【幼児教育】きれいで正しい字が書け
るようになる!“ひらがなの魔法の覚
え方”

小学校入学前に“ひらがなの読み書きが出来る子”は相当数います。入学後、子どもがつまずかないように何とか教えたいところですが、親が教えると喧嘩になってしまうことも多々。どうやって教えれば楽しくひらがなが書けるようになるのでしょうか。

小学校入学前に“ひらがなの読み書きが出来る子”は相当数います。入学後、子どもがつまずかないように何とか教えたいところですが、親が教えると喧嘩になってしまうことも多々あります。
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子どもにどう教えれば、楽しくひらがなが書けるようになるのでしょうか。
『きれいに書ける ひらがな (おうちレッスン)』の著者の立石美津子が、魔法の覚え方をご紹介します。
筆順はどう教える?魔法の覚え方数字の「5」の筆順
例えば、数字の“5”の筆順。
小学生でも上の部分の横棒を先に書き、最後に膨らんだ部分を書いてしまう“間違った筆順で覚えてしまっている子”がいます。こんなとき、筆順を「1番→2番…」と教えても、単調でつまらない覚え方なのですぐに忘れてしまい、また同じ間違いをしてしまいます。
さあ、あなただったら、どう教えますか?
例えば、こんなのはどうでしょう?
「お出かけするときには最後に帽子をかぶるよね。だから、身体を書いて、最後に帽子をかぶる!」
横棒の部分を“帽子”に見立てるのです。
筆者は長年、幼児にひらがな指導していますが、これで教えると子ども達は一度で“正しい筆順”をマスターできます。
「も」の筆順
ひらがなの「も」。これも筆順を間違って覚えている子が多い文字です。
正しくは、“くるん”を先に書いて、次に横棒を2本書きます。カタカナの“モ”は横棒が先ですが。
筆順を「1番→2番→3番」と練習しても子どもはすぐに忘れてしまいます。でも「尻もちドーン、横棒2本でシェ~(腕2本で示す)」だったら忘れませんね。
何故、これで正しい筆順を覚えることが出来るのでしょうか?それは印象深く、面白いからです。
形はどう教える?「よ」と「お」
ひらがなには、「よ」のリボン結び、「お」の三角結びなど様々な結びの形があります。でも、“リボン結び”“三角結び”という言葉は子ども達にとって抽象的で覚えにくい言葉なのです。
そこで、次のように教えてはどうでしょうか。
「よ」…お味噌汁やカレーをよそうお玉を書いてね「お」…赤ちゃんが食べるような小さな三角おむすびを書いてねすると、あっという間に覚えてしまいます。
「わ」「ね」「れ」の違い
「わ」「ね」「れ」は、最後の部分はもちろん、上のカーブも微妙に違います。でも、これを子どもが書き分けるのは難しいです。
そこで、子どもには次のように教えてはいかがでしょうか。
「わ」…卵が入る「ね」…おにぎりが入る「れ」…スイカが入る(または、サンドイッチが入る)普段、食べている物なので一気に覚えることができます。
「ひ」と「て」
「ひ」と「て」は、ひつじ、かえると教えると子どもがイメージしやすいです。
“オノマトペ”を使うと覚えやすい!?
“オノマトペ”を使った教え方オノマトペとは、シャーッ・バキッ・ドドドド、などといった擬音語・擬態語のこと。オノマトペ研究家の藤野良孝さんによると、表現しにくい動きや物事も、理屈や意味でなく、音で一瞬でイメージができることから動作がうまくできるようになり、記憶の定着に役立つそうです。
例えば、跳び箱が跳べるようになるオノマトペ。「助走しなさい、踏み込みなさい、手を付きなさい」ではなく「サー、タン、パッ、トン」と言いながら跳ばせるのです。
【サー】(助走)
【タン】(踏み込み)
【パッ】(手をつく)
【トン】(着地)
逆上がりが出来るようになるオノマトペは、
【ギュッ】(鉄棒をしっかり握る)
【ピタッ】(鉄棒と体を近づける)
【クルン】(回る)
こうすると、身体が自然に動くそうです。
そこで!
ひらがなを書くときにも、次のように声を出しながら書くと、その通り手や指先が動きます。例えば…
「つ」…最後を「払う」ではなく、「卵を入れて、シュー」「や」…一筆目を「丸く払う」ではなく、「クルン」先ほどの「わ」「ね」「れ」の例では最後の部分を
「わ」…卵でシュー「ね」…おにぎり、お玉でキュッと結ぶ「れ」…スイカでシュー(または、サンドイッチでシュー)といったように教えると良いでしょう。
“感情に訴える教え方”も例えば西暦を覚えるとき、遣唐使が廃止された“894年”では覚えられないので、「(船酔いで)吐くよ、遣唐使廃止」という覚え方もありますね。
人間の脳には長期記憶をする“海馬”があります。一度覚えたものは一旦“短期記憶”に保存されますが、長く記憶しておくには、海馬の横にある“感情をつかさどる扁桃体”を震わせる必要があるそうです。
子どもに文字を教えるときも、単調な記憶に残らない教え方ではなく、感情に働きかける教え方を工夫するとよいですよ。
「きれいに書きなさい」では子どもは意味不明日常の子育ての中でも親が子どもに注意するとき、次の言葉をかけている人がとても多いです。
「ちゃんとしなさい」
「きちんとしなさい」
「早くしなさい」
でも、年中無休で叱り続けてもなかなか行動が改善しないのは、具体的に行動する手立てが示されず、子どもには分からないからです。
それよりも「元あった場所に片付けよう」とか、「床にあるおもちゃを100数える間に箱の中に入れよう」とか、「この砂時計の砂が落ちるまでの間に着替えましょう」などと伝えた方が断然、わかりやすいです。
これと同じで、文字の練習をさせるときも
「きれいに書きなさい!」
「もっと丁寧に書きなさい!」
「お手本をよ~く見て書きなさい!」
こう言い続けても残念ながら子どもの字はうまくはなりません。具体的な手立てが全く示されていないからです。
前述のように、子どもがイメージしやすい言葉をかけることで、文字をきれいに書くコツが伝わります。
ひらがなは46文字しかありませんが、大人が読む文章でも7割を占めます。「筆順も形もメチャクチャでいい、取り合えず書ければいい」ではなく、一生使うひらがなですし、教え方を工夫して、文字書きが楽しくなるように導きましょうね。
筆者の著書『きれいに書ける ひらがな (おうちレッスン)』ドリルに“魔法の覚え方”を紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

ウレぴあ総研

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