L→R 真城めぐみ(Vo/ヒックスヴィル)、真島昌利(Gu&Vo/ザ・クロマニヨンズ)

L→R 真城めぐみ(Vo/ヒックスヴィル)、真島昌利(Gu&Vo/ザ・クロマニヨンズ)

【ましまろ】作り込むよりも ゆるい
感じで楽しめるバンドを

GS魂、ネオアコ魂、ガレージ魂、いろん
な魂持ってます

真島さんの今回のアルバムのサウンド的なイメージは?

真島
去年、アコギの、マーチンのD-45を買ったんですよ。すごくいい音がしていて、僕のネオアコ魂に火が付きまして。
真城
ネオアコ魂、あったんですか!?(笑)
真島
80年代初頭のチェリー・レッド・レコードのトレーシー・ソーンとか、ペイル・ファウンテンズとか。あのへんが大好きだったんで、あの感覚が久々に蘇ってきて。

ああ~。そのニュアンスは、ものすごく分かります。

中森
そのへんは僕らも好きなんで。
真城
好きだけど、やったことはなかったんですよね。ましまろがそういうふうになったらいいなと思って、どういうふうにしたらいいのかな?って初めて考えましたけど。
中森
アルバム作ってる時に?
真城
うん。最初からその感じは念頭にあったんですけど、作っていくうちにいつの間にか忘れちゃった(笑)。結局は自分たちのやれることをやっただけなんですけど。
中森
すごく狙ったわけじゃないけど、共通の意識はあったんで。さっき言ったみたいに、それが自然に滲み出てればいいなぁと思ってます。
真城
だって、ネオアコってオシャレだもんね。どうやったらああいうふうになるのかな?って。
中森
じゃあ楽器何やる?って話した時に、真城が“トランペットやる”って言い出して。じゃあペイル・ファウンテンズできるねって。でも、全然練習してこない。
真城
1回、プーって吹いただけで終わりました(笑)。
真島
ペイル・ファウンテンズの「ジャスト・ア・ガール」を期待したのに。
真城
できるわけない(笑)。でも、まだ諦めてないですよ。待っててください。

でも、真城さん、ライヴではパーカッションで大活躍じゃないですか!

真城
あの酷いパーカッションに合わせて、ふたりはよく弾いてくださってると思います(笑)。ただ、ガレージ魂は私にもあるんで。そこだけでなんとか頑張ってます。
真島
いろんな魂持ってるね。GS魂、ネオアコ魂、ガレージ魂(笑)。
真城
時々そういうの、バッと出てくるんですよ。

7曲目に入ってる「ずっと」とか、思いっ切りフィル・スペクター魂ですよね(笑)。あと、真島さんが歌ってる「ぼくと山ちゃん」「山の師匠」あたりは、フォークソング魂というか。

真城
「山の師匠」はいいですよ。最初“えっ?”と思いましたけど。

誰だか分かんないですからね(笑)。人間か、モノノケか。

真島
田舎に住んでる人は分かるんじゃないですか。“あぁ、山の師匠なら裏の山にいるよ”みたいな(笑)。
中森
“会ったことあるよ”みたいな。聴いてもらって、それぞれの山の師匠を思い浮かべてもらったらいいんじゃないですかね。

あと、アルバム全体的に夏の曲が多いのはたまたまですか? それとも意図的に?

真島
たまたまじゃないですかね。何ですかね、夏が好きなんですかね。

古い真島さんファンとしては、『夏のぬけがら』(89年にリリースした1stソロアルバム)再び!みたいな感じもしたので。

真島
はいはい。そうですね。ワンパターンなんですかね(笑)。
真城
それでいいんだと思いますよ。でも、確かに夏の思い出のほうが強烈だったりしますよね。子供の時にも。
中森
夏は終わっていくものだからコントラストがはっきりしてる。だから、強烈に覚えてるんじゃないですかね。
真城
ミュージシャンは音楽の中でさまざまな疑似体験をして、季節を感じてみたり、どこかへ行った気になったりするものなので。それが一番出てくるのが、夏なのかもしれない。

ましまろの曲はどれも遠い記憶を探るようなノスタルジーな雰囲気があって、時空を超える力があると思います。リスナーにはどんなふうに楽しんでほしいですか?

真城
マーシーのファンの方は、あまりのゆるさにびっくりするかもしれませんが(笑)、こういう世界もあるんだよということで。まだイベントでしかやったことがないので、ワンマンが非常に楽しみですね。
中森
ライヴはゆったり観てほしいです。僕らもそんな気持ちでやろうと思ってます。
真島
楽しくやりたいですね。たぶん楽しいでしょう。

最後に、これは聞いておきたいんですが。ましまろって、これからも続けてもらえますか? 期間限定とかじゃなくて。

真城
期間限定とかは考えてないです。それぞれにバンドもありますから、その兼ね合いで、という感じで私は思ってますけど。
真島
うん。
真城
ユニットじゃなくて、バンドと思ってやってるんで。だから、なるべく自分たちでいろいろやろうと思ってます。
『ましまろ』2015年09月02日発売Ariola Japan
    • 【通常盤(CD)】
    • BVCL-668 3146円
    • 【完全生産限定アナログ盤】
    • BVJL-14 3500円
ましまろ プロフィール

ましまろ:1980年代の初頭、新宿JAM STUDIOで知り合ったザ・クロマニヨンズの真島昌利、ヒックスヴィルの真城めぐみと中森泰弘の3人が、 30数年の時を経てかき鳴らすヒップでクールなフォーク&ロールバンド。15年5月にシングル「ガランとしてる」でデビュー。同年9月に1st アルバム『ましまろ』をリリースした。ましまろオフィシャルHP

ザ・クロマニヨンズ プロフィール

ザ・クロマニヨンズ:2006年7月23日13時41分、『FM802 MEET THE WORLD BEAT 2006』に出現。その後、数々の夏フェスにも出現し、デビュー前から話題を呼んだ。そして、同年9月に待望のシングル「タリホー」でデビュー。22年1月に15枚目のアルバム『SIX KICKS ROCK&ROLL』、23年1月に16枚目のアルバム『MOUNTAIN BANANA』を発表。そして、24年2月に17枚目のアルバム『HEY! WONDER』をリリースし、同年2月16日より『ザ・クロマニヨンズ ツアー HEY! WONDER 2024』(全国43公演)を開催。ロックンロールをこよなく愛する4人が最強のロックンロールを響かせる!ザ・クロマニヨンズ オフィシャルHP

ヒックスヴィル プロフィール

94年のロッテンハッツ解散後、片寄明人はGREAT3を結成し、木暮晋也・真城めぐみ・中森泰弘の3人はヒックスヴィルを始動させる。カントリー/フォーク/バブルガム・ポップといった60〜70年代のアメリカン・ミュージックを消化し、筒美京平ライクな歌謡メロディを加味。96年に発表された1stアルバム『トゥデイ』は、エヴァーグリーンそのものだ。また、各メンバーはミュージシャン仲間からの信望も厚く、オリジナル・ラヴ/小沢健二/フィッシュマンズを筆頭に数多くの作品に参加している。公式サイト(アーティスト)

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