バハムートが君と紡いでプリティーダ
ービー!『Cygames展 Artworks』レポ
ート 5,500点を超える圧巻のアート
ワーク

9月2日(土)から10月3日(火)まで、東京・上野の森美術館で『Cygames展 Artworks』が開催される。
美術館外壁を彩るCygamesキャラの集合イラスト
本展開幕のちょうど12年前(2022年9月1日)にリリースした『神撃のバハムート』を皮切りに、携帯ゲームを中心としたエンタテインメント界をリードしてきたCygames。本展は、Cygamesのゲームを形づくるアートワークおよそ5,500点が一挙に展示される、同社にとって史上最大級の展覧会だ。
展示は全9章で構成される。心躍るお品書きは、こちら!
第1章「Rage of Bahamut 神撃のバハムート」
第2章「Shadowverse シャドウバース」
第3章「Granblue Fantasy グランブルーファンタジー」
第4章「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT STAGE アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」
第5章「Princess Connect! Re: Dive プリンセスコネクト!Re:Dive」
第6章「Previous Works 過去作品」
第7章「World Flipper ワールドフリッパー」
第8章「Umamusume: Pretty Derby ウマ娘 プリティーダービー」
第9章「What's Next 今後のリリース作品」
スマートフォン画面のスクリーンショット
また本展を楽しむ上で欠かせないのが、『Cygames展 Artworks』公式ガイドアプリだ。事前にダウンロードして現地でチェックインすると、主なセクションごとに人気キャラの声で解説を聞くことができる(イヤホンの持参をお忘れなく!)。
耳まで美麗な感覚に包まれる幸せもさることながら、このガイドアプリがめちゃめちゃ使いやすい。閲覧中の解説ページとカメラ機能をダイレクトに行き来できるうえに、ワンタッチで展覧会のタグを付けてSNS共有可能。音声ガイドのスマホアプリは数あれど、さすがCygames! と冒頭から感動してしまった。さらに、このアプリにはもう一つ重要な機能が備わっているのだが……そちらは後ほど。
それではいよいよ、会場の雰囲気や展示の見どころについてレポートしていこう。
バハムートの世界
展示風景
冒頭ではCygamesの原点という『神撃のバハムート』のヒストリームービーがお出迎え。ワイドな画面で視界いっぱいに広がる世界に圧倒される!
展示風景
続く展示室では、選りすぐりのイラスト数十点をじっくり鑑賞しよう。きちんと額装されたイラストは、まさに美術展と言った趣だ。『神撃のバハムート』のリリースは、スマートフォンではなくガラケーの時代。技術的な制限のある中、これほどイラストの美しさを全面に押し出したゲームが誕生したのは大きな衝撃だったことだろう。
デジタルカード4,000枚の煌めき
展示風景
と思えば、次の展示室では雰囲気が一変。壁の三面がデジタル画面になっており、そこに『Shadowverse』の4,000枚を超えるデジタルカードが並んでいる! うーん、もはやステンドグラス。
展示風景
画面上のカードにタッチすると、音と光のエフェクトと共に進化後のカードが表示されるインタラクティブな仕掛けが。一枚一枚の隙のない美しさを実感しつつ、このエフェクトが気持ちよくてつい何度もタッチしてしまう。
隣にはリアルカードゲームになった『Shadowverse EVOLVE』のカードも併せて展示されている。デジタルとアナログ(紙カード)それぞれの全く異なった魅力を比較して実感できる絶好の機会だ。
そして空へ
展示風景
第3章は、ひときわボリュームたっぷりの『グランブルーファンタジー』の展示エリアだ。作中に登場する騎空挺「グランサイファー」のリアルな再現模型に始まり……
展示風景
天井まで、壁一面を使ったラフ画の展示をご覧あれ。ユーザーのもとへ届ける前に、ひとつひとつの完成デザインの背後には数え切れない量の構想・ラフが存在している。クリエイターたちの試行錯誤の積み重ねを目の当たりにしたようで、胸が熱くなる一角だ。
展示風景
展示風景
展示されているイラストはどれも超高精細な仕上がりで、顔を近づけて見てもため息モノの美しさ。中でも個人的なお気に入りは、こちら。眺めているだけでわくわくする「リバタリア島」全景だ。部屋に飾りたい!
展示風景
エリアの最後に、ちょっと面白い一角を発見。ずらりと並んでいるのは、これまで『グランブルーファンタジー』が開催してきたシナリオイベントなどのタイトルロゴだ。当然ながら、ひとつとして同じデザインのものはなく、それぞれがストーリーに絡めた意匠で飾られている(例えば「盛夏、来たりて」のロゴなら美味しそうなスイカが)。本作の9年以上にわたる歴史を感じさせつつ、クリエイターたちの細部へのこだわりが滲む展示である。
デレデレです
展示風景
グラブルの展示を抜けるとそこは天国でした。第4章では『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』のアイドル190人全員のイラストが展示されている。この“全員もれなく&五十音順”というのがミソだ。筆者より本タイトルに詳しい編集部員氏に「どの子がいちばん人気なんでしょうね」と軽い気持ちで訊ねたところ
「えっ、いや……戦争になりますよ?」
と真顔で返されて、なるほど、だからキレイに五十音順に並んでるのか……と深く納得した。
展示風景
展示風景
背景✕衣装✕ポーズの組み合わせは、まさに190人190色。一枚一枚に物語がぎゅっと詰めこまれ、彼女たちの魅力を最大限に引き出すべく工夫が凝らされている。キャプションに記されたプロフィールやウワサ話(豆知識)を見て、意外な趣味に驚くのもまた楽しい。
展示風景 ※一般来場者の方の撮影は禁止となっておりますのでご注意ください
周年ごとに制作されたリアル衣装も、8着ほど展示されている! お気に入りの衣装をぜひ間近で眺め、細やかな作り込みを堪能してみてほしい。
“カワイイ”はこうして出来ている
展示風景
さて、展示は2階へと続く。こちらは『プリンセスコネクト!Re:Dive』のエリア。イラストとカットインムービー(動画)を組み合わせた展示で、複合的にキャラクターたちの魅力に迫れるようになっている。ラフやデザインの展示も豊富で、隅々まで見応えのあるパートだ。
展示風景
展示風景
プレイしているだけでは決して見ることのできない、コンテンツの設計図やレシピを見せてもらっているようでドキドキ……。やっぱり“カワイイ”は細部の積み重ねで出来ているのだとしみじみ実感した。そしてもちろん、「プリコネ」名物であるアニメシーンの絵コンテも展示されてるのでお楽しみに。
そしてドーーーン!
展示風景
2階展示室の奥で来場者を待ち受けているのは、3mを超える大きさのバハムート像! Cygamesのロゴにもなっているバハムートは、同社のシンボル的存在だ。
展示風景
横から見るとこんな感じ。フォルムにも質感にも妥協の無さを感じる、貫禄たっぷりの佇まいである。そしてこのバハムートに、先ほどご紹介した展覧会公式アプリのARカメラを使うと……
スマートフォン画面のスクリーンショット
おおっ、立ち込める暗雲! 空を切り裂く稲妻! 迫力あるエフェクトが発動し、その様子を撮影することができるのだ。スマホから飛び出したりカメラに収まったり、バハムートも大忙しの行ったり来たりだ。だんだんリアルの展示とスマホの境界が曖昧になっていくようで面白い。
展示風景
なお、隣にはノスタルジックなドット絵の『ワールドフリッパー』のほか、『三国志パズル大戦』、『ナイツオブグローリー』、『リトル ノア』、『ドラガリアロスト』といった過去作品に関する展示コーナーが広がっているのでチェックを。
先へ先へと駆け抜ける!
展示風景
さあ、いよいよ展覧会も第4コーナーを曲がったところ。来場者を「行こう!」と先へ誘うのは、壁に大きくプリントされた躍動感あふれるウマ娘たちだ。駆け出す音が聞こえてきそう!
展示風景
今回は『ウマ娘 プリティーダービー』中でも、第1章〜6章のメインストーリーに焦点を当てた展示となる。ターフビジョン風の大型モニターではレース映像とウイニングライブ映像が放映され、自ずと熱が高まる! 帰路の電車ではついレポートそっちのけでアプリを起動し、育成に勤しんでしまった。ウマ娘の引力恐るべし。
展示風景
壁には各ストーリーの胸熱シーンや、ライブステージのデザインなど……と併せて、しれっとモデルになった競走馬の写真&戦績パネルまで展示されていて、実に愛が深い。ディレクターからのコメントも、各シナリオに込められた願いや決意が語られているので必読だ。
そしてこの後の最終ゾーンでは、今後のリリース作品としてコンシューマーゲーム『GRANBLUE FANTASY : Relink』と『GARNET ARENA: Mages of Magicary(ガーネット アリーナ:メイジ オブ マジカリー)』の特別映像・コンセプトアートが展示されている。物量は決して多くはないが、心を躍らせるには充分なインパクトだった(『GAMM』の主人公が可愛いのなんの)! 大いに期待を膨らませて、続報を待ちたい。
ショップで見つけた遊びゴコロ
物販コーナー
展示室を抜けた先には物販コーナーが。180度ガバッと開く展覧会図録や、ゆるくてオシャレな手書き風イラストシリーズのグッズなど、心をくすぐるアイテムが多数用意されている。そんな中、特に気になったのはこちら。妙に知的(?)なフレームマグネットである。
フレームマグネット 各1,000円(税込)
本展が「上野の森美術館」で開催されることを意識してか、どれもよく見ると西洋美術史上の名画をめちゃめちゃ上手くパロっている。28番のルノワール風の卯月ちゃんはドレスの色合いが元ネタの少女像とちょうど合っているし、31番のスペシャルウイークに至っては、元ネタとなったナポレオン騎馬像の“ナポレオン役”と“ウマ役”の両方をひとりでこなしている。ニヤニヤが止まらないのでぜひチェックしてみてほしい。
この眼福をぜひ
展示風景
これまでほとんどの場合、私たちの愛すべき冒険世界もアイドルたちも、手のひらの画面の中のものだった。タップすればいくらでも見られるけれど、タップしない限り見られない。こんなふうに美麗イラストを大きなサイズで視界に収め、あれもこれも一気に見渡せる贅沢な機会はそうそう無いのではないだろうか。そこには確かに、レベル違いの没入感があった。
『Cygames展 Artworks』は2023年10月3日(火)まで、東京・上野の森美術館にて開催。ゲーム製作陣による結晶のようなクリエイションが一挙に展示される、キラキラの展覧会だ。輝きを目の当たりにし、大いに心を揺さぶられよう!
(c)Cygames, Inc.
(c)CyDesignation, Inc.
(c)Cygames, Inc. / Citail Inc.
(c)Nintendo / Cygames
THE IDOLM@STER TM&(c)Bandai Namco Entertainment Inc.
文・写真=小杉 美香

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