L→R U.G(ベースウルフ/Vo&Ba)、セイジ(ギターウルフ/Vo&Gu)、トオル(ドラムウルフ/Dr)

L→R U.G(ベースウルフ/Vo&Ba)、セイジ(ギターウルフ/Vo&Gu)、トオル(ドラムウルフ/Dr)

【ギターウルフ】セイジ・リターンズ
!愛の戦艦が地球に帰還!

記念すべき10thアルバム『宇宙戦艦ラブ』は、肉体オーバーホールを完了させたセイジ(Vo&Gu)の完全復活を象徴する作品だ。宇宙、バイク、工事現場、青春ドラマ、ロカビリー…ギターウルフにしかできない激烈ロックンロールの波動砲が火を吹く。セイジに訊いた!
取材:金澤隆志

9月から10月にかけては5年振りのアメリカツアーを行なったそうですね。久々に行こうと思ったきっかけというのがあったのですか?

この5年の間にいろいろあったからね。ビリーが死んだのが前回のアメリカから帰国して3日後だったし、U.Gが入ったり、俺の脚のことがあったり。で、今年1月に脚のボルトが抜けて、万全な体制が整ったのでそろそろ完全復活しようかなと。

今作のタイトルの“宇宙戦艦ラブ”は、もともとは2009年4月の日比谷野音ライヴのタイトルでしたよね。

本当はこの曲を野音の1曲目でやりたかったんだ。“オレは帰ってきた”という歌詞もあるし。でも間に合わなくて、結局4年かかってしまった。その分、完成した時の感激はものすごくでかかった。4年間、来る日も来る日も歌詞を考えていたんだから。まさに地獄を見たというか。

ギターウルフとしては珍しい、5分越えの大作ですね。

“俺にもこんな構成がある曲を作れるんだ!”と、自分でもビックリした(笑)。タイトルは2007年にリリースした9thアルバム『DEAD ROCK』の時に浮かんでいたけど、当初は今みたいな曲じゃなかった。メンバーと繰り返し試行錯誤した結果こうなったんだ。歌詞は“宇宙戦艦の巨大な愛が君を狙うよ”みたいなイメージ。『UFOロマンティクス』などから続く宇宙シリーズの集大成みたいなものかもしれない。

「フーチークーチースペースマン」は、マディ・ウォーターズの「フーチークーチーマン」をモチーフにした曲?

20年ほど前に俺がブルースの病にかかったことがあって、その時から『フーチークーチーマン』は自分たちの持ち歌で、得意とするところだったんだけど、あのパターンで日本語ではめてみたいという思いがずっとあって。それが今回やっと実現した。“スペース”を入れたのは、やっぱり“宇宙戦艦ラブ”の影響かな。

「ファイヤーエイティーン」は、高校の卒業式が舞台の青春ドラマのワンシーンのようです。曲調はいつも通り激しいけど、歌詞がどこかセンチメンタルで。

同級生に気になるカッコ良い男がいるわけだけど、卒業するにあたって、そいつの存在のデカさに気付くんだ。“もう二度と会えないかもしれないけど、コイツはどんなカッコ付けた人生を送っていくんだろう”と。そんなシーンを思い浮かべながら書いた。あと、少し前に田舎に帰った時、久々に同級生に会ったんだ。俺はそいつのことを全然憶えていなかったんだけど、そいつは俺が今やっていることまで詳しく知っていて。そこまで意識してくれていたんだって。18の頃って目の前が闇だけど、もう、燃えるしかない、と。

NHK教育から出演依頼が来そうな歌詞ですよね(笑)。

『青春リアル』とか? 俺、あのタイトルは素晴らしいと思うよ(笑)

「コンクリートパンク」は、かつてセイジさん自身が身を置いていた工事現場のワンシーンを描いた曲ですよね。今でも当時の感覚が蘇ることがありますか?

いや、今でもその感覚はずっと持ってる。“現場仕事の男”という感覚も全然抜けないし。現場で働く兄ちゃんたちが大体持っている、悶々とした思いだね。

「ブラックホールママ」は、ギターウルフ初期を思わせるロカビリーですね。

俺たちの“ウルフロック”ももともとこういうロカビリーなんだけど、プレス工場のせいであんな劣悪な音になったんだ(笑)

ラストはご当地シリーズの「ハカタ大作戦」。

自分は生まれは長崎だけど、親戚が博多にたくさんいて思い出もいっぱいあるんだ。この前ツアーで何日間か過ごして博多湾の近くを歩いてビビッと来て。同じご当地ソングの『ギオンミッドナイト』『島根スリム』『ナガサキJET』もそれぞれの場所でしか演奏しないんだけど、自分自身、やる時にものすごく興奮するんだ。その興奮を味わいたいからご当地ソングをやるんで。この曲も最終的には博多でしかやらなくなると思う。

セイジさんはブログも書かれてますけど、ブログで書いたテーマが歌詞に反映されるようなこともありますか?

ロックの曲はそれなりの純度を持ち、研ぎ澄まされたものじゃなければタイトルや歌詞にはできないけど、ブログではそこまでは求めない。自分にとっては別物かな。

従来通りノイジーかつ音圧の効いたサウンドではありますが、今回はどこか聴きやすさというか、洗練された音に感じました。これは意図的に?

『宇宙戦艦ラブ』を録ったことが大きいんじゃないかな。壮大な宇宙観、キラキラ感、立体感を出したかったから。

最後に、ワンワードでこのアルバムを総括すると?

“毒”かな。ギターウルフとしての強烈な毒、灰汁の部分を培養できたように思うんだ。これからもそういうものを作っていきたいし。
『宇宙戦艦ラブ』2010年11月24日発売Ki/oon Records
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • KSCL1669~70 3000円
    • 【通常盤】
    • KSCL1671 2700円
ギターウルフ プロフィール

ギターウルフ:1987年に東京・原宿にて結成。革ジャン、革パン、サングラスという“ロック三種の神器”に身を包み、アドレナリンを発散しながら登場したジェット・ロックンロールバンド。アンプが耐えられないほどの大音量、弦が切れてもお構いなしの暴走ぶり、マイクをヌンチャクに見立てたステージ・パフォーマンス…全宇宙の民必見のライヴはとにかく圧巻!ギターウルフ オフィシャルHP
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