マーティ・フリードマン★鋼鉄推薦盤
SUPER☆GiRLSが示す〝フェイク〟の
面白さ

 以前紹介したTokyo Cheer(2) Party『いいじゃん!』と同じく、こちらの曲もいわゆる「音頭モノ」。

 この曲は一部のアイドルファンの間では「やっちまった……」という目で見られているそうだけど、ボクみたいなガイジンからすると非常に耳に残るんだよね。Tokyo Cheer(2) Party『いいじゃん!』もしかり、ハロープロジェクトの10人祭『ダンシング!夏祭り』もしかり。聴いた瞬間に「これはまったく別の国の音楽だ! 面白い!」と唸ってしまう。

 つまり、手っ取り早く海外の人に注目されるには、こういうトラディショナルな日本のメロディを使うのが一番なのかもしれない。

 ちなみにこの曲、日本人の知人に聞かせたら「この音頭はフェイクだ、ニセモノだ」っていうんだよ(笑)。確かに演歌歌手や民謡歌手が歌ってる音頭とはちょっと違うよね。サウンドが伝統的な日本の楽器で作られているわけじゃない。シンセサイザーの打ち込みを使っている。彼女たちの歌い方もアイドルのそれになっている。民謡や演歌のシンガーの歌い方はもっとコブシ、ビブラートが効いてるからね。

 そしてサビは完全なJ-POPになっている。しかもこの部分のアレンジは超ハイテンションなラテン・ミュージック風。確かにこれは伝統的な音頭じゃない。

 でも、前回触れたとおり、こういうちょっとニセモノっぽいフェイク感があったほうが、ポップス的にはいい味が出るじゃん。その部分に注目すると、この曲の新たな魅力が見えてくるんじゃないかな?



(構成・文/尾谷幸憲)
Marty Friedman
マーティ・フリードマン
ギタリスト、プロデューサー。全米で1000万枚以上のCDを売ったヘヴィメタルバンド「メガデス」に在籍。2004年から日本の音楽シーンでも活躍。ももいろクローバーZ『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』への全面参加。ニューアルバム『インフェルノ』(ユニバーサル)が発売中。月刊エンタメにて誌面版「マーティ・フリードマンのヘドバン★鋼鉄推薦盤[メタルレコメンド]を連載中!
◆INFERNO JAPAN LIVE 2014
9月24(水)、25日(木)原宿アストロホールにて
19:00開演
(問)東京音協:03-5774-3030
【公式HP】

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