【ライブレポート】℃-ute、メキシコ
&フランスで最後の海外単独ライブ。
海外公演をJuice=Juiceへバトンタッ

今年6月のさいたまスーパーアリーナでの公演を最後に解散することを発表している℃-uteが、グループ最後の海外単独公演となるライブを2017年4月13日にメキシコで、4月16日にフランス・パリにて開催した。
ハロー!プロジェクトのグループに対して、海外にどれだけ熱いファンがいるかご存知だろうか。モーニング娘。が2008年に行なった初の台湾公演から海外展開が広がり、2010年代初頭には既にその熱がヨーロッパにまではっきりと伝わっていた。℃-uteが初めての海外単独公演を経験したのは、追って2013年のフランス・パリ。この渡仏で同年の<JAPAN EXPO>にも名誉ゲストとして出演し、現地ファンの文字通り熱狂的な歓迎と声援を受けた。さらに2年後にはメキシコにも初進出し、現地ファンを大いに湧かせている。
そんな℃-uteが2017年6月での解散を発表し、海外ラスト単独公演の場として選んだ2会場。4月13日のメキシコ「SALA CORONA」(サラコロナ)で開催された<℃-ute Cutie Circuit 2017~¡De vuelta a México!~>にはコンサート開始の6時間近く前から多くのファンが入口付近に集まった。メキシコ以外にもアメリカ・イギリス・ベネズエラ・コロンビア・チリ・ボリビアなど世界各地のファンが列に並ぶ。ライブ開演時には約1,000人のファンで会場が溢れかえらんばかりの勢いとなった。
会場に℃-uteコールが巻き起こる中、いよいよ開演時間。ステージに登場した℃-uteはファンから押し寄せる膨大な熱気と歓声に応えるかのように、1曲目から鍛え抜いたパフォーマンスで「まっさらブルージーンズ」を披露しオーディエンスを盛り上げる。続く「FOREVER LOVE」「悲しき雨降り」の後には、メンバーからスペイン語での自己紹介MCも行われた。(このメキシコ公演ではMCのほとんどがメンバー自身によるスペイン語で行われている)
また、先日3月29日に発売されたニューシングル曲「The Curtain Rises」の現地初披露も現地ファンにとっては堪えられない経験だ。℃-uteがメキシコでの単独公演を行なうのはこれが2度目となったが、前回公演でも披露された「The Middle Management~女性中間管理職~」はOL衣装でクールに決め、さらに「Crazy 完全な大人」「夢幻クライマックス」「情熱エクスタシー」と緊張感のあるビートでオーディエンスのボルテージを底上げしていく。
中盤ではしっとりしたパートで聴かせることも忘れない。「ありがとう~無限のエール」から「君は自転車 私は電車で帰宅」など、温かさと切なさが入り交じるパートでは現地ファンが℃-uteにあわせ、日本語で歌詞を大合唱。これには℃-uteメンバーも思わず感動の表情を見せていた。また、ここで衣装チェンジを兼ねたファンとのプレゼント抽選会も行われ、真っ赤な衣装に様変わりしてライブは後半戦へ。
℃-uteのメジャーデビュー曲である「桜チラリ」、そしてインディーズ期の「大きな愛でもてなして」と、前回メキシコ公演でも人気の高かった楽曲がここでも披露。中島早貴のスペイン語による「ラストスパート行くよ!」という煽りから、最後は一気に「都会っ子純情」「悲しきヘブン」「Kiss Me 愛してる」と鉄板ナンバーを立て続けに披露。本編ラストは℃-uteの人気曲にしてラストシングル曲「ファイナルスコール」を届け、ステージを終える。
残り少ない時間を惜しむように℃-uteコールが起こり、ウェーブが発生する中、アンコールを飾ったのは「Danceでバコーン!」。現地ファンにも待望だったこのナンバーで、会場の一体感は最高潮に高まる。
そしてアンコールのMCでは、先日発表されたJuice=Juiceの海外公演の話題に。リーダーの矢島舞美が「私たちの可愛い後輩のJuice=Juiceがメキシコに来ちゃいます!みんな楽しみに待っててね!」と告げると、会場からは大きな拍手があがった。ハロー!プロジェクトとメキシコとの繋がりは、これからも続いてゆく。
℃-uteのメンバーは、最後に現地ファンに向けて直接言葉を送る。
矢島舞美「今日のコンサートを楽しみに待っていてくれて、本当にありがとうございます!」

中島早貴「再びメキシコに来れて嬉しいです!暖かく迎えてくれてありがとうございます!」

鈴木愛理「みなさんのお蔭でとても素敵なコンサートになったと思います!ありがとう!」

岡井千聖「6月に℃-uteは解散しますが、今日のコンサートのことは一生忘れません!」

萩原舞「℃-uteはメキシコの皆さんのことが大好きです!」
「みんなもTeam℃-uteの一員です!メキシコ最高!みんな最高!みんな愛してる!」と℃-uteの5人が叫ぶと、会場からは感極まった歓声が湧き起こった。アンコールラストの「JUMP」では℃-uteのメンバーとファンが足並みを揃え、一斉にジャンプ。1度しかない思い出をメキシコの地に刻み込み、この日のライブは終了した。
メキシコで熱烈なライブを繰り広げた℃-uteは、続いて海外最後の単独公演となるフランスへと向かう。
℃-uteによる海外ラスト単独公演<℃-ute Cutie Circuit 2017 ~De retour à Paris~>は2017年4月16日、フランス・パリ「LA CIGALE」(ラ シーガル)にて開催。ライブ当日16日には午前中からDVDの撮影も行われ、メンバーも凱旋門へと繰り出した。おりしも現地はイースター期間で多くの観光客が訪れており、エッフェル塔周辺も賑やかだ。撮影を済ませたメンバーは18:00からのライブに備え会場へと向かう。
℃-uteにとって、フランスでの公演はこれが3度目となる。初めての海外単独公演の地にして、ラストもこのパリでの開催となった。現地ファンにも自負があるのだろう。会場前には少しでもメンバーへのコールを届けようと何人ものファンが℃-uteの到着を待ち受けていた。℃-uteメンバーもそんなファンに手を振りながら会場入りする。
約1000人の現地ファンで満員となった会場では、「ありがとう ℃-ute merci」と日本語とフランス語の両方で℃-uteへの感謝の言葉を綴った紙やプレートが一つ一つ、幾つもファンの手で掲げられた。中にはツアー<トレジャーボックス>時の衣装や「世界一Happyな女の子」「この街」の衣装を着てライブに臨むファンの姿も。場内は本番15分前から℃-uteコールと歓声で煮えくり返るようなテンションだ。
1曲目の「まっさらブルージーンズ」のイントロが流れるや否や、オーディエンスの歓声が大爆発し℃-uteが登場。全力のコール&レスポンスで圧倒的な盛り上がりをみせた。℃-uteはここでもMCをフランス語にして自己紹介。ファンと交流するために持参した手紙を読み上げようとフランス語で格闘するメンバーの姿に、ファンからは温かい応援の声が送られる。また、フランスについても後輩であるJuice=Juiceがワールドツアーでライブを行なうことが発表され、会場は歓喜の渦に巻き込まれた。
本編ラストまで、名曲と最新曲を交えながら“今いちばん最高の℃-ute”を現地ファンに届けきった5人。最後の楽曲「ファイナルスコール」を国境を越えた一体感の中で歌い終え、ステージを降りると、そこからは思いがけない展開が彼女たちを待っていた。
通常であれば℃-uteコールが湧くであろうこの場面で現地ファンたちが見せたのは、「我武者LIFE」の大合唱だった。これは彼ら・彼女たちが℃-uteメンバーへ感謝の気持ちを伝えるべく、事前にファン同志でアンケートを取って歌うことを決めていたもの。最初から最後まで日本語で歌い続ける現地ファンたちの思いに℃-uteメンバーもステージ袖で胸をうたれ、アンコールに臨んだ。アンコール1曲目の「Danceでバコーン」では日本やメキシコ同様、熱気全開のコール&レスポンスで会場が多幸感に包まれる。
MCでは、メンバーから現地ファンへの感謝の気持ちがフランス語で語られた。

矢島「今日のコンサートを楽しみに待っていてくれて本当にありがとうございました。」

中島「私たちも皆さんにお会い出来ることを楽しみにしてました。」

鈴木「遠く日本を離れて、今日ここで歌う事が出来て幸せです。」

岡井「みなさんのお陰で、本日、ここのステージに立てました。」

萩原「再びフランスに来れて嬉しいです!暖かく迎えてくれてありがとうございます。」
「みんなもTeam℃-uteの一員です!パリ最高!みんな最高!みんな愛してる!」というメンバー全員の言葉。それをパリ現地まで自ら足を運び、全力でパフォーマンスをし、直接自らの口で伝えることに大きな意味がある。現地ファンは遠い日本からすぐ目の前にまで来てライブを届けてくれた℃-uteに力の限りの歓声で応える。
本公演の最後の楽曲「JUMP」を熱唱で締めくくった℃-uteは、その後も興奮さめやらぬオーディエンスの℃-uteコールの前に、この日予定を変更してダブルアンコールを敢行。先ほどファンが大合唱した「我武者LIFE」を披露し、ファンに応えた。℃-ute最後の海外公演は、メンバーもファンも大号泣の中で幕引きとなった。
℃-uteの海外展開が区切りを迎え、海外ファンとハロー!プロジェクトとの繋がりは次世代へとバトンタッチされていく。℃-uteの海外最終単独公演に続き、後輩ユニットのJuice=Juiceも先日海外でのイベント・ライブ出演を行なうことを発表した。公演先はフランス、メキシコのほか、アメリカ、イギリス、ドイツ、タイ、マレーシアの7カ国。さらに他諸外国からも多くのメッセージを受け取っており、「今後もいろいろな都市に行けるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします!」と話す。(公演に関する詳細はハロー!プロジェクト オフィシャルサイトで後日発表)
海外でも確実に後輩へのリレーを繋げ、℃-uteは2017年6月11日に結成12周年記念日を、そして翌6月12日にさいたまスーパーアリーナでのラストライブを迎える。
セットリスト<℃-ute Cutie Circuit 2017 ~¡De vuelta a México!~ & ~De retour à Paris~>


M01.まっさらブルージーンズ

M02.FOREVER LOVE

M03.悲しき雨降り

M04.The Curtain Rises

M05.The Middle Management〜女性中間管理職〜

M06.Crazy 完全な大人

M07.夢幻クライマックス

M08.情熱エクスタシー

M09.ありがとう〜無限のエール〜

M10.君は自転車 私は電車で帰宅

M11.心の叫びを歌にしてみた

M12.桜チラリ

M13.大きな愛でもてなして

M14.都会っ子純情

M15.悲しきヘブン(Single ver)

M16.Kiss me 愛してる

M17.世界一HAPPYな女の子

M18.ファイナルスコール

EN1.Danceでバコーン!

EN2.JUMP(LONG ver)

(以下フランス公演のみ)

WEN1.我武者LIFE

関連画像・リンク

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着