【Lonesome_Blue インタビュー】
私たちの始まりを提示するものとして
この5曲だった
このバンドと一緒に
100年先までやっていく
5曲とも違うタイプということは、演奏は大変だったと思うんですが、それだけやり甲斐もあったのでは?
広瀬
もともとミュージシャンではなかったですし、ベースは高校生の時に部活でやっていた経験しかほぼないので、レッスンを受けてすごく練習しましたし、今現在も練習中です!
MIZUKI
さっきも言いましたけどツーバスをやってこなかったし…あと、フィルとかもテンポが速くて。メタル独特のドゥロロロロロ〜みたいなフィルが(笑)。そういうのはやってきていなかったので、耳もスキルも鍛えられましたね。「Beginning Of The End」のサビ前のフィルとか、めちゃめちゃ練習しましたから。でも、ライヴはきっと楽しいだろうから、もう今から楽しみです。いろんなフィルを叩いていきたいので、今、機材を増やしているところです!
成美
コロナ禍ということもあり、音源の制作段階でMaoさんとたくさんコミュニケーションを取っていたわけじゃないので、“このプロジェクトで私が求められてるのは何なんだろう?”っていう自分の立ち位置に関する悩みはずっとあって。レコーディングは私は家でやっていたんですけど、その相談をメールでやり取りしながら録音していましたね。あとは、長尺のギターソロを入れていただいて、ちょっとヒーヒー言いながら作ったり(笑)。たぶん「Beginning Of The End」とかはツインギター用の尺なんですよ。ひとりが弾いて、次にもうひとりが弾いて、最後にハモる…みたいな構成をひとりで弾かなきゃならないってなった時に、どうやってこの長さを持たせようかってすごく悩んで。実を言うと、“半分に削ってください”って泣きついたくらいだったんですけど、“弾けるなら弾きなさい”っていうお達しで、頑張って長い尺のソロを作りました。「Welcome To Heavenly Secret Base」は60〜70年代のディスコとかアメリカンハードロックっぽい曲調ですけど、そういうアウトプットをしたことがなかったから、“私は何をすればいいんだろう?”みたいなのも最初はありましたね。
「Parallel World」でのAyasaさんのバイオリンとギターのソロのかけ合いは超絶カッコ良かったです。
成美
あれは本当にいい経験をさせてもらいましたね。レコーディングはAyasaさんと一緒にやったわけではなくて、私がフレーズを作って、Ayasaさんにレコーディングしていただいて、そのあとに私が本番テイクを録るっていう流れだったんです。バイオリンとギターって運指のシステムが同じなのか違うのか分からなくて“ユニゾンできるのかな?”と思っていたんですけど、そこはテクニカルな方なのできっちり合わせていただいて。Ayasaさんがフレーズを合わせてくださった時はもう感動で! “ありがとうございます!!”って感じでした(笑)。
野村
私は今まで声優としての仕事で歌う時は、キャラクターありきだったので。声優さんがご自身でアーティストデビューされた時のインタビューとかを読むと“自分として歌うのが難しかった”みたいなことをほぼ必ずおしゃっていて、そのたびに“そんなに難しいかなぁ?”と思ってたんですよ。で、いざ自分がこういう立場に置かれて、キャラクターという軸がない状態でレコーディングをするってなったら、“あ〜、みんなが言っていたのってこういうことなんだ”って。自分がその立場になって初めて分かるという(笑)。キャラクターソングを歌う際は、キャラクターという具体的な指針があって、“このキャラクターだったら”っていう大きな軸となるものがあるので、どう歌うか迷うことはあまりないんです。だから、Lonesome_Blueのヴォーカルとして歌うってなった時、“キャラクターとして歌う”を“野村麻衣子として歌う”にすればいいと単純に思っていたんですけど、そもそも“野村麻衣子として歌う”が自分の中に確立されていないという。カラオケで歌うのとも違うから、“Lonesome_Blueのヴォーカルとしての野村麻衣子の歌”を作るところから始めた感じですね。「Beginning Of The End」を最初に録ったから、自分として歌うってどういうことかってことと、Lonesome_Blueのヴォーカルとしての歌と声を作ることを意識して。そこからさらに曲ごとに全然タイプが違うので、「Beginning Of The End」と同じように歌えばいいっていうわけでもなく、そのたびに新しく作り上げた感覚があります。だから、ほんとに私にとっても“First Utterance”です!
本作が完成してみて、自分の中での達成感とか聴いてほしいポイントは?
MIZUKI
私はツーバスとか手数が多いところを聴いてほしいですね。全部カッコ良いし、聴きどころがたくさんあるし、全部好きなんですが、今の時点で一番好きな曲を挙げると「Total Eclipse」です。特に最後の終わり方が! 拍が3拍子になってバックにオーケストラがいるような壮大なイメージのサウンドになる…手数は多くないんですけど(笑)、そこがすごい好きで。ぜひ最初からガーッと聴いて、最後そこまで行くのを楽しみに聴いてもらえたら嬉しいです。
野村
“Lonesome_Blue”というバンド名には、“寂しくてひとりぼっちで、ブルーな気持ちでいる人の心に寄り添うようなバンドでありたい”という気持ちがこもっているんですね。「Total Eclipse」はそういうバンド名に込めた想いを感じさせるというか、手を差し伸べるような曲になっているんじゃないかと思うので、それを感じてほしいです。
成美
私は5曲ともジャンルが違うところに注目してほしくて。“Lonesome_Blueはこれからどうなっていくんだろう?”っていうのを楽しみにしていてほしいし、私たちの幅の広さというか、広げようとしている意志を見てほしいと思います。
広瀬
ベース的には「Welcome To Heavenly Secret Base」のオクターブ奏法のフレーズが好きで。あと、「Total Eclipse」は“変拍子がすごいぞ!”みたいな曲で、特に間奏のデデッ デデデデデデッ〜って上がって、ツタタン タンタタン〜ってなるところが好きで…って、どこだか分かりますか?(笑) リズムが変わるところがあって、そこがすごく好きなので、ライヴでみんなと合わせるのが楽しみです。
「Total Eclipse」のリズムチェンジについては、ぜひ読者の方に聴き込んでもらって、“ここだ!”と当てていただきたいですね(笑)。さて、4人ともこれまでの活動の中でファンもたくさんいらっしゃると思うんですが、Lonesome_Blueとしては何を伝えたいですか?
MIZUKI
私のお客さんはもう聴いてくれた人が多くて、“すごくカッコ良い!”ってめちゃくちゃ言ってくれているので、このまま激推ししてもらえればいいなって(笑)。
成美
私のファンの方はガールズメタルが好きな人が多いから、わりと違和感なく聴いてくださるんじゃないかという期待もしつつ、Lonesome_Blueがバンドになっていくさまを楽しんでほしいですね。
広瀬
私はこれまで歌ったり踊ったり、いろんな活動をしてきたんですけど、今は主に声優として活動していて、私のことを声優として認知してる方も多いと思うんです。もともとミュージシャンじゃなかったとはいえ、中途半端なパフォーマンスを観せちゃうと、その人たちはLonesome_Blueに興味を持ってくれないと思うので、私は本気でこのバンドと一緒に100年先までやっていく気持ちがあるし、“世界も目指してますよ!”っていうのを口だけじゃなくて、パフォーマンスと姿勢で見せていけたらと思っています。“だから広瀬がベーシストに抜擢されたんだな”“ベースを持ってる広瀬もいいな”と今後のライヴでお客さんに思ってもらえるように、自分との勝負として掲げてやっていきたいです!
野村
私のことを応援してくださってる方は、私が歌をずっと好きだったことを知ってくださっていると思うし、バンドのヴォーカルとして歌わせてもらえる機会をいただけて、本当に嬉しく思っているので、こうしてバンドに参加させていただくからには魂を削って歌いたいと思っています。とにかくLonesome_Blueの音楽を聴いてほしいです!
取材:舟見佳子