かおたんの愛称で親しまれる松村は、48グループで唯一の「終身名誉研究生」という肩書を持つ異色のメンバー。SKE48には3期生として加入し、須田亜香里や、AKB48に異動した木﨑ゆりあらが同期生となる。

 その松村が今回、速報ながら研究生としては史上最高位となる9位に顔を出したことで、選抜総選挙が始まって以来初めて、研究生が選抜メンバーに選ばれる可能性が高まっているのだ。
 そもそも松村は、これまでで最も選抜メンバーに近づいた研究生でもある。5回にわたって開催されてきた選抜総選挙で、最終的にランクインを果たした研究生は延べ8人いるが。そのなかでの最高位は前回の32ndシングル選抜総選挙で松村香織が獲得した24位なのである。

【過去の選抜総選挙でランクインした研究生メンバー】

■2013年 32ndシングル選抜総選挙
24位 SKE48 研究生 松村香織 アンダーガールズ
55位 HKT48 研究生 田島芽瑠 フューチャーガールズ
59位 HKT48 研究生 朝長美桜 フューチャーガールズ

■2012年 27thシングル選抜総選挙
34位 SKE48 研究生 松村香織 ネクストガールズ
49位 AKB48 研究生 武藤十夢 フューチャーガールズ

■2010年 17thシングル選抜総選挙
28位 AKB48 研究生 島崎遥香 アンダーガールズ
36位 AKB48 研究生 山内鈴蘭 アンダーガールズ
40位 AKB48 研究生 石黒貴己 アンダーガールズ

※2011年は該当者なし。2013年の研究生降格中にランクインした峯岸みなみは例外としています。 松村の知名度と人気は、もはや研究生の域を脱したレベルに達している。週刊プレイボーイに連載をもつほか、「私の武器」と自認する"ぐぐたす"ことGoogle+では、動画連載「BBQ松村香織の今夜も1コメダ」を投稿し続けており、その回数はすでに300回を超える人気ぶりだ。

 そんなGoogle+での活躍を認められ、2012年には"ぐぐたす選抜"のメンバーに選出。『真夏のSounds good !』のカップリング曲である『ぐぐたすの空』にも参加し、この時期から知名度が一気に上昇している。ファンにはもちろん、女子中高生にも知名度が広がっているとの指摘もあるようだ。

 極めつけは、"ソロデビューシングル"の『マツムラブ!』をリリースしていること。2013年10月のリリース時には手売りのみで用意した1000枚が完売。一般のCD流通に載っていないため、アマゾンでは中古品に8000円以上の高値が付くプレミアアイテムとなっている。

 2013年11月には、『賛成カワイイ!』のカップリング曲として、同期生の須田と結成したユニット"だ~す~&つ~ま~"による『ここで一発』が収録。同曲は2014年4月に開催された「AKB48リクエストアワー セットリストベスト200」にて4位にランクインし、姉妹グループの楽曲ならびにユニット曲としての最高位に輝くという快挙も成し遂げている。
 このように数々の実績を持つ松村だが、それでもなお、「本当に研究生が人気なの? 48グループのファンに知られているだけでは?」といぶかる向きもあるかもしれない。そんな疑問に対しては、実際の数字を提示してみたい。

 まずは松村の同期生であり、前回の選抜総選挙では16位で選抜入りした須田亜香里と比べてみよう。その結果の一つを示したのが「Google トレンド」による比較である。これは各キーワードがどれくらいの頻度でネット検索されているかをグラフ化できるもので、複数のキーワードで比較を行なうことも可能だ。



 このグラフは直近2年間のものだが、Google トレンドによると2人の検索数はかなり拮抗していることがわかる。ここには表示されていないが、「平均」の項目では、ほぼ同数ながらわずかに松村がリード。すなわち松村は、前年の選抜メンバーに劣らない関心を世間から持たれているというわけだ。

 ちなみに指原莉乃と比較してみると、さすがに検索数に大きな差があることがわかる。だが、この差をもって「人気がない」と断じるのは早計だ。むしろここで注目すべきは、たとえ指原というビッグネームが相手であっても、松村にも一定数の検索数、すなわち関心が集まっている点にある。



 実はGoogleトレンドでは、検索数が少ないキーワードを比較対象にした場合、「検索回数が十分でないためチャートに表示されていません」という注意書きが現われ、グラフ自体が表示されないことがあるのだ。実際、松村と他の研究生を比較してみると、差が大きすぎて相手側が表示されないことも少なくない。それゆえ、指原との比較でもある程度の数字を出せる松村の認知度は、相当高いと言っていいだろう。

 今回は「検索数」という切り口から検証してみたが、いずれにせよ松村香織の注目度が相当高いレベルにあることは間違いない。さらに今年は、速報で9位という結果がさらなる注目を集めているというアナウンス効果も期待できそうだ。

 ただ気になるのは、これまでの総選挙における「速報→最終結果」の推移である。前回の選抜総選挙では最終的に24位に入ったが、速報ではさらに上の17位にランクインしていた。あと1ランク上がれば選抜入りという絶好のポジションである。それゆえ多くのファンは昨年、松村の選抜入りを意識したのではないだろうか。だが結果は、速報から7ランクダウンという結果に終わっている。

 こういった現象は決して松村に限ったことではない。前回の選抜総選挙では、速報で8位にランクインしたSKE48 柴田阿弥が、最終的には17位で選抜入りを逃している。いっぽうで9位だったAKB48横山由依は、ランクダウンしたものの13位に踏みとどまり、見事選抜入りを果たした。同じランクダウンでも、その変動幅で悲喜こもごもの結果となったのである。

 6月7日の開票で、果たした松村香織の順位はどのように変動しているのか。前回同様に7ランクダウンしたとしても、ぎりぎり16位で選抜メンバー入りを果たす計算になる。センター争いに注目するいっぽうで、「研究生初の選抜入り」というテーマが懸かった16位の攻防にもぜひ興味を向けたいものである。

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