【JAMIL】すごく日本語を頑張った
洋楽であり邦楽、しかもロックでありポップスでもある…そんなJAMILの音楽に対する想いに触れつつ、2ndシングル「二人でなくちゃ」について語ってもらった。
取材:土内 昇
いきなりですが、なぜ日本で音楽活動を?
最初はアメリカで音楽をやってたんですけど、高校1年生の時にタイに留学して、それから日本の大学に入ったんですね。ずっと音楽はやってたから、自然に仲間ができて…3人MCのKASUMIっていうグループを組んでインディーズで活動してたから、それが今の音楽活動につながっている感じですね。
母国に戻ることは考えなかったのですか?
お母さんの仕事の関係で2年置きぐらいに引っ越していたし、タイに住んだり、他の海外の国にも住んだりしたんで、あまり“実家”っていう感覚がないから、音楽があればどこでもいいって思っているところがあるんですよ。
バンドではなく、ソロでやっているのは?
KASUMIの時って、僕は英語担当で…いわゆる、“味付けの外人”って感じだった(笑)。僕は伝えたいことがあるから音楽をやっているわけだがら、日本語を使って日本人を感動させたいと思ってたんですよ。だから、ひとりで日本の音楽を聴きまくって勉強して、作詞作曲をやり始めたんです。
やはり意識的にJ-POPを作ろうと?
そうなんだけど、どれだけJ-POPに作ろうと思っても、やっぱり外人が作るからちょっとズレちゃう。でも、僕はそれでいいと思ってるんですよ。僕にしかできない音楽があると思うし、僕にしか書けない日本語があると思うし…自分で言うのも何だけど、今までにないものを作りたいと思ってます。
なるほど。では、「二人でなくちゃ」についてなのですが、デビューシングル「片思イノ想イカタ」はバンドサウンドでのギターロックだったのに対し、今作はポップスですよね。
僕はギターを使って音楽を作っているから、エレキだったり、アコギだったり、基本的にギターが入ったサウンドになるんだけど、デビュー曲はインパクトがあって、覚えやすいメロディーだったから、ギターロックになったんですよ。でも、ちゃんと聴かせられる曲も欲しいと思って、『二人でなくちゃ』を作った…タイの海でボーッとしながら歌詞を書いたんで、こういう夏系のやさしい感じの曲になったというか。だから、意識してこういう曲を作ろうとしたって言うよりも、たまたまその日はいい天気だったし、自然と夏系の曲ができたという感じですね。
歌に説得力があって、気持ちが乗っているのが印象的です。
特にBメロの“どれくらい私のことが好き?”っていうところは、わざとキーを高くしていて…地声だと結構苦しいんだけど、それぐらい強い気持ちで歌いたいパートだから、Aメロはやさしい感じで、Bメロではわざとそういう歌いかたにしましたね。日本語の曲ってストーリーがあるから、そうやって部分によって歌いかたを変えてます。
完成したものを客観的に聴いてどう思いましたか?
初めて生ストリングスを入れたし、やさしい曲になったと思った。友達にも聴かせたんだけど、やっぱり女性にすごく人気があったよ。日本語で作るようになって三番目ぐらいにできた曲なんだけど、すごく日本語を頑張ったと思うね(笑)
カップリング曲も含め、どんなシングルが作れましたか?
デビュー曲と『二人でなくちゃ』をパッと聴くと、同じ人が作っていると思わないかもしれないけど、パッケージされている曲を全部聴いたら、“あっ、JAMILだな”って思えるんじゃないかな。バランスを考えて作ったし、ちゃんと両方のシングルにJAMILの世界観が出ていると思いますね。
アーティスト