劇場版「蒼き鋼のアルペジオ
-アルス・ノヴァ-」後編、岸誠二
監督は「憧れていたものが作れた」と
手ごたえ十分

「蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐」は、Ark Performance原作のコミック「蒼き鋼のアルペジオ」(少年画報社刊)のアニメ化。人類に敵対する謎の艦艇群「霧の艦隊」と、霧の艦隊を裏切った潜水艦イ401(イオナ)の艦長となった千早群像の戦いを描く。「Cadenza」は、1月に公開された「DC」に続く2部作の後編で、大戦艦・ヒエイ率いる霧の生徒会や、さらなる強敵との戦いを描く完全オリジナルストーリー。

 ステージでは、南健プロデューサーの進行のもと、主人公・千早群像役の興津和幸、ヤマト役の中原麻衣、監督の岸誠二、シリーズ構成・脚本の上江洲誠らがトークショーを行った。

 上江洲は、千早翔像の演説シーンを数週間かけて書いたにもかかわらず、岸によってカットされてしまったと明かす。脚本には、同様に映像化されていないシーンが多数あり、今後発売予定のファンブックの反響次第では、お蔵入りしたシーンの脚本が日の目を見るかも、とのこと。

 また、劇場版の隠されたテーマは「ほとんどカップルになったイオナと群像がそこからどうなるか、というお話」で、「大元のアイディアとしては、(結婚を決めた)群像とイオナが、ご両親に会いに行くというものだった」のだという。シリーズ最大の強敵として群像たちの前に立ちふさがるムサシは、ふたりの結婚に猛反対する親戚のお姉さん、というポジションなのだと明かす。

 岸が「劇場版はSFメカものとしての集大成でもあり、ずっとやりたかった潜水艦でのサイレント・ランニングも描けた。これまで、自分たちがアニメを見て憧れていたものが作れたという実感がある」と満足げな表情を浮かべると、中原も「初参加だったので、とても緊張していましたが、みんなが優しく受け入れてくれた」とニッコリ。興津は「完成した映像を自宅で3回見たが、そのたびにラストシーンの印象が変わった。今は、イオナが必ず帰ってきてくれると信じている」と話した後、「イオナ(渕上舞)がいないので、今日はヤマトの艦長になってみます」と宣言。ファンとともに「ヤマト、発進!!」と号令をかけると、中原が単独で「きゅうそくせんこー」と応じて舞台挨拶の幕を飾った。

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