武藤彩未「ソロで1番になります!」
新曲初披露も

彼女にとってひと夏の経験とばかりに開催されたライヴハウスツアー「SUMMER TRIAL LIVE『20262701』」。初となる2日連続開催、彼女の楽曲のアレンジを手掛けるnishi-ken氏、ドラムの楠瀬タクヤ氏がサポートミュージシャンとして参加するなど、タイトル通り“挑戦”となった今ツアー。武藤とファンが作り上げてきた夏物語も8月1日、渋谷CLUB QUATRO公演で最終日を迎える。一夏の集大成、彼女の姿はどう成長した姿を見せてくれるのだろう?場内は満員御礼状態、文字通り老若男女が集まった光景は彼女がいかに幅広く愛されているかの証拠となった。
スタート前、「今日はみなさんと勝負です!」とナレーションでファンへ挑戦状をたたきつける武藤。いつになく熱さをほとばしらせる彼女の言葉に、フロアへ熱気が一気に伝搬していく。自身のスタート!という言葉を合図に現れた武藤は『時間というWonderland』から可憐に舞う。続くは『交信曲第1番変ロ長調』、この夏のツアーで披露され、彼女の新たな扉を開けたキラーチューンだ。楠瀬、nishi-ken両氏の激しい音に負けじと、全身を大きく使ったダンスでダイナミズムを構築。サビでファンとコール&レスポンスを繰り広げる姿は、交信というよりはまさにOPで語ったような勝負のようだ。

続いて披露された2曲はこのツアーで得た経験が美しく表れた時間となった。キュートな『女神のサジェスチョン』、繊麗な『風のしっぽ』。共に“優しさ”をテーマにした曲だが、同じ優しさでも声色ひとつで少女性と母性の双方を使い分ける。数分前に見せた元気に客席を煽る彼女はそこにいない。光と影を一瞬にして演出する彼女の声と身体だけによる表現力は進化の一途をたどっていることを実感、ただただ脱帽。終盤で魅せた『宙』は圧巻の一言。情感たっぷりに歌いあげ、まるで髪の毛一本一本に神経を巡らせたかのような繊細さ溢れる踊りで世界観を創り上げていく。まるでファンタジックな歌詞世界が一瞬にして目の前に広がるような錯覚を起こす。この日、楠瀬氏が彼女を「とんでもない怪物」と称したのは、的を射た表現なのは言うまでもない。
本編終了後「彩未!」コールに導かれ登場した彼女は「大きなトライアルを持ってきました!」と叫ぶと完全新曲『ドキドキ』(仮タイトル)を披露。歌詞も曲も未完成のデモ段階であるもののこのダンサンブルなポップチューンは早くもファンの心を掴んだ。その後まさかの連続で『ドキドキ』を披露するという冒険心溢れる展開が。しかも1度目に披露した時より、明らかに声の張りや動きのキレが増しており、ライブを通して完成形を作り上げていく彼女の真骨頂が完成前に見れたようだ。挑戦を終えた彼女の顔から充足感が満ち溢れていた。その後「ソロで1番になります!」と宣誓したのも、ただの強がりではなくこのツアーで得た経験が彼女をまた一回り成長させたからに違いない。
ラスト『彩りの夏』では弾けるように飛び跳ね、この日の全てを終えた……かに見えたが、鳴りやまない拍手と歓声に後押しされ、ダブルアンコール。本日二度目の『Seventeen』、この日最大の笑顔を見せた武藤。まさしくライブをするために、歌うために生きている少女の全てがこの瞬間に詰まっていた。
終演後「私は幸せ者です!まだまだ頑張れる!」と言い放った武藤。「ソロで一番」への道は険しい、だが成長著しい彼女が突き進む道には明るい未来が待っているはず。そう思わざるを得ない一日だった。次、どこまで進化した姿を見せてくれるのだろうか、その時が楽しみで仕方ない。

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