【鴉(からす)】1stシングル「夢」と
は一転、鴉流のラヴソング!
ドラマチックで轟音のシングル「夢」で衝撃的なメジャー進出を果たした鴉が、新曲「風のメロディ」を発売。叙情的なメロディーがじわじわと浸透する、新たな魅力が詰まった1曲だ。
取材:榑林史章
1stシングルデビュー曲「夢」はドラマ『怨み屋本舗REBOOT』のタイアップでしたが、反響は大きかったですか?
近野
やっぱりライヴのお客さんでも、それをきっかけに聴いてくれるようになったっていう人が多くて。あれ以来、“怨み屋観ました”とか“タイアップすごいね”とか言われるので、それがプレッシャーというか…でも、そういう期待の大きさにちゃんと応えられるように、ギャップをどんどん埋めていきたいと思っています。
今回は「夢」とはまた違うタイプの曲ですね。
近野
2年くらい前に作った曲なんですよ。良い曲なのは分かっていたけど、その頃はライヴで即戦力になる曲のほうが大事だったので、後回しになってしまっていたんです。
一関
当時はガンガン攻める曲が多くて。その頃の自分たちのモードとは、ちょっと違うタイプだったんですね。
近野
結局、ライヴでやることもなく忘れかけていて。それをスタッフが聴いて“良い”と言ってくれたという。
渡邉
最初は去年の3月に録ろうとしたんですけど、その時は思ったようなテイクが録れなくて、今回やっとリベンジを果たせました。だから、自分的には自信が付きましたね。
近野
いかに気持ち良いグルーブを出せるかがすごく難しかった。今回それができたのはすごくうれしいですね。
一関
前までは、“間違えていないか?”とか“ズレていないか?”ってことばかり気にしていたから。今は少々演奏は荒くても、勢いが伝わるほうがいい場合があることも分かりましたね。
歌詞は、鴉流の切ないラヴソングですね。
近野
書いた時、ちょっとそういう切ない出来事があって。その時、沸き起こった感情を基に、「風のメロディ」という作品に広げていった感じです。大まかには2年前に書いたものと同じなんですけど、細かいところでつじつまの合っていないところとかあって、それを少し修正したというか。実は今回、その作業が一番大変でした。
「風のメロディ」は、そういう歌詞も含め、何度も聴くうちにじわじわ良さが広がってくるタイプの曲ですね。
渡邉
そうなんです。だから、ライヴではどうやったらいいんだろうって、3人ですごい悩みましたよ。
近野
今はガンガンやっていますけどね。この曲はライヴのどこでやるかで、激しくもやれるし、歌い上げる系でもやれるレンジの広い曲だと思うんです。ただ我鳴ってるだけの曲じゃないから。基本的にうちはメロディー重視ですけど、その中でもかなり重視した部類の曲ですよ。CDではコーラスが入っていてもライヴではコーラスをやっていない曲がたくさんあるけど、この曲はライヴでもちゃんとコーラスを入れてやっていますしね。
「風のメロディ」のような、まだバンドでやっていないストック曲はあとどれくらいあるのですか?
近野
CD-Rの山で、数えてないけど、結構な数があると思いますよ。今でも秋田に帰ると日々作っていますしね。でも、誰に聴かせるわけでもなく趣味みたいなものだから…。
でも今回のように、そういうものの中にこそ、他人をハッとさせるアイデアが眠ってる場合があるんですよね。
近野
確かにそうですね。そういう意味では、部屋にこもって独りで不気味に笑いながらデモを作っている自分に“その調子で頑張れよ!”って言いたいですね(笑)。
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