【みゆはん インタビュー】
いろんな悩みを抱えている
主人公たちの
テーマソングを詰め込んだ
歌詞でも執着することなく、
“どうでもいい”と言えるようになった
そういったコミカルな曲がありながら、1曲目となる「屍」はタイトルからして大きなインパクトがあります。
この曲はNetflixで配信されているアニメのキャラクターの声優をさせていただいた時に、ものすごく考えることがたくさんあったんです。それを受けて曲を制作しました。
大きな刺激をもらったんですね。
はい。今までやってきた役柄とはまた違いましたし、より個性的なキャラクターだったので、声の入れ方、演技の仕方もすごく勉強になりました。また機会があればやらせていただきたいですね。
先ほど話していたように、いろんな人の体験談や声優での体験など外的要因がいろんなオリジナル曲の生まれるきっかけになっていったんですね。
はい。ただ、ドラマ『バツイチがモテるなんて聞いてません』のOP曲となった「未来永劫期待ゼロ」という楽曲は、以前観ていた海外ドラマからインスピレーションを受けて制作した曲です。余命宣告をされた人がどう生きるかというような内容の物語を観た時に刺激を受けて作った曲だったんですが、この『バツモテ』での崖っぷちに立たされた人に向けての応援ソングになると思い、提示したらフィットしたので、すごく良かったですね。
全てのことが曲につながるからこそ、“こんなことが曲になるなんて!?”と思ったことはありましたか>
X(旧Twitter)で仕事の愚痴や不安などを呟いている方のポストを見て「南無阿弥らぶちゅ」ができたんですけど、私は社会人経験がないので、いわゆる仕事に日々追われている人の気持ちが分からなかったんですよね。でも、ポストを見て“これを曲にしたら面白いかも”と思ったんです。そのタイミングでお坊さんがポップな音楽に合わせてお経を読むポストが流れてきて、それを組み合わせたのがこの曲になりました(笑)。
ぜひその愚痴をポストしていた人に聴いてもらいたいですね。
聴いてほしい! 楽しい気持ちになってくれたら嬉しいです。
さらに、みゆはんさんといえばラブソングも注目ですが、今回も素敵なラブソングが収録されていますね。
今作で言うと「別れよっか」になるんですが、ラブソングの向き合い方としてはこれまでと作り方はあまり変わっていないんです。その時に思った感情を思い出しながらツラツラと書いているからこそ、より解像度も高くなっている気がするんですよね。
確かに。テクニック抜きで書いているから、より気持ちがあふれやすいんでしょうね。
そうだと思います。サウンドに関してはほっこりしたものにしてモヤモヤした感情を調整できたらいいなと思い、アコースティックサウンドにしました。
歌詞には相手にどうしても期待してしまう姿が描かれていますが、この恋愛感に対して、みゆはんさん自身は成長したと思いますか?
自分ではどうか分からないですが、メンヘラになることは減りました(笑)。
あははは。初期はメンヘラが全面に出ていた曲が多かったですからね。
そうなんですよね(笑)。歌詞でも執着することなく、“どうでもいい”と言えるようになったのはすごく進化だと思っていて。以前は恋愛を優先してしまうタイプで、一度恋愛モードになると全部ほっぽり出しちゃっていたんですよね。もし今、当時の自分に声をかけるなら“その時間は無駄だからやめときな”って言いたいです(笑)。永遠に考えても仕方のないことを考え続けちゃうと、『マジカルバナナ』みたいに連想ゲームが始まって、どんどん負の連鎖が始まっちゃうんです。それは本当に良くないことなので…。
そうなったら「猫になりたい」を聴いてもらいたいですね。
そうしてください!(笑)。
ちなみに最近のみゆはんさんは何にハマっていますか?
最近はいろんなことに挑戦しようと思い、ダンスとドラムを始めたんです。あとは、ピアノとベースも始めようと思っていて。いつかひとりで宅録ができるようになるのを目標にしています!
楽しみにしていますね。そして、11月にはBillboard Live TOKYOでのライヴが決定しています。
初めてのアコースティックライヴになるので、今までとは違う雰囲気を観せたいと思っています。ものすごく大人な雰囲気の会場だから、選曲も編曲も会場に合わせたものになるので、ぜひ楽しみにしていてください!
取材:吉田可奈