ってますね(笑)。
(笑)。それこそ1作目を作り終えたあとに“こんな曲をやりたかった”というお話はバンドの中であったのでしょうか?
中森
曲に対しては特になくて。それいゆが楽器をいろいろとできるので、今回はそこに重きを置きました。
今作もインスト曲で締めていますよね。この「UFO」は最初からティンパニを入れようという話になっていたのですか?
サリー
そうです。もともとこの曲にはティンパニを入れようって決めていて。でも、せっかくやるのならこの1曲だけじゃもったいないと思って。
サリー
それで岡田ユミさん(「ちいさな泥棒」作曲)が「Baby Boo」にも入れようと提案してくださって。その曲でもティンパニを使っています。
それいゆさんが叩かれたんですか?
それいゆ
ティンパニはプロの方に叩いていただきました。
中森
かなり難しいんですよね。でも、彼女自身もやりたいと言っていたので、前作でも演奏したグロッケン以外だとマリンバや他の打楽器をやってます。
そうなんですね。バリー・グレイの「UFO」を選んだのはなぜですか?
それいゆさんは打楽器を演奏していて楽しい曲はありますか?
それいゆ
「UFO」は楽しかったです! 聴いていても楽しい。
レコーディングの中で印象に残っているエピソードとかってありますか?
それいゆ
ああ! 「エモ色のコラソン」と「Hong Kong Chang」でサリーさんが叫んでいる姿を見るのが楽しかったです。
おふたりの立場から見て、14歳から15歳になったそれいゆさんの変化って何かありましたか?
サリー
ちょっと声が変わったかなと思いますね。SOLEILとして最初に出したシングル「Pinky Fluffy」は去年の4月くらいにレコーディングしていたんですけど、ちょっと舌足らずな感じがあったんです。今はちょっと大人になったかなと思います。
中森
そうですね。滑舌が良くなって、大人になる途中の15歳を僕らも感じつつ。本当にこれからどうなっていくのか分からないですからね。そこが楽しいところであったり、難しいところであったり。
近くにいるおふたりがこれだけの変化を感じているわけですからね。おふたりにとってそれいゆさんはどういう存在なのでしょうか? “娘”という感覚に近い?
中森
娘というよりは親戚にいる子。直接の家族ではないけれど、他人ではないし。面白い距離感だと思いますね。
サリー
去年会った時、まだ中学1年生だったんですよ。その時は“子供”という感じだったんですが、今は“仲間”だと思いますね。大人として接するようになりました。
ちなみに次のアルバムについての構想はあったりするんですか?
サリー
実はもう手を付け始めていて。来年の3月にはそれいゆの高校受験が終わるので、“桜咲きましたコンサート”みたいなものをやろうと思っています。
(笑)。それいゆさんは高校受験に向けて、サリーさんと中森さんは3枚目のアルバムに向けてということですね。楽しみにしています。最後、何か言い残したことはありますか?
それいゆ
『SOLEIL is Alright』、ぜひ聴いてみてください。そして、ツアーにも遊びに来てください!
取材:林 なな
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アルバム『SOLEIL is Alright』2018年9月19日発売
ビクターエンタテインメント
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『“SOLEIL is Alright” Tour』
9/22(土) 東京・Rock Joint GB
9/23(日) 愛知・伏見ライオンシアター
9/29(土) 大阪・OSAKA MUSE
ソレイユ:たんきゅんデモクラシーのメンバーとして活動していた、それいゆ(Vo)が元ザ・ファントムギフト、les 5-4-3-2-1のサリー久保田(Ba)と、ヒックスヴィルや ましまろで活躍する中森泰弘(Gu)とともに結成。サリー久保田のプロデュースのもと、2017年9月20日にリリースしたシングル「Pinky Fluffy」は、こだわりの全編モノラル録音サウンドと、1960年代の“スウィンギング・ロンドン”を彷彿させるビジュアルが話題となり、発売後間もなく完売し、現在はプレミアとなっている。そして、18年3月にはビクターレコードより1stアルバム『My Name is SOLEIL』を発表した。SOLEIL オフィシャルページ
アルバム『SOLEIL is Alright』
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