ギルガメッシュ、【ギルガメッシュ】
国内ツアー初日公演ライブレポート

 結成10周年イヤーを邁進しているギルガメッシュ。4月からは、キャリアを総括したベスト盤『LIVE BEST』と、メタルコアへ接近した会心作『MONSTER』を掲げたツアー「girugamesh 2014 tour “MONSTER”」を、国内とヨーロッパで開催。世界各地を激しく興奮させた充実のツアーを経て、最新ミニアルバム『gravitation』を完成させた。

 そんな最新作を引っ提げたツアー「girugamesh 2014-2015 tour “gravitation”」が、ついにスタート。彼らにとって久々となる今回のロングツアーは、47都道府県ツアーを敢行した「CRAZY TOUR」以来、約6年振りだ。尚、本ツアーは「MONSTER」ツアーと同様、ラウドシーンで活躍する猛者を迎え、3マン形式での行脚となる。開幕戦となる渋谷club asiaには、ALL OFFJAWEYEの2組が参戦。フロアに熱狂を巻き起こしていた。

 トップバッターはJAWEYE。「バカのひとつ覚えのように“踊れ!”と言っているバンドなんですけど、踊れっつーのは身体はもちろんそうだけど、心も躍らせて帰ろうよ。オドれる奴、手をあげろ!」と上田浩平(Vo&Gt)がアジテーション。マニピュレーターの高橋コースケが、ステージを縦横無尽に行き交いオーディエンスを煽り倒せば、上田も全身を激しく揺らしながらギターをかき鳴らし、ダンサブルで強烈なラウドサウンドを矢継ぎ早に繰り出していた。

 続いて登場したのはALL OFF。凶悪なブレイクダウンで混沌へ引きずり込み、更にオーディエンスとのコール&レスポンスで一体感を高めて行くなど、エモーショナルに駆け抜けて行く。また、激しく動き回りすぎたため、So-hey(Vo)のスボンが裂けるというアクシデントを素直に告白する場面も。「とにかくみんなと楽しいことを過ごすことを第一にやっている」という言葉の通り、ポジティヴィティが漲る抜群のライヴパフォーマンスでフロアを沸かせていた。

 尚、JAWEYEとALL OFFは、ここから始まるツアーの別公演にも参加することが決定している。3組がお互いを激しく刺激し合い、切磋琢磨していってくれることだろう。

 そして、いよいよギルガメッシュがステージに登場。SE「MONSTER」に乗って姿を現した4人から、気合いがひしひしと伝わってくる。そして、最新アイテムのタイトル曲である「gravitation」からスタートさせると、いきなりフロアにサークルが出現。間髪入れずに畳み掛けられる凶暴なサウンドに、オーディエンス達はカオティックに暴れ狂っていた。そんなフロアへ向けて、最新アイテム「gravitation」の楽曲はもちろん、過去曲も多数ドロップ。超攻撃モードな楽曲を乱れ撃ちしていたのだが、凶暴なだけでなく、フロアから圧巻の大合唱を巻き起こすキャッチーさをたたえながら、ギルガメッシュの最新モードをオーディエンスの脳裏に、全身に刻み付けて行く。


「俺達人間は、新しい何かを始めようとしたとき、デカい夢を掴もうとしたとき、何か大きな犠牲を払うものだと思ってます。だけど、その犠牲に怯えないで、踏み出す一歩、突き進む勇気を持つこと。それが何かを変える力に繋がるんだと思ってます。だからみんなも、何かを掴みたい、何かを変えたいと思ったら、この想いを胸に、俺達と一緒に思いっきり突き進んで行こうぜ!」(左迅・Vo.)


 彼らが『gravitation』のリリースを発表した際に公開したアーティスト写真、そしてタイトル曲のミュージックビデオには、黒いパーカーを着た4人の姿が写っていた。旧知のファンなら周知の事実だと思うが、これは前述の「CRAZY TOUR」、アルバムで言うところの『MUSIC』をリリースしたタイミングで着用していたものだ。彼らの代表曲である「evolution」などが収録されたこの作品は、彼らがそれまで掲げていたヘヴィロックに、扇動的なエレクトロサウンドを導入した意欲作。今でこそラウド×エレクトロの方程式は当たり前のものとなっているが、当時彼らが打ち出したこのサウンドは先鋭的で、バンドの今に繋がる扉を開いた記念碑的作品だったとも言えるだろう。


 そして『gravitation』では、ブルータルさを更に磨きあげた、ギルガメッシュ史上最強の超重量級サウンドを提示。それは、10周年という節目に提示されたバンドのマイルストーンであり、自己の更新を目指す宣言であり、ここから再び新たな地平を目指して突き進む決意である。ヴィジュアル系でも、ラウド系でもない。己の表現欲求に忠実に、ありとあらゆるものを飲み込み、ぶち壊し、創り上げて行くという並々ならぬ信念が綴られたリリックを咆哮する左迅。そして彼は、新たな未来を創り上げようとしている自分達の存在を知らしめるように、何度も拳を高く、力強く掲げていた。




「細かいことは気にせずに、自分達のやりたいように、自分達が信じてるものを最後まで突き通して、頭カラっぽにしてバカになって騒いでいこうぜ、いいか!?」(左迅)

 熱狂のツアー初日を終えたギルガメッシュは、既に発表されている前半戦に引き続き、来年1月からスタートするツアー後半戦のスケジュールを、この日発表した。現在、彼らのモバイルファンクラブ「GMFC」会員限定で、チケット先行受付が行なわれているが、争奪戦必至確実のため、是非ともこのタイミングで入手していただきたい。そして、長きに渡るツアーを締め括るのは、2015年3月14日(土)新木場STUDIO COASTにて開催される「girugamesh 2014-2015 tour “gravitation” FINAL ONEMAN」。まだ見ぬ未来を創り上げるため、ギルガメッシュはその歩みを進め続ける。


文:山口哲生 写真:西槇太一


ギルガメッシュOfficial Website 
「gravitation」MV 
「gravitation」全曲ダイジェスト 

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