【STANCE PUNKS】
取材:道明利友
メッセージは一貫してる。“やっちまえ
!”って(笑)
スタパンらしい荒々しさは当然として、曲調には何げにバリエーションがあったりして力作ですね!
そうですね。さすがにもう、10年目なんで…(笑)
(笑)10年で懐も深くなったと。
他の人からしたら、“スタパン相変わらずだな!”って感じのアルバムでしょうけど(笑)。でも…好きですしね、メロウな曲も。今回だったら、『星屑のメロディー』みたいな曲も、もう全然。だし、STANCE PUNKSはあくまでも、“シンガロング・スタイル”なんで。一緒に歌えるもの、みたいな。
ライヴでファンが一緒に歌えて、叫べて、っていう。そういう意味ではキャッチーですよね、スタパンの曲って。
うん。キャッチーさとかポップさって大事ですよ。ジョーイ・ラモーン(RAMONES)も言ってたけど。“ポップって素晴らしい言葉をはき違えちゃいけない”って。ロックやってる人が“ポップだとカッコ悪い”とか言うことあるかもしれないけど、ラフィンノーズもブルーハーツもすげぇ“ポップ”でしたからね。俺らも、自分らの音楽はそう思ってるし。あと、やっぱり…メッセージは一貫してますよね。(STANCE PUNKSを)始めた時から、今も全然それは変わってない。“やっちまえ!”っていうのは(笑)
「Helo, No Future」でも歌ってますね。“どいつもこいつもやっちまえ”って。“つぶしてくれパンクロック!”って。
そうですね。うっぷん抱えて、ちょっとレールからはずれちゃってるようなヤツらに届けたい音楽なんで。俺らの音楽っていうのは。だから…幸せいっぱいで聴いてもしょうがないんじゃないですかね(笑)。なんか、例えば…焦燥感だったり、“俺、何かやらなきゃな…”って思ってるヤツら。歳は関係なく。自分も含めて、そういうヤツらの中で何かを煽り立てなきゃいけない音楽じゃないかなって。
それは、アルバムタイトルの話につなげられると思うんですけど…。今のこの時代に、スタパンが何を言いたいのか。“壊したい”ものは何なのかっていうことに。
それは…闘う相手というか。敵がいないと成立しない音楽だと思うんですよ、“パンクロック”って。例えば、今の日本って、不況と言えば不況だけど何でもできるじゃないですか、豊かだから。だから、日本で“パンクロック”をやるって、実はすごい難しいことなんですよね。でも、やっぱり…不満とか不安って、みんな持ってるわけで。すっごい小さい子でも、大人でも。“このままにしてたらヤバいんじゃないかな…”っていうようなものが、心の中に。
そうですね…。どんな世代も共通で、心の中のモヤモヤしたものを“壊したい”人は、たくさんいるはず。
うん。そういうヤツの心に対して、ですよね。“DESTROY”っていうのは。だから…今回のアルバムは“ヒューマニズムの素晴らしさ”とか、“人間ってどうなんだ!?”みたいなことを歌ってますよね。歳とってくると、そういう気持ちを前面に出すのが恥ずかしいって思うヤツもいますけど。“今さらそれやったところで…”みたいな。そういう気持ちになったら終わりな気がします。
“現実に絶望しない俺たちの希望の歌”って、「アイワナビー」でも歌ってますけど。青くさい気持ちを持ち続けることが、“パンクロック”のひとつの在り方かもしれないですね。
ですね。俺も、オトナになれない“コトナ”です(笑)