メインアニメーター・井上英紀、今西
亨に聞く、原画で芝居をつくる楽しさ
【「ルプなな」リレーインタビュー第
9回】

 シリーズ形式でお届けしている、テレビアニメ「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する」のリレーインタビュー。第9回は作品のポイントとなる芝居やアクションを担当したメインアニメーターの井上英紀さん、今西亨さんに話を聞いた。(取材・構成:揚田カツオ)
絵コンテになかった「低く飛ぶツバメ」
――おふたりはこれまでのお仕事でもご一緒されることが多かった印象があるのですが、お互いのデザインについては、どのような印象をもっていますか。
井上:今西くんは、なんでもさらっと描いてしまう、苦労しないタイプのアニメーターなのかなと思っていました(笑)。サテライトにいたときはそういう印象があって。ただ、そのあとスタジオKAIに来てから絵に色気が出るようになってきた気がするんです。今回の「ルプなな」でいうと、最初にループしたリーシェが広間でハッと気づくカット。こういう絵を描くようになったんだと。これはそれまでの今西くんにはなかった気がしましたね。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会――今西さんから見て、井上さんはいかがですか。
今西:井上さんの絵はすごく井上さんを感じるんです。精密さだったり、きれいにまとまっていたり……僕には無理だなと思います。とくにあのシャープなラインには憧れを感じます。
――今西さんは最近とくにキャラクターデザイナーとしての参加が多かった印象なのですが、今回はアニメーターとしての参加が中心でしたね。
今西:もともとアニメーターですし、原画をやるのも好きだったので。今回は動きをつくることができてすごく楽しかったですね。作監・総作監はほかのアニメーターの修正が主な作業になるので、窮屈になりがちなんですよ。今回はそれがなくて自由にやれました(笑)
――井上さんも、キャラクターデザインや総作画監督のお仕事も多いなか、「ルプなな」ではアニメーターでの参加が中心だったわけですが、より自由に感じますか。
井上:自分でつくる感じがあるんですよ。シーンとしてまとめて担当カットをもらえれば、そこは自分がいったん演出もやることになりますから。演技をつくるからセリフの間(ま)も自分でとれますし、結構裁量があるんです。たとえば……2話でリーシェが歩いてきて鳥が飛んでくるところなんかは、そもそもコンテにない演技なんですよ。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会――あ、そうなんですね。井上さんが足されているのですか。
井上:ええ。そもそも絵コンテでは、その前のカットで、鳥が屋根より高く飛んでいたんです。ここは本来、そのあとに出会うディアナたちに言う「鳥も低く飛んでいます」のセリフを補強するためのカットであるべきですよね。コンテのままだとそれが伝わらないので、低く飛ばして。で、そのあとさらにリーシェの横を通るようにしたんですね。ダメなら演出さんや監督が外すだろうと思っていたので、鳥の演技を足したんです。もらった資料がツバメのような鳥だったので、そうであるなら、本当は足首ぐらいの低さを飛ぶはずなんですよね。低くやるならディアナ達に気づくカットで、すっと飛ばした方が絵的にはいいはずなのですが、でも(自分の原画)担当から外れているので、担当カットでなんとかしてみるかと思って。
――演出的にふみこんで、コンテとは違う内容の芝居をいれることもあるんですね。
井上:ええ。1話でも、コンテでは剣に落ちる血の量はそれほどなかったのですが、それに対して死にそうな量にしておこうと(笑)。そんなふうに「(視聴者が)見てわかる情報にしないと」と思ってやっていましたね。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会このスカートはクリノリンかパニエか
――「ルプなな」なりのお芝居のルールはあったのでしょうか。
井上:監督のイメージとしては、少しおさえめの芝居なんだろうなとは思っていました。原画も担当した2話アバンだと、リーシェはアルノルトから逃げたいだろうから、力強くそえられた手を引き抜くイメージで、後ろに(リーシェを)引かせる演技をいれていたら「オーバーアクションだ」という話になったんです。そこで、わりとすっと抜けるようになって。このときはまだキャラクターもつかみきれていなかったので、「これぐらいの演技でどうだろう」と提示してみたんですよね。1話で原画を担当したリーシェがアルノルトにぶつかるカットでも、それに近いことがあって……。反動で「おっとっと」とふらつくのかと思ったら、すっとした動きなるように修正が入っていましたね。よろっとはしてるんだけれど、腕を振りまわさないぐらいに調整されていました。
――リーシェの鼻がちょっとつぶれているカットですよね。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会井上:ここは真面目にやろうとすると、髪の毛が反動で前にきて顔が全部隠れてしまうんです。つぶれる鼻は見えるようにしないといけないから、そこは意識しました。
――なるほど。「ルプなな」ならではの難しさ、みたいなものはありましたか。
井上:衣装まわりは少し悩みましたね。1話でヒールを脱ぐカットとベランダから飛び降りようとする直前で、スカートの内側が少し見えるのですが、クリノリン(※スカートをふくらませるための骨組み)かパニエ(※スカートを膨らませるための布で、ここでは骨組みに布をつけたものもふくむ)か今西くんと話をしたことがあって(笑)
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会今西:けっこう悩みましたね。
――設定では分からない状態だったんですね。
井上:ええ。本当はその下にペチコートも履いていると思うのですが。でも「ルプなな」の時代背景を16世紀前後だと仮定すると、クリノリンは鯨のヒゲを使ったような骨組だけのものだったので。それに少しフリルや布を巻いたパニエでもいいのかどうか。そこは時代によってだんだん交差してすみわけが分からないので、どちらでもいいのかなと(笑)
今西:骨組みのラインを描いているカットもありましたよね。
井上:ヒールを脱いだ瞬間と、飛び降りる瞬間は骨組みありにしています。フリルつきの骨組だから、あれはパニエのあつかいになるんでしょうね。
今西:ただ、布の色と同色になので、視聴者には分からないかなと。僕が作監をやった過去生でタリーと出会うところで座るカットがあるので、ここのことを考えると、スカートの形は骨組なしのほうがいいんじゃないかとも思えて、井上さんに相談したんですよね。でも、骨組があっても座れそうだったので、最終的にありにしたんです。
井上:ちなみに、12話のドレスはもっとスラッとしているんですよ。
今西:そうですね。1話と12話では全く形が違うと思います。
――12話は骨が入っていないイメージなんですね。
井上:それと、もうひとつ気にしていたのはコルセットが入っているかどうかでした。入ると胸は寄せてあげてになるので、ちょっと上にラインが入ったりする形になるのですが、リーシェにはそれがないので、コルセットはしてない解釈です。自分は19世紀フランスを舞台にした「(異国迷路の)クロワーゼ」をやったとき、そのあたりに注意して描いていた経験もあるのでわりと気になっていたんです。
――ドレスでいうと、1話でもちあげながら歩くカットがありましたね。かなり所作に気をつかって描いているように思えたのですが。
井上:広間から抜け出してアルノルトにぶつかるまでですよね。ここは全部修正をいれています。スカートをもつところも大事なのですが、歩くさいにちょっと体が揺れる、というより回転があるはずなんですよ。肩の入り方はちゃんと右足、左足(が動くところとの連動)がないといけないのですが、自分の手元にきた上がりを見たら、3枚のローリング(※作画ではなく、撮影の工程で動かすことで歩きなどを表現する方法)分の絵しかないんですよね。
――ひとつのポーズで上下動を繰り返す想定だったんですね。
井上:ええ。そうやってただ撮影で回すだけですとリアリティがない気がしたので、重心分の絵をいれて、それにローリングを足すかたちに修正しました。ここはシート(※タイムシートのこと。芝居やセリフのタイミング、撮影処理などの指示書)から直させてもらっています。
――あそこは作画で芝居をつけているわけですね。そのうえでさらに撮影でカメラを上下させていると。
井上:最近は、ガタつき(※この場合は不正確な中割による作画のブレ)を減らすためにローリングを使うようになってきているんですね、こういうところは、本当は動画でやるべきだと思います。
――「ルプなな」ならではでいうと、4話でリーシェが皇太子妃らしいお辞儀をするカットがあって、ここは井上さんが原画を担当されていますよね。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会井上:ああ。カーテシーな動きですね。あれはサーバーにビデオがあって、それを参考にして描いていたのですが、ちゃんと足を後ろで組まないといけないらしいんですよ。それもあって、お辞儀をするのではなく、どっちかというと姿勢を下げるぐらいの方が正しいみたいなんです。今回は頭を下げてしまっていたのですが……。参考ビデオでは下げていたんですよね。
――では、パターンとしてはどちらもあるのだろうと。
井上:どれが正解かはそもそも知らなくて、誰にもつっこまれてないからカーテシー警察の目はごまかせたのかなと(笑)
――ここははじめてしっかりとテオドールが出てくるシーンでもありますね。
井上:冒頭からいきなり裏表のあるキャラの登場の仕方をするので、そのあたりの差の出し方が大事だと思っていました。裏表はあのシーンだけでもかなりありましたからね。「はじめまして」から入って、リーシェを誘いこんで、企みをふくんだ表情まで……。それくらい表情があると逆に描きやすいんですよね。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会声優の演技で作画も変わる
――監督から、芝居についての具体的な指示はあったのですか。
今西:とくにアルノルトについて、監督から毎回「コンテに合わせて」という指定がありましたね(笑)。合わせる修正をしていることがすごく多かったです。女性向けを今までそれほどやってこなかったので、そこが難しかったんですよね。アルノルトを女性から見ていい感じに描けたかどうかは、なんともいえないところです。
井上:まあでも、自分もあるところまではキャラクターがよく分からなかったんですよ。最初にインしたのは2話で、そのあと4話、あと今西くんは入らなかったけど、自分は5話をやって、そこからやっと1話だったんです。だから1話に入るまでに、演出さんとの話し合いで、キャラクターについて、とにかく情報を引きだそうと作打ちでねばってみたりもして。「声優は誰で、どういう演技をする人なんですか」と……。
――キャストの演技がアニメーションの芝居にも影響するんですか。
井上:どんな声のトーンでやるかで、口の開き方が変わるんです。「こういう演技をする人なんだ」とわかっていれば、それに合わせることができるので。そのあとだんだんアフレコでの演技が入ったビデオがサーバーにあがるようになって、それを聞きながら作画をしていました。
今西:ただ、アルノルトに関してはそもそもミステリアスなキャラクターで、表情の幅が狭いんですよね。それが難しいと思える理由でもあって。
――たしかにそうですね。今西さんは4話で暗い自室に帰ってきたリーシェと、それを待っていたアルノルトの一連をやっていますが、ここも表情感が難しかったのでは。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会今西:そうなんです。ここは動きとしてはシンプルにしつつ、表情をどれぐらいだすかがポイントになっていて。ちょっと怒っていたり、不満げだったり、けど無表情ではあって。難しいなと思ってやっていた気がします。内心はただ嫉妬している感じかもしれませんが、そのだし方が難しいんですよ。
――足を組む仕草があったと思うのですが、あそこはいかがでしたか。
今西:あそこはオーバーにしても仕方ないと思っていたので、過不足なくやったと思います。
――おふたりは12話で総作監をやられていますが、最終話までいっても、やはりアルノルトの表情は難しかったですか。
今西:そうなんですよね……。長いことアニメをやっていましたが、キャラデザもふくめて、8割がた女性ばかり描いていたもので(笑)。男性向けの男キャラは描けると思うのですが、女性向けはまた違うので、12話もうまく描けたのかな……とは思います。
――12話だと少しほほえんだりもするので、能面じゃない一面も出ますよね。
今西:そうですね。そういう意味で言うと、僕のやったシーンは笑顔や驚きアルノルトだったんですよ。ううん、難しかったですね。ほんとに難しいですね。
――よっぽど難しかったんですね(笑)
今西:ただずっと男キャラを描きたかったので、そこは本当にやりがいがありました。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会――12話について、他のキャラにかんしては、ここまでくると表情感も分かってきていましたか。
井上:そうではあったのですが、自分の担当分はキャラが多かったので……。
――そういえば、5話から一気に12話ですから、急にキャラが増えてる状態なわけですね。
井上:ローヴァインなんかは初めて描きました(笑)。あと自分の担当分ですと、花火を見る人たちのモブなんかもいたので……。
今西:僕としては、ここではじめましてだったキャラクターもけっこう描きやすかったです。ミシェルもどちらかというと無表情よりではあるのですが、笑顔で表情を隠すタイプなので、アルノルトよりはやりやすかったんです。
楽しい作業だった髪の“なびき”
――おふたりが手がけたなかで、とくに楽しく作画されたシーンはどこになりますか。
井上:自分はどちらかというと、アクションより所作や機微に気を遣っている演技に興味があるんです。だから本当は12話もBパートのほうが得意分野なのですが……。
今西:(笑)
――ああ。Bパートは今西さんでしたからね。
井上:そういう意味でいうと、5話のマニキュアを塗るあたりは面白くやりましたね。自分も今西くんも基本的にはスタジオKAI担当の回に参加していたのですが、5話はHORNETS回でありつつ、たまたま空いていたので「やってくれ」と言われたんです。サーバーに「マニキュアの塗り方」というビデオがあって、これを参考にして。最初に爪先にちょっと塗ったあとに、その盛った先からずっと伸ばしていくみたいな塗り方をしているんですよね。ここはレイアウトで奥にあった花束をびっちり描きこんだのですが、背景描きでは違う花になっていて。「変わっちゃったんだ」みたいなこともありました(笑)
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会――エルゼの表情感はいかがでしたか。
井上:最初に表情のない子だと言われていたので、「本当に(表情を)つけないでいいのかな」と思いつつ、探り探りやっていました。泣くところの涙のため方は、一瞬ハイライトを走らせて少し足したりもしています。あと、描いて面白かったのは、1話の皇太子がリーシェの家の前に来てからの芝居ですかね。
――ああ、ディートリヒですか。
井上:あのあたりの40カットぐらいはレイアウトから直して、芝居も足しているんですよ。
――この作品では珍しくオーバーリアクションな人ですよね。
井上:芝居がやりやすいというか、面白いキャラではあって。ここの芝居はキャストの声も聞きながら描いていました。
――今西さんが楽しく作画されたシーンはありましたか。
今西:2話ラストのバルコニーの一連は、原画から自分がやったのですが、髪のなびきを描けて楽しかったですね。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会――なびきですか。どういうところに楽しさがあるのでしょうか。
今西:なかなか成功しないのがなびきなんです。成功したらラッキーぐらいの感じで(笑)。
アタリのいれ方も難しくて。風の方向がわかれば成功かなと思うのですが、ただユラユラしているだけになることも多いので。パズルを描いているみたいなんですよ。4枚ぐらいでなびいたとして、「次の絵はこっちに、こうしてこうして」と。その流れが決まったときは気持ちがいいんです。このシーンについて、風の方向が100パーセントうまくいったかどうかはちょっと自信がないですが(笑)。でも楽しかったですね。
――井上さんもなびきはやられているのですか。
井上:やったのは12話でリーシェが「花火を殿下に見ていただきたかった」と言うところと、その次のアルノルトのカットですね。少し毛の量を増やしてみたんです。ほつれ毛を足してタイミングをずらして、いっしょくたななびきにはしてないつもりなんです。ただ、今思うと、もう少し軽い髪は横に流すべきだったなと。このあたりはトライアンドエラーだから仕方ないのですが……。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会――そのほつれ毛だけ、少し動かし方を変えているのですか。
井上:早くしてるんです。まとまっている分より、細かい毛のほうが早く動くんですよ。重い毛と細い毛の方向性の違いもだしたつもりなのですが、「もうちょっとなのに!」と思っている毛が2、3本あるんですよね(笑)
「ルプなな」を経て感じた原画の楽しさ
今西:あとは……やっぱり1話は思いいれがありますね。冒頭のアルノルトがゆっくり歩いてくるところも自分が原画を担当しているので。とくにAパート後半が好きですね。いろんなダイジェストでループ人生ごとの表情を出せたので。
――ああ。イラストカット的なところですよね。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会今西 そうですね。それと自分もディートリヒは面白かったです。ずっとバンクで同じこと言っていたので(笑)。それとアクションもそんなに頻繁にやるわけじゃないので、すごく楽しかったですね。
――今西さんはどのあたりまでやっているのですか。
今西:作監としては井上さんのところまでずっと自分で、原画としてはヨエルが「いくぞ!」と言うところからです。監督からも指示がありましたが、あまりオーバーなアクションの剣術にしないのが大事でした。特にアルノルトについては、なるべくシーンを通してさっと斬っていくほうがアルノルトっぽいのかなと思って……くるっと剣をまわすところが楽しかったです。
――あそこは気持ちがいいですよね。
今西 本当はもっと……ヌンチャクくらいまわしたかったけど……(笑)
――1話だと、井上さんもこの剣戟(けんげき)をやられていたと思うのですが。
(c)雨川透子・オーバーラップ/ループ 7 回目製作委員会井上:リーシェの走りこみから刺されるまでですね。4カットだけほかの方(酒井智史さん)の原画が入っているのですが、ここは全体の流れを通して、原画のカットの合わせを組み立てていました。ただ、この踏みこみは2秒6コマあったのですが、放映では1秒ないぐらいのカットになっているんですよね。もともとコンテにないところの動きまでつくったのですが、「入らないな」と思ってシートで切っていたら、いつの間にか全部入っていて(笑)。2コマで打っていた動きが1コマになっているんです。倍のスピード感になっていて驚きました。
――ご自身以外のアニメーションでハッとしたカットはありましたか。
井上:ダンスシーンはいつの間にかよくできていたという印象がありました。
今西:知らない間にすごいものができていましたね。
井上:あとこのタイトルは吉田(和香子)さんが光っていたというか、ノっていたんじゃないかなと……。作風があっていたのかもしれませんが……リビドーというか、“情”の部分で描いているような気がしましたね。
――吉田さんというと、2、4、9話で総作画監督とサブキャラクターデザインを担当されていますよね。思いいれがあるのではないかと。
井上:そうですね……まあ、勝手に自分がそう思っているだけなんですが(笑)
――最後になりますが、おふたりは「ルプなな」を経て、今後どのような作品を手がけていきたいと思われていますか。
井上:いろんなタイトルをやっていきたいなと。「ルプなな」を最初に読んだとき、「珍しいな」と思ったんですよ。よくある死に戻りなのかなと思っていたら、ゲームでいうとローグライクっぽいというか。セーブ地点から同じシナリオを繰り返すゲームとは違って、入るたびにダンジョンが変わって、常に自分の選択肢が変わる、みたいな感じなんですよね。自分のスキルは上がっているのですが、舞台が違う。それがわりと新鮮な感覚だったんです。そういった原作との出合いから触発されるものもふくめ、今後も自分の感覚を古くせずに作品をつくっていきたいです。そういう意味では、今回キャラクターデザインをやられた大貫(健一)さんなんか、すごいよなと。長年この業界で一線を張れるのは、そうやって感覚を研ぎ澄ましているからなんだろうなと思うので。
今西:今回「ルプなな」を通して、「やっぱり原画って楽しいよな」と再認識しました。ありがたいことに総作監やデザインの仕事もふっていただけるので、そこも期待にこたえつつ……。でもやっぱり、今後も合間に原画の仕事をいれたいなと思います。

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