さくら学院公開授業2限目レポート「
良い句から小学生レベルまで揃った良
い句会」

続いて17時30分から開始された、俳人・エッセイストである夏井いつき先生による「俳句の授業」の2時限目。担任の森ハヤシ先生は登場するや「父兄さん ずっと待たせて ごめんなさい」と一句、場内を爆笑させる。

2時限目の生徒は田口華、野津友那乃、磯野莉音、倉島颯良、山出愛子、岡田愛の6人。田口は「秋なのに 夏井先生 秋なのに」と一句詠んで拍手を浴びる。野津は来場者に配られた紅白の扇形のしおりをなぜか髪飾りにして登場。これが後々災いを招くことになる(笑)。 野津は「昨日(卒業生の)堀内まり菜ちゃんに、学校の授業で松尾芭蕉を習っていると言ったら『あ、松葉和尚いいっすよね♪』と言われ、まり菜ちゃんはお馬鹿だなと思った」と爆笑エピソード。磯野は「小学校の時昔遊びクラブの部長をやってたから俳句はやったことあります。今回色んなことを学んでスーパーレディに少しでも近づきたい」と、珍しく優等生コメントだ。

 倉島は「1時限目は失敗だったので、今回は学んだことを生かしたい」とめげずに前向き。山出は「チャライ出愛子で~す♪」とノリノリ。「学校で俳句を作ったら部長先生に褒められて学校の看板に書かれました。自信あるので頑張ります」とコメント。岡田は「昨日まで修学旅行だったので1句詠みます。『昨日京都 今日は東京 しりとりか!』」とやって喝采を浴びた。

 森先生は野津に髪飾りの理由を聞くと「ごりえき? ごりやく? があるからってことで付けました」と野津。すると森先生は「あいつ本番前には触って触って、ご縁があるからって言ってた。結婚しねーよ!」と暴露していた。

 磯野には「今日は挨拶マジメだな」と振り、磯野は「今回のメンバーはみんなマジメ。1時限目は焼け野原メンバーだけど」とコメント。これには場内も爆笑だが、森先生は「1時限目から残ってるメンバーもいるよ、岡田とえーっと」、「倉島!」。もはやお約束のやりとりに大拍手が起きた。1時限目に優勝した岡田は「若大将……じゃなくて若頭になりました」とよくわかっていない様子。森先生は「岡田優勝を聞いてから山出の機嫌が悪い」と煽る。山出は「メグには負けたくない。かけっこは負けちゃったけど、俳句は負けないってところを見せたい」と気合い十分だ。

 ここで夏井先生が登場。夏井先生は野津の髪飾りを見て、「目が行くたびに何だこの子と思う」と笑わせる。早速授業が始まり、「俳句には2つルールがあるけど、そこの不思議な方はご存知?」と野津を指名。野津は見事に五七五と季語と答え面目を保つ。「こんなもん付けてる子が……」と夏井先生の厳しい言葉に沸く場内。この後もことある毎に野津は指名され、磯野に「友那乃、目を付けられてるね」と笑われ、「先生どうしよう」と泣きつくも、森先生には「お前それ御利益なかったな」と返されてしまう。夏井先生は「だって目が行くんだもん。今の季節はいつですか?」と追い打ち。野津は「夏から秋に移り変わるど真ん中」と答え、「全く違う」とダメ出しされてしまう。「8月のアタマの立秋で暦の上ではもう秋。しかもアナタが間違ってるのは暦の上だけじゃなく、どう見たって秋だろ!」と夏井先生の集中砲火を浴びる。

 そして1時限目同様、季語と俳句の種の関係を説明したところで再び森先生がいけにえに。夏井先生は森先生から、36年生きてきてキツかったことを聞き出す。森先生は脚本家になる前は芸人、その前は某テレビ局の社員だったことを赤裸裸に告白。TV局を辞めて給料が50分の1になったことがキツかったと白状させられる。

 この「月給 五十分の一」、こんな滅多に味わえない不幸も立派な俳句の種。これに恐ろしく悲しい、貧乏ったらしい季語を付ければ俳句になると夏井先生が説明すると、生徒たちは嬉しそうに笑い転げる。季語の例として「すきま風」が挙がると生徒たちも場内も大爆笑だ。「すきま風 月給 五十分の一」森先生のキャッチフレーズにしたらいいと磯野。これには森先生もトホホだ。


次ページでは、生徒たちの制作実習!ライバル心剥きだしの山出愛子と岡田愛

ここからは生徒たちの俳句の制作の実習。「明るい俳句が出来た場合の季語は『秋高し』。『秋高し 月給 五十分の一』これ開き直ってるね。そんな奴のプロポーズ受けた女がいるんだね」と夏井先生の毒舌も絶好調。「暗い気分なら『肌寒し』。『すきま風』を使ってもいいけど、コレは冬の季語として認識してください」と続け、俳句制作がスタート。 iPadでの送信の仕方がわからない野津は舞台袖のスタッフに聞きに行くが、ステージに戻るや「(スタッフの所に)1時限目の大賀の句が残ってるけど、意味がよくわからない」と笑わせる。田口は「もうわかんないんだ~」と放心状態で、森先生に「田口、元気ですか?」と言われる始末だ。さて、スクリーンに句を表示する準備に手間取る間、しばらくトークが続くことに。

 山出は「メグに勝ちたい」とライバル心を燃やし、岡田は「チャライ出さんに勝ちたい」と切り返す。田口は「誰でもいいよ」と投げやりだ。この後岡田は野津のどこに憧れているのかという話題がしばらく続き、森先生が「岡田は野津が面白いから好きなんだ?」などと茶化されたり、褒めてもらえない田口がいじけるたびに「違うの違うの~!」とほぼ絶叫口調で否定する岡田の姿に大爆笑が起き、夏井先生には「貴方いつもこんなの相手してるの?偉いね~ずっとすきま風の人生だね~」と弄られ、「準備はまだですか?」とスタッフに泣きつく森先生。そんなこんなでようやく俳句の発表だ。

A 怒られる 正座痛いよ 秋寒し
B 秋高し 石垣の裏に かくれんぼ

 岡田は「お城に遊びに行くと必ずやることだから」とBを推す。野津は「Aに共感できない?毎日正座させられてる」と笑わす。倉島は「かくれんぼが子供心があっていい」とBを推薦。夏井先生はAについて、「悲しいときは肌寒しを使えと言ったのに秋寒し。こういう人の言うことを聞かないへそ曲がりは俳人に向いている。だから私は俳句で飯が食えている」と笑わせた。場内の評価はBの圧勝、Aの作者は野津と暴露される。

C:秋高し 学院祭が 楽しみだ
D:秋高し 毎日生きてて 楽しいな

 これには場内も大爆笑。夏井先生も「久しぶりに低レベルな戦い」と呆れる。山出は「Dがいい。毎日がエブリデイ、うふふ」と謎の発言で爆笑を誘う。「毎日がエブリデイ」はどうやら倉島の名言らしい(笑)。野津は「うーん、どっちもどっち」と言いつつ「2日に一度は必ず親に怒られるから、毎日楽しいわけじゃない。最近妹が口聞いてくれなくて…」と赤裸裸な相談が始まり、最終的にはCを推す。田口は共感できるからとD推し。場内の判定はDの圧勝。夏井先生は「3分の2同じ内容なのにこれだけ差がつくなんてCは切ないね」と笑わせる。そんなCの作者は磯野。磯野は「学院祭楽しみですよね?共感できますよね?何でDなんですか?」とアピールしていた。

E:肌寒し 雪の足跡 ふりかえる
F:肌寒し 謝る言葉 喉痛い

 岡田はEについて「ひとりぼっちで歩いてる感じがした」、野津は「誰かイジメ受けてる?」と笑わせた。倉島は、Fは謝るとき、言葉にして言うときの気持ちの痛さが表れていると指摘し、森先生は「倉島がいて良かった」。山出は「Fは学校での日常が出てる」とFを推薦。田口は「Eはプロっぽい」とコメントし、「お前にプロの何がわかるんだ」と森先生にツッコまれた。夏井先生は「両方とも奥行きのある句。2回戦とは大違い」と評した。場内の判定はFの勝ち。「さっきの2回戦を思うと、Eが落ちるのは惜しい」と森先生。Eの作者は倉島。夏井先生は「惜しい、雪も季語になるから。でもこのフレーズは才能のかけらがある」と評した。


次ページで決勝の模様を!いつき組の跡目争い勃発?


 決勝に残ったのはB、D、F。野津や倉島は、さくら学院の代表曲『FRIENDS』みたいなFが好きと発言。磯野はDに『FRIENDS』っぽさを感じたと推薦する。岡田は共感できるからとBを推す。「俳句を書いた方は知らないけど、この俳句は好きです」とコメントして笑わせた。山出はFの寒色っぽさが好きとコメントし、「お前から寒色って言葉が出るとは」と森先生を驚かせた。

 場内選考の結果、優勝はFの句に決まった。その瞬間「イエーイ!」と大喜びの山出。山出はBの句について「石垣の裏でかくれんぼする必要あります?」と岡田を挑発。人生を否定された岡田は「否定しないでもらえます?」とむくれていた。Dを詠んだ田口は「さくら学院のメンバーと会うのも楽しいし、ママとケンカしたりするのも人生だし、妹と遊ぶのも楽しい」とほのぼのムード(笑)。

 優勝者の山出には賞品として「いつき組の幹部を名乗ってよい」という権利が与えられた。野津は「若頭のメグの方が偉いんじゃない?」と指摘し、「そういうこと言うとまたケンカになるから」と森先生にたしなめられる。「抗争に発展していつき組の跡目争いになっちゃう」と続け拍手喝采を浴びた。

 夏井先生は「記憶に残る句会。良い句から小学生レベルまで揃ったのは初めて」と感想をもらした。さらに「雪の足跡はセンスある」と倉島をべた褒め。「さくら学院を卒業して職がなかったらいつき組においで」と誘っていた。

 褒められた倉島は「1限目で学んだことを生かせて良かった」、優勝した山出は「これからいつき組の幹部として頑張ります」と笑わせた。岡田は「負けた……」とションボリ。「でもまだ1対1だから」と対抗心を燃やした。

 森先生は「だいぶ時間オーバーしたけど、脱線も楽しい授業でした」と振り返り、最後に一句「美味そうだ 授業終わりの 生ビール」と締めた。

 今回は俳句という、生徒たちにとって取っつきやすいテーマだったこともあって、生徒全員最初から最後まで集中してノッていたような印象が残った。講師の夏井いつき先生もTVなどに出慣れていることもあり、生徒たちのイジリが抜群に上手く、テンポの良い楽しい授業になったように感じた。

 年内の公開授業は次の土曜日が最後。果たしてどんな授業になるのか?竹崎清彦アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。

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