RAISE A SUILENが新たな魅力を見せつ
け、会場は強いエモーションで包まれ
た『BanG Dream! 12th☆LIVE』DAY3:
『REVEAL』レポート

2023年11月5日(日)、RAISE A SUILENによる単独ライブ『REVEAL』が東京ガーデンシアターにて開催された。

『BanG Dream! 12th☆LIVE』の一環として開催された本ライブ、DAY1ではPoppin'Party、DAY2ではMyGO!!!!!がライブを披露し、本ライブはそのDAY3にあたる。異なる個性を持つ3バンドが織りなす3日間、その最終日にいかなるパフォーマンスを見せるかに注目が集まる。その様子をレポートするので最後まで堪能してほしい。
(c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved.

開演時間である18時を迎え、会場に力強い低音が響き出す。スクリーンにはRAISE A SUILENとの文字が写し出され、ここにメンバー紹介VTRが続くと、雷鳴の中にライブタイトル『REVEAL』が浮かび上がる。観客から大歓声が上がるとそれに応えるようにチュチュ役・紡木吏佐(DJ)のラップが届けられた。
「“Break it down”」
この一言を合図にレイヤ役・Raychell(Ba.&Vo.)、ロック役・小原莉子(Gt.)、マスキング役・夏芽(Dr.)、パレオ役・倉知玲鳳(Key.)が、その手に携えた楽器を爪弾かせる。力強いサウンドで走り出した一曲目は、ライブ初披露となる「Apocalypse」。音楽が持つ力が聴く者の気持ちを高揚させる。観客はライブ開始早々から頭を激しく振った。
ここにアップテンポな楽曲が続き、クラップが鳴り響く。チュチュが華麗な手捌きでスクラッチを披露すると、Raychellの「東京上がっていけるか!」とのシャウトが続き、観客からの歓声が巻き起こった。続けて披露したのは「EXPOSE ‘Burn out!!!’ 」。間奏では小原莉子、倉知玲鳳がヘッドバンキングしながら演奏する姿も見られ、そのパフォーマンスに牽引されるように会場のテンションは上がっていった。
「こんばんは、RAISE A SUILENです。」
ここで改めてRaychellからの挨拶。さらに紡木吏佐によるバンドメンバー紹介が続くと、各々がソロパフォーマンスを披露。短時間のパフォーマンスでスキルの高さと各自が持つキャラクター性を見事に表現してみせた。
「JUST THE WAY I AM」が続き、会場のテンションはさらなる高みへと上がっていく。DJブースを飛び出したチュチュが、その独特な声色で観客を煽り立てると、会場は激しい熱気に包まれた。
(c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved. Photo ハタサトシ、池上夢貢(GEKKO)
3曲を終えると一時の静寂が訪れる。打ち込みのドラムサウンドが響き出すと、そこに倉知玲鳳がキーボードを奏で、チュチュがスクラッチを乗せる。ここから走り出したのは、こちらもライブ初披露となる「TWIN TALE」。転換激しい本楽曲に対し、確実に演奏を乗せるRAISE A SUILENの面々、そのスキルの高さに息を飲まずにはいられなかった。
「Wakeup call! 挑戦状叩きつけ奪い返すまでさ」
Raychellが腹の底から本フレーズを捻り出す。続いたのはもちろん「Invincible Fighter」。その歌声は会場に躍動感を生み出し、観客の拳を天へと突き動かす。サビではタオルを回す人々の姿も見られ、その高揚感は視覚からもはっきりと捉えることができた。
「HELL! or HELL?」
その問いかけに対して客席は歓声でアンサーする。鳴り響く手拍子の中、Raychellがこう叫んだ。
「会場の全員で地獄に行こうか!?」
地獄の業火を思わせるほどの熱が会場に巻き起こる。空気を振動させる力強いサウンドにあわせ、来場者は全力で身体を揺らした。東京ガーデンシアターの空気が完全にRAISE A SUILENの色に染まっているのを感じることができた。
(c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved. Photo ハタサトシ、池上夢貢(GEKKO)
エレクトロニカルなビートが響きわたると、そこに近未来的な光と映像演出が加わる。サンプリングされたRaychellの歌声が、サウンドにダンサブルな空気が添加する。客席はダンスホールへと姿を変え、その場にいる人々は力一杯身体を揺らし続けた。
音が止み、黄色い光がステージに落ちる。照らし出されたのは夏芽だ。彼女が噛み締めるようにひとつ、またひとつとドラムを響かすと、その音にはリバーブがかかり、会場はたっぷりとした余韻に包まれる。
(c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved. Photo ハタサトシ、池上夢貢(GEKKO)
彼女の奏でるドラムの音はそのまま次なる曲へとつながっていく。「STRAY CERBERUS」、夏芽が響かすビートに、Raychellが憂いのある歌声を乗せる。会場のサイリウムは黄色く染まり、観客はそこに流れる音のひとつひとつを心ゆくまで堪能した。
倉知玲鳳が優雅なキーボードサウンドを奏で出す。続いてのナンバーは「Takin’ my Heart」。言葉のひとつひとつを丁寧に、力強く発していくRaychell。その歌後には聴く者の感情を大きく揺さぶる力があった。会場はエモーショナルな空気に包まれる。
「RAISE YOUR HANDS, NOW!」
ダンサブルなビートに乗せ、本フレーズが繰り返し来場者の耳へと届けられる。続いたのはもちろん「A DECLARATION OF ✕✕✕」だ。会場は再びアッパーな空気へとスイッチ。歌詞の通り、頭上に手を掲げる人々。その姿からは音楽を全身で味わい尽くしていることをはっきりと感じられる。会場には高い一体感に包まれていた。
ここにエレクトリカルなサウンドが響く。これに合わせて小原莉子が繊細にギターを爪弾かせていく。次々に新たなサウンドが合流し、それはひとつの音楽になる。披露したのは「BERSER-KEY」。会場を包むサイリウムの光は緑に染まり、ここに響く音を熱烈に歓迎する。
ここに疾走感あふれるナンバー「-N-E-M-E-S-I-S-」が続き、会場を高いテンションで包み込む。小原莉子が、今度は力強くギターをかき鳴らすと、「SOUL SOLDIER」がスタート。会場の熱気はさらなる加速を見せ、色とりどりに輝くサイリウムは大きく揺れたのだった。
(c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved. Photo ハタサトシ、池上夢貢(GEKKO)
紡木吏佐がスクラッチを見せると、夏芽がドラムを響かせる。続いてのナンバー「DRIVE US CRAZY」が走り出すと、小原莉子がギターを、倉知玲鳳がキーボードを、各々全身で演奏して“魅せる”。そして、4人の中央に立つRaychellが歌い出した。
「Wow!Wow!Wow!」
その歌声に応えるように会場中からは歓声が巻き起こり、観客の拳は天高く掲げられた。その瞬間、彼女の放つカリスマ性には引き付けられずにはいられなかった。
「ラストスパートだ! お前ら上がる準備はいいか!?」
その一言に喝采が巻き起こる。ここに次なるナンバー「DRIVE US CRAZY」が披露されると、会場の空気は際限なく上がっていく。Raychellを挟んで両サイドに立つ小原莉子と倉知玲鳳がアイコンタクトを取りながら息のあった演奏を披露。夏芽の安定したビートに紡木吏佐がスピーディに言葉をはめ、聴くものを魅了していく。RAISE A SUILEN一丸となり、観客に対して全霊のパフォーマンスを見せつける。その熱量には圧倒されずにはいられなかった。
(c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved. Photo ハタサトシ、池上夢貢(GEKKO)
ここでRAISE A SUILEN楽曲をショートミックスした音源が会場に響き出す。スクリーンには歌詞のワンフレーズが次々に浮かび上がり、ラストスパートに向けて熱気をあげていく。ステージに衣装チェンジしたRAISE A SUILENの面々が再び姿を現すと、「R・I・O・T」を披露。そして、Raychellが叫んだ。
「全力でかかってこい!」
大喝采が巻き起こる。客席から発された熱気に応えるように、続いてのナンバーがスタートする。「UNSTOPPABLE」、力強いサウンドが会場に叩きつけられ、観客の心と身体を激しく揺さぶる。観客はひたすらにサイリウムをふり、持てる限りの力を振り絞って音楽を楽しみに尽くした。
ステージからの音が止むと、客席からは次々に喝采の声が上がる。これにRaychellからの感謝の言葉が送られる。
「みんな来てくれて、今日は本当にありがとうございました。」
そして、彼女はアカペラでこう歌い出す。
「Break it down! Break it down! Break it down now! Everything! Raise a Riot!!」
その力強い言葉の数々をひとつ残らず受け取ろうと、観客は耳をすます。そして、彼女が歌い、拳を天に掲げる。会場にいる全ての人が、共に歌声を発し、共に拳を天に掲げる。その手に持つサイリウムは紅の光を放ち、客席に真っ紅な光の海を作り出した。
「ありがとう、これからもついてきて。ラスト、POLARIS。」
本公演を締め括ったのは「POLARIS」。ステージに立つひとりひとりが、噛み締めるように楽器から音を発していく。Raychellが、ステージを力強く踏み締め喉を震わせる。観客は、そこに溢れるすべての音を全身で味わいながら、曲に声をあわせる。そこにいる全ての人々がひとつの音楽を作り出し、会場は強いエモーションで包まれた。本楽曲を終え、彼女たちは真っ紅に光る会場を去っていった。最高にクールかつエモーショナルな形で『REVEAL』は締め括られたのだった。
(c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved. Photo ハタサトシ、池上夢貢(GEKKO)
2018年のデビューから早5年、ここに来てさらなる進化を遂げ続けるRAISE A SUILEN。その新たな一面を今回のライブで大いに確認することができた。今後も彼女たちの活躍から目を離すことができない。
取材・文:一野大悟

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