L→R かめがいあやこ(Key&Vo)、かわむら(Dr)

L→R かめがいあやこ(Key&Vo)、かわむら(Dr)

【ポップしなないで インタビュー】
自分たちと音楽の関係性における
根源的なものを噓なく伝えられる一枚

「ポップコーン・メモリー」は
大事なものを嘘のない言葉で書いた

『DOKI』はおふたりが挙げてくださった2曲以外にも注目の曲がたくさんありまして、例えば「白昼きみとドロン」は王道的なダンス感とモダンなポップネスを融合させて独自の世界を構築していますね。

かわむら
「白昼きみとドロン」は『ニンジャラ』というTVアニメとのタイアップが前提になっている曲だったので、テーマや世界観は『ニンジャラ』ありきですが、『ニンジャラ』はポップでキャッチーで色彩豊かで、ちょっとアメリカンというテイストなんですね。忍者というモチーフと海外の色彩感がうまく融合されていて、それが自分たちとすごく親和性があると思って。なので、テーマは『ニンジャラ』を踏まえて考えましたが、あまり違和感なく自分たちの好きなものを作らせていただいた感じです。
かめがい
「白昼きみとドロン」は…すごく良く歌えました(笑)。
かわむら
100点満点?(笑)
かめがい
うん、お歌が100点満点です(笑)。遊び心も結構いっぱい入れられたし。もちろん『ニンジャラ』の世界観にも助けてもらいつつ、かわむらくんが言ってくれたとおり自分たちらしくできたし。『ニンジャラ』だけじゃなく、忍者みたいな世界観を自分の中で勝手に膨らませて、素早く走ったり、屋根から屋根に飛んでいるようなイメージで歌ったんです。そういうところで高揚感がずっとあるような歌になったと思いますし、ピアノのアレンジとかも気に入っています。ポップしなないでが好きな人には楽しんでもらえて、『ニンジャラ』が好きな人もきっと気に入ってくれるんじゃないかと思います。

同感です。歌詞も『ニンジャラ』に寄りすぎることなく、“通い合う心”がテーマになっていますね。

かわむら
自分はもともとアニメが好きな人間で、アニメの主題歌はアニメの世界を深く解釈して表現した曲よりも、アニメとは異なる視点で同じようなテーマを取り扱っているものがすごく好きだったりするんです。関係がないようなことを歌っていても、どこか共通点を見つけられるようなものに惹かれる。なので、『ニンジャラ』になさそうな自分たちの要素を持っていくということは意識的にしました。

いいかたちのコラボレートになりましたね。そして、シリアスなスローチューンの「ポップコーン・メモリー」もアルバムのいいアクセントになっています。

かわむら
さっきも少し話したように、自分たちは大事なものや伝えたいことを適当に伝えるというか、大事なものをすごく考えた結果、適当に伝えるのがすごく好きなんです。だけど、「ポップコーン・メモリー」は本当に大事なものを、なるべく言葉を飾らずというか、嘘のない言葉で書きました。ただ、それを訴えかけるのではなくて、どちらかと言うと素直な問いかけをしてみるような試みというか。感情の爆発に任せて人に伝えるというよりは、素直な言葉を一回自分に投げかけるような仕組みの曲だと自分たちの中では思っています。なので、結構素直な表現ではありますし、“うっ”となるような言葉遣いにはなっていますが、聴いてくれた人がその言葉をちゃんとお腹の中から噛み締められることを意識して作った曲です。

そうなりますと、歌の温度感や表情などもすごく大事になりますね。

かめがい
ポップしなないでには「白昼きみとドロン」みたいなタカタカタカ・コロコロコロしたような感じの曲が結構あって、私はそういうのは得意なほうなんですよね。でも、歌に対して技術的なことや考え方とかはありますが、やっぱり歌はハートだと思っているので、それなしにはどの曲も歌えないというか。“こういうふうに歌いたい”とか“ここはこういうふうに声を伸ばしたい”、“こういう声質で歌いたい”といったことがもちろんあった上で、それぞれの曲によって心の持ち方のバランスを変えていく。どれくらい感情のほうのパーセンテージを増やすのかとか、逆に抑えるのか。それこそ感情が100入る箱があったら、その蓋を何パーセントくらい開けるかということを自分の中で曲とかフレーズによって変えていて、「ポップコーン・メモリー」は他の曲よりも結構大きめに開けていますね。ただ、それだけの話なので、難しさは感じなかったです。

さすがです。あと、シリアスなナンバーに“ポップコーン・メモリー”というポップなタイトルをつける辺りは本当にセンスがいいなと。

かわむら
ありがとうございます。

この曲に限らず、ポップしなないではキャッチーでインパクトが強いという良いタイトルが多いですね。

かわむら
タイトルは本当にこう言ってはなんですが、最後の投げやりな部分ですよね。ただ、投げやりとはいえ考えてはいて、それが歌詞にフィットするものであれば一番いい。なので、タイトルを褒めてもらえると“伝わって良かったな”という気持ちになります。

一見歌詞と関係ないようで、実は象徴しているようなタイトルのつけ方というのはお洒落ですよね。そして、これもアルバム全編を通して言えることですが、かわむらさんのしなやかなドラミングも本当に魅力的です。

かわむら
自分のドラムのポリシー的な話になると、地球の重力に逆らわないというのがあって。ドラムで一番最初に教わることは叩く時に力を全く入れずに、重力でスティックを落とすことなんです。ドラムを続けていくうちに筋肉を使ってボンボンボンッ!と叩き始めるけど、自分がドラムで気持ち良いグルーブを作れる一番の要因になるのは脱力なんですよね。だから、力を抜いて、重力を活かして叩くことを意識していて。それに、自分はテクニックがないので、自分の武器だと思って作っているフレーズやグルーブを活かしているというのはありますね。

OKMusic編集部

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