【ANFiNY インタビュー】
いろいろな曲があって、
いろいろなメッセージが揃っている
みんなが共感できる
リード曲を目指した
そして、メジャーデビュー作となる本作は1曲目がタイトル曲の「僕らの夢」ですが、この曲にはどんな想いが?
SHOYA
“僕らの夢”の“僕ら”というのは僕とKAZUKIのことでもあるし、受け取ってくれる人たちのことでもあると思うんです。今までの夢だったメジャーデビューであり、ここがスタートラインでもあるから、ここから叶えたい夢を歌っているというか。未来と過去、そして今、みたいな全部の夢が詰まった曲になってて。メジャーデビューのリード曲なので、夢を持っている人だったり、夢を持っている人を応援している人とか、誰でも共感できる楽曲だと思います。
ふたりの声が重なるところはユニゾンになっていて。他の曲はハモることも多いのですが、この曲はなぜユニゾンにしたのでしょうか?
KAZUKI
それはレコーディングしている中で、結果的にユニゾンになりました。僕らはあらかじめ決めないんです。レコーディングで歌ってみてから、ふたりで組み替えていくということが多くて。なので、最初はユニゾンじゃなく、普通にハモってましたね。
SHOYA
うん。最終的に“これはユニゾンのほうが良くない?”となった。僕らのレコーディングって、ふたりそれぞれが一回全部歌って、それを部分部分で切って合わせる感じなんですよ。そうするといろいろな可能性を試すことができるので、今回も気づいたらユニゾンになっていたという(笑)。
他はハモリがきれいだったので、リード曲でその武器を使わないというところに“ふたりの声で勝負するぞ”といった気概を感じました。あと、《きっと》《ぎゅっと》《そっと》というようなアクセントのある擬態語の表現がたくさん散りばめられていて、それもこの曲の特徴になっていますね。
SHOYA
真っ直ぐ届ける中にも掴むポイントがあって。《そっと包んだら ぱっと花開いた》とかは手振りもやりやすいといか。そういうところは体も使って表現します。
KAZUKI
でも、その部分の歌詞は全て違うので覚えるのは大変です(苦笑)。
SHOYA
“これ、《ずっと》だっけ? 《きっと》だっけ?”ってね。結構、頭を抱えています(苦笑)。
あと、細かいところをよくよく聴くと、ふたりのヴォーカル力がすごく伝わってきます。
SHOYA
KAZUKIは歌詞の漢字の部分も平仮名に変えて、平仮名と平仮名の間にある小さな“ん”とか“っ”とかもメモして表現してるんですよ。“それくらい細かくやっているので、そこも聴いてね”と言ってました(笑)。
KAZUKI
普段はそんなにメモを取るタイプじゃないんですけど、歌だけはちゃんとやろうと思って。
SHOYA
レコーディングはたいだいKAZUKIが先なので、そのメモが貼ってあるんです。僕はそれを見ながら同じようにやるという(笑)。ありがたく使っています。
あははは。「Dear my friend」は最初アコギ一本からはじまり、中盤から華やかになっていくという。
KAZUKI
歌詞は真っ直ぐなんですけど、僕らのアーティスト色が出ているかなと。今までなかなか見せてこなかった部分が表現できていると思います。
SHOYA
電子音とかを使ったものが多いんですけど、これはアコギ一本の始まりという。最初はアコギ一本じゃなかったんだよね。
KAZUKI
そうそう。最後にユニゾンになったのも、その場で決まったという。
タイトル曲とはまた違うやさしさや温かみが主軸になっていますね。
SHOYA
「僕らの夢」は全員が共感できるところを目指したんですけど、「Dear my friend」は一対一というか。僕らは“フレンド”というよりは“パートナー”という感じですけど、これを一対一のふたりで歌うことによって、「Dear my friend」の意味がもっと出ると思うんです。歌詞にも《飾らなくても良いんだよ》《ありのままが素敵だよ》とか、相手に話しかけている言葉が多いんですよ。僕は《朝陽は一緒に見ようね》という歌詞がすごく好きで。いろいろあっても一緒に同じ景色を見よう…という意味合いも入っていると感じるので、多くの人に共感してもらえると嬉しいですね。
KAZUKI
この曲は以前から音源化の候補に挙がっていたんですけど、当時の僕らではしっくりこなくて。いろいろな経験をして成長した今だからこそ表現できるようになって、ようやく今回のミニアルバムに収録されました。
「Step by Step」は未来への希望を歌った、背中を押す曲ですね。
SHOYA
この曲は卒業路上ライヴの時に初披露したんですよ。“これからは路上というステージではなく、もう一歩上がったステージで、一歩ずつ前に進んで行くよ”という想いが込められていて…でも、まっさらな状態で聴いた人でも、何かを頑張ろうとしている人の背中をそっと支えたり、押してあげることができる曲なんじゃないかと思いますね。
あとの2曲はラブソングなのですが、中でも「ガラスの靴なんかなくても」はハッピーな感じがあふれた歌詞になっていますね。
KAZUKI
攻めていますよね。曲がもらった時、“うわー、キラキラしているな。歌えるかな?”と思いました。アレンジが途中で変わったんですけど、最初はもっとキラキラしていたんですよ。
SHOYA
もう25歳と26歳なので、20代中盤のキラキラに抑えて(笑)。
KAZUKI
それでもキラキラしているでしょ?
キラキラしていますね。
SHOYA
僕はルーツとしてキラキラソングが好きなのもあって、あまり考えずに入り込めるし、みんな僕が歌うところは思い浮かぶと思うんです。ただKAZUKIはキャラ的にこういう曲を歌っている姿は思い浮かびにくいんじゃないかと(笑)。彼はキラキラというより「Dear my friend」方面のイメージが強いから。でも、マネージャーが“引き出しが多いから、意外とこういう曲も歌えるんだよね。器用に歌えるんで幅が広がる”と言っていて。デビューミニアルバムにこの曲が入っている大きな要因はそれだと思います。
KAZUKI
僕は心配しかなかったですけど。歌っている時は楽しいんですけど、“大丈夫かな? これで合ってるかな?”って不安な気持ちがあった。でも、出来上がったものは良かったし、手応えもありました。
完成したアルバムを聴いてみていかがですか?
KAZUKI
バランスがいいですね。アルバムを全部順番に聴いてもらえたら、いろいろな曲があって、いろいろなメッセージが揃っていて、飽きずに聴けるかなと。“この曲とこの曲の間はこのくらい空けたら次が聴きやすいよね”という工夫もしたので、スルッと頭から聴いてほしいです。
SHOYA
1曲目から5曲目をそのままセットリストにしてライヴができるように意識して作ったので、そこは違和感なく聴けると思います。あと、6曲目から10曲目までは1~5曲のインストルメンタルが収録されていますが、これは聴いてくださったみなさんにも一緒に歌ってほしいと思って入れています。
今のふたりの目標は?
KAZUKI
僕はふたりでギターを持って、バンドを従えたライヴをしたいですね。あと、47都道府県路上ライヴツアーをやりたかったんですけれどできなかったので、47都道府県ライヴハウスツアーとかやってみたいです。
SHOYA
明確なところで言うと、僕は横浜アリーナでやりたいという想いがあって。
なぜ横浜アリーナで?
SHOYA
僕、ライヴの演出が好きで、いろんなライヴを観てきたんですけど、横浜アリーナの1万5,000人規模の会場だったら、ちゃんと前から後ろまで同じ気持ちにできる自信があるんです。
そういうことだったんですね。
KAZUKI
でも、今は“何ができるだろう?”ということしか考えてなくて。その中で近い目標が見つかれば、何かできると思うので。毎日の路上ライヴでつらつち…あれ? なんて言うの?
SHOYA
“培ってきたもの”ですね。
KAZUKI
それそれ(笑)。そこで培ったものがあるから、できることからやっていけばと思っています。
SHOYAさん、ナイスフォローです(笑)。
SHOYA
日頃からこういう感じなんですよ。でも、今のやり取りが僕らを一番分かりやすく表現していますね(笑)。
取材:キャベトンコ