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【shallm インタビュー】
アニソンがいかに深いかを、
身をもって体験できて良かった

2023年9月に配信リリースされたドラマ『女子高生、僧になる。』オープニング主題歌「センチメンタル☆ラッキーガール」でメジャーデビューした、ヴォーカリストであるliaのバンドプロジェクト・shallmがTVアニメ『姫様“拷問”の時間です』OPテーマを担当。ポップで明るくトリッキーなサウンド、中毒性の高いサビ、ハリのある爽快ヴォーカル…と、まさにアニメとshallmの魅力が詰まった「まっさかさマジック!」が完成した。初アニソンに挑戦した制作の裏側などを語ってもらった。

アニメの登場人物は
自分よりも濃い人生を生きている

アニソンやボカロが大好きで、学生時代にはバンドを組んでいたこともあったそうですが、大好きなアニソンアーティストの仲間入りをすることについて、どんなお気持ちですか?

小さい頃からアニメが大好きで、アニソンは例えば「メリッサ」を聴くと『鋼の錬金術師』のエドたちが戦っているシーンが頭に浮かんだり、聴くとその当時に観ていたアニメのことを思い出せるのが魅力だと感じています。そのため、友人にも“将来はアニソンを歌いたい”と話していました。今回の「まっさかさマジック!」の歌詞にも出てきますけど、それこそ“まっさかまさか”な出来事で(笑)、本当に嬉しい限りです。

今回のシングル「まっさかさマジック!」はアニメ『姫様“拷問”の時間です』のOPテーマなのですが、原作を読んだ感想はいかがでしたか?

『少年ジャンプ+』でいつも人気上位に入っているのは知っていました。今回タイアップのお話をいただいて初めて読んだのですが、“何だ!? この可愛い作品は!”と思いました。拷問って何をされるのかと思ったら、食べ物や遊びで釣るというので“これは新しい!”と。基本はギャグっぽくてクスクスと笑える感じなので、そこが面白いです。また、拷問でたこ焼きが出てきたり、食べ物の絵が本当に美味しそうで、夜中に観たら絶対にお腹が空くと思いました(笑)。でも、一番最後に心に残ったのは、登場人物同士の人間関係だったので、そこにスポットを当てて今回は曲を書きたいと思いました。

歌詞と曲、いつもどちらから作るのですか?

曲からです。ギターを弾きながら、まずサビから作ります。タイアップがない時などは厳密な期限が決まっていないことが多いのでのんびりやるのですが、今回は自分を追い込んで、締め切りギリギリまで焦りながら作っていました(笑)。すごく大変でしたけど、自分の曲がアニメで流れるなんて信じられない話だし、実際に流れるのをとても楽しみしていたので、制作期間中もずっと楽しかったです。

具体的にはどういうところが大変でした?

アニメの主題歌は尺が決まっているので、最初に89秒を作ってからフル尺を作っていったんですけど、そういう作り方は初めてですごく難しかったです。細かい秒数合わせはアレンジャーさんがうまく調整してくださったのですが、デモを作った時は“これで足りるのかな?”と不安で。89秒って短く感じるけど、作ると結構長いんですよ。アニソン作りの難しさを知りました。

「まっさかさマジック!」は明るくて軽快なポップサウンドで、今までのshallmさんの曲とはテイストが異なりますが、そこはアニメサイドからリクエストがあったのですか?

“明るく作ってください”という要望がありました。参考曲をいくつかお送りいただいて、その雰囲気をイメージして作りました。今までも大好きな曲を参考にして作ったり、好きなアニメの曲を勝手にイメージして作ったりすることをやっていたので、そういう作り方はさほど大変ではなかったです。

今まではどういう曲や作品を参考に作っていたんですか?

曲は…好きな曲が多すぎて(笑)。“この曲が自分の曲だったらいいのに”と考えることもあって、“じゃあ、この曲を越える曲を作ろう!”と思って作ったり。アニメだと『呪術廻戦』や『東京喰種トーキョーグール』とかですね。映画は感動モノの作品を観て曲を作ったりしていました。

アニメはダークファンタジー系がお好きなんですか?

そうなんです。作品の登場人物をもとに歌詞を書くのですが、そういう作品の登場人物は、自分なんかよりも濃い人生を生きていると思っているんです。その気持ちになりきって歌詞を書いたら面白いものが書けるんじゃないかと。

今回の「まっさかさマジック!」では誰かイメージした登場人物はいます?

アニメ側からは主人公の姫視点でなくてもいいと言っていただいたのですが、やはり自分が歌詞を書く上では視点は必要だと思っていて…“じゃあ、誰視点で書けばいいんだろう?”と考えて、姫とトーチャー・トルチュールのふたりを合わせた新しい視点で書きました。どちらの気持ちも入っているのですが、“きっとふたりとも同じことを思っているはずだ!”と勝手に想像して、そんなイメージで書いてみました。

歌詞の言葉が面白いですよね。それこそ“まっさかまさか”とか。

このアニメはびっくりすることが多いから、“まさか”をもとにキャッチーで覚えやすいものがいいと考えて。

でも、駄洒落ですよね。

駄洒落が好きなんです(笑)。あと、サビの頭の《ねえねえねえ!》と呼びかけで始まるところは、つい“ん? 何?”って聞き耳を立ててしまう感じにしたくて。そういうのが面白いかなと思って考えました。

《楽しさは二倍になるマジック》というところは、出会いそのものがマジックだと?

はい。姫とトーチャーとか、どんどん仲間が増えていくのですが、姫はこれまでずっとひとりだったので、その中で友情を知るところがいいなと感じて。初めて友人と遊びに行くシーンとか“うわ〜、良かったね!”と思ったり(笑)。自分のことを振り返ってみても、実際に新しく友人ができるたびに楽しさが倍になった記憶があったので。バンドをやっていた時は、メンバーが複数いたから楽しさが何倍にもなりましたし(笑)。

トリッキーなギターだったりアレンジも楽しいですが、こういうのはアレンジャーさん?

私のデモはメロディーや歌、歌詞とコードという感じで、細かい編曲はアレンジャーさんにお願いしました。キラキラした感じが欲しいと思ったので、“ウィンドチャイムを使うなどして、キラキラ要素を足してください”と伝えて。あと、楽しくてポップな感じが良くて、ヒャダインさんの「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」のように、ゲーム音楽っぽい要素のある楽しいサウンドにしてほしいともお願いしました。

なるほど。確かに「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」は明るくてポップな楽曲ですね。

私はあの曲を聴くと、どんな時でも元気な気持ちになるんです。だから、私の曲を聴いてくれるみなさんにもそんな気持ちになってほしいと思って。ギターはYusuke Koshiroさんに弾いていただきました。なので、編曲のNaoki ItaiさんとYusuke Koshiroさんには、私の拙いデモをここまで広げてくださって感謝しています。

アレンジされたものを聴いた時、どんな印象でした?

“うわ〜、アニソンになっている! 楽しいし、素敵だ〜!”と思いました。
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配信シングル「まっさかさマジック!」
配信シングル「白魔」
配信シングル「境界戦」
配信シングル「センチメンタル☆ラッキーガール」

OKMusic編集部

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