モーニング娘。‘14、初のNY公演に海
外ファンや田中将大投手が熱狂!

 9月30日の新メンバー加入発表をもって14名体制となったモーニング娘。’14だが、今回のニューヨーク公演には新メンバーを除いた10名で渡米した。
 モーニング娘。の海外公演は、2010年のフランス「Japan Expo」以来。また、米国での公演は2009年にロスで開催された「Anime Expo」内でのステージ以来、今回が2回目となる。さらに、リーダー道重さゆみ以外のメンバーにとっては、海外公演自体が初めてとなった。

 劇場のあるブロードウェイには公演の数時間前から長蛇の列ができるほど、コンサートを心待ちにするファンが集結。カナダからこの公演のためにニューヨークに来たという25歳の女性は、「フォーメーションダンスが面白いし、パフォーマンス力が高くてかっこいい」と興奮気味だ。

 また、お隣のニュージャージー州から来た20歳の女性は、「とにかく歌とダンスが最高で、才能がある。アイドル界では一番! ファン7年目にして初めてのモーニング娘。のコンサートに来れてすっごく楽しみです!」と、こちらも興奮をあらわにしていた。
 前述のカナダから来た女性は、ファンになったキッカケが2005年にモーニング娘。の映像をインターネットで見たことだという。今回のニューヨーク公演にはSNSで知り合ったファン同士で来場したとのことで、インターネットがきっかけやファン同士が繋がりを作っていることがうかがえる。

 いよいよ開演。午後4時にオープニングのSEが流れ始めると、ファンのボルテージは最高潮に。Best Buy Theaterに集まった2000人の大きな歓声がホール内に響き渡るなか、『One・Two・Three(updated)』でステージが始まった。

 メンバーの衣装は青地に白い星、そして紅白の横ストライプという、まさに星条旗をイメージしたデザイン。衣装の各所に「NY」の文字もあしらわれている。
 観客たちはメンバーの歌に合わせて、「One! Two! Three!」と大きな掛け声で返すなど、その声援は日本での公演とは違う雰囲気で、まさにアメリカン! 1曲目からメンバーと観客との一体感が会場を埋め尽くす。

 多くの観客はモーニング娘。のコンサートを初めて観る人ばかりにもかかわらず、メンバーの振りを真似て身体を動かしたり、掛け声をかけるタイミングといった対応力はとてもこれが初めてとは思えない。どうやら、インターネットでライブ映像やMVを視聴することで、コンサートの楽しみ方を事前に把握するなど準備をしてきたようだ。

 3曲歌い終えたところで、道重が「みなさんこんにちはー!」と会場中を見渡しながら挨拶。すると、待ち望んでいたかのような大きなリアクションで、ファンからは日本語で「コンニチワー!」と歓喜の挨拶が戻ってきた。このニューヨーク公演に向けてメンバーが英語を勉強してきたことを伝えると、観客は喜びの表情を見せ、メンバーの言葉に耳を傾ける。
 ほとんどのメンバーにとって初の海外公演とあって、緊張のあまり途中で英語を忘れてしまったり、たどたどしいシーンもあったことは否めない。だが、一生懸命に伝えようとするメンバーの姿勢が多くのファンに伝わったのか、幾度となくあたたかい声援がおくられていた。

 小田さくらは、「今日は、“ありのまま”の自分で頑張ります!」と英語で伝えると、『Let it go』のサビの部分を歌ってみせた。飯窪春菜は大のマンガファンでオタクであることを伝えると、「オタク」というキーワードが響いたのか会場からは笑いが起こった。

 鈴木香音に至っては、自己紹介をしようとした途端にMCの声がかき消されるほどの熱狂的な大歓声が発生。これには鈴木はもちろん、メンバー一同も何が起こったのかと驚きの表情を見せていた。海外での人気をダイレクトに実感した鈴木は、大歓声の理由を「自分の体積では? アメリカンサイズ(の体型)がちょっとウケてるんじゃないかと思います」と屈託のない笑顔で語っていた。

 このように、メンバーの愛嬌ある素の表情がこぼれたMCコーナーのあとは再び、ステージはスピード感を上げて展開。9期メンバーが加入して以降、ここ数年内にリリースされたEDMサウンドの楽曲では一糸乱れぬクールなフォーメーションダンスとパワフルなボーカルで観客を魅了し、いっぽうで、笑顔全開で歌い踊る楽曲も繰り広げられる。
 様々な楽曲がパフォーマンスされるなか、イントロが流れ始めた段階で、何の曲なのか瞬時に察して歓声を挙げ、一緒に歌うファンも見受けられた。日本から約10,000kmという遠く離れた地にもモーニング娘。の楽曲がしっかりと浸透しているという事実は、ステージ上のメンバーからもよく見えていたとのことだ。

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■道重さゆみからニューヨークのファンへの手紙

 本編が終わり、アンコールで再びメンバーがステージに登場。ここで道重が、会場に集まってくれたファにへ感謝の気持ちを伝えるために英語で手紙を書いてきたと伝えると、会場は静まり返ってそのメッセ―ジに真剣に耳を傾けた。

<ファンへの手紙>

ニューヨークのファンの皆さんへ

本日は、モーニング娘。’14のコンサートに来てくださり、心から感謝いたします。

私は、現在日本で行われているコンサートツアーの最終日11月26日で、モーニング娘。を卒業します。

モーニング娘。の一員としての活動の中で、今日こうして、この10人の仲間とニューヨークでコンサートが出来たことは、私の人生において、とても輝かしい経験と感動になりました。

近い将来、再び、モーニング娘。のコンサートがニューヨークで行われることを強く願っています。

モーニング娘。は、これからも世界中を笑顔にするために、歌い続けます。

ありがとうございました!
 道重が英語で伝え終わると、それに応えるかのような大きな拍手と歓声が沸き起こる。なかには涙を流しながら道重のメッセージを聞く観客の姿もあった。

 ラストの楽曲『Happy大作戦』が流れると、しんみりした空気は一転、再び会場内に笑顔が戻った。観客全員が無条件に笑顔になり、サビではメンバーの動きと同様に、隣の人どうしで肩を組み大熱唱。元気でピースフルな世界観は万国共通だったと言えよう。

<コンサート終演後 道重さゆみ コメント>

 本当にすっごく盛り上がって楽しかったなって思うんですけど、私自身はアジアツアー(中国・台湾・韓国)とロサンゼルスとパリでコンサートをさせて頂いた時に、こんなにも世界中にたくさんの人がモーニング娘。のことを好きって言って下さるんだな、嬉しいなって思いました。

 今回もNYで初めてコンサートさせて頂いて、すっごく待ち望んで下さったんだなっていうのがリアクションからわかったので、来れて本当によかったなって思ったし、私としては卒業する前に、この10人でNY公演が出来たことがなによりも嬉しいなって思いました。
 初の海外公演を終えたモーニング娘。’14。次に行きたい国を問われると、工藤遥が「ブラジルで今度オリンピックがあるので、そのシーズンにコンサートで行きたい」と語れば、鈴木は「ブラジルの肉でBBQをするくらいブラジルの肉が好き」とのことで、2人からブラジルでコンサートしたいとの希望が挙げられた。

 飯窪からは、12期メンバーの野中美希が英会話を特技としていることを挙げ、「12期メンバーが入った体制で、海外でライブを行ないたい」と、さらなるグローバル活動に意欲をみせていた。
 なお本公演には、ニューヨーク・ヤンキースで活躍するマー君こと田中将大投手も、妻でハロプロの大先輩である里田まいと共に来場。自身のツイッター(@t_masahiro18)で「彼女達の単独でのLIVEは2012年以来でしたが、相変わらずのスキルの高さに圧倒されてしまいました‼︎‼︎‼︎」とツイートするなど、ライブをめいっぱい楽しんでいたようだ。

「Morning Musume。'14 Live Concert in New York
セットリスト

M01 One・Two・Three(updated)/全員
M02 Help me!!(updated)/全員
M03 わがまま 気のまま 愛のジョーク/全員
M04 TIKI BUN/全員
M05 ワクテカ Take a chance/全員
M06 The 摩天楼ショー/全員
M07 ブレインストーミング(updated)
M08 I WISH(updated)/9・10・11期
M09 ラララのピピピ/道重さゆみ
M10 シャボン玉/全員
M11 気まぐれプリンセス/全員
M12 そうだ!We're ALIVE(updated)/全員
M13 LOVEマシ-ン(updated)/全員
M14 ザ☆ピ~ス!(updated)/全員
M15 恋愛レボリュ-ション21(updated)/全員
M16 Password is 0/全員
M17 君の代わりは居やしない/全員
M18 What is LOVE?/全員
<ENCORE>
EN1 時空を超え 宇宙を超え/全員
EN2 Happy大作戦/全員

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