化学変化し続けるFrasco。よりオープ
ンかつ柔軟になった活動に迫る|BIG
UP! Stars #36
「不要なものが取り除かれてきた」
彼とは2年前くらいに、Spincoaster Music Barで出会いました。その時から「何か一緒にやりたいね」っていう話はしていたんですけど、中々機会がなく。ようやくコラボ・プロジェクトが動き始めたのが去年の年末くらい。とりあえず一緒に曲を作ってみようかっていう流れでスタジオにも何度か入り、そこでデモ音源が8曲分くらい生まれました。まだまだ世に出ていない音源もいっぱいあります。
何も考えずに、僕とケンくん(SKYTOPIA)でただただ曲の土台となる音源を作っていたんですが、気がついたら結構な量になって。
ふたりが作ったデモ音源に対して、ちゃんとしたテーマを固めていったのは、みんなで行ったZoom会議からですね。私たちの場合、作品を完成させる前に大体いつもそういうすり合わせというか、こじつけみたいな作業があるんです(笑)。
「soramimi」の場合は、ケンくんが国際的なバックグラウンドを持っていて、多言語を喋れるところからもインスパイアされています。英語と日本語の齟齬やすれ違いみたいなものをテーマにしたらおもしろいよねっていう会話からスタートしたように記憶しています。
シンヤくん、ケンくん、ナギー(a.k.a. kentaro nagata/ライブ・サポート、エンジニアなど)、あとジャケットを制作してくれたちゃんちーさんの5人で何回もZoom会議して。みんなでアイディアを出しつつ進めていきました。
ありがたいことにみんなすごい乗っかってくれて(笑)。
発案者はちゃんちーさんだよね。あれはすごい労力だったよね(笑)。
空耳力がめちゃくちゃ鍛えられました。
— Frasco (@FrascoTTS)
シンヤくん、普通に仕事もめっちゃ忙しい時期だったのに、手を抜かずに応えていて。
もうTwitterの合間を縫って仕事をしていたからね(笑)。
もちろん根底としては「この曲をどうやったらより多くの人に届けられるのか」っていうことを考えているんです。でも、まず自分たち自身がおもしろいと思うことをやっていれば、自然と聴いてくれる、気にしてくれる人も増えるんじゃないかっていう風にも考えていて。
確かに“バズらせたい”っていうあざとい部分もあるんです。ただ、どんなに有効だなと思っても、自分たちがおもしろいと思うことじゃないと動く気にならないんですよね。100%戦略的にやっていこうとすると、自分たちのやりたい方向性とズレてしまうので、そこは無意識的にバランスが取れている部分だと思います。
でも、よく考えたら、最近はただ自分たちがやりたいからやるっていう企画も増えてきた気がします。「mizu」の時に『水いらZoom』という生配信企画をやったのですが、これまでだったら視聴数少なかったらどうしようとか、その企画をやったことによって自分たちがどう見られるか、っていう部分も慎重に考えていたと思うんです。でも、あの時は「やってみたい」っていう気持ちが勝ってしまって。最近、そういうことも多い気がしているんです。
『空耳リプ キャンペーン』が思いの外盛り上がったので、「mizu」のリリースに際して、当初は別の企画を考えていたんです。僕がやりたかったのは、「峰らるのサイン入りミネラルウォーター」プレゼント・キャンペーン(笑)。でも、考えてみると結構大変だなと。水を用意しなきゃいけないし、発送の手間もあるし。ということで、シンプルに配信という形に。
いざやってみたら……楽しかったよね?
楽しかったですね(笑)。
どんどんバカになっていくんですよねぇ(笑)。
確かに(笑)。
それもあると思いますね。
Frascoは結成して5年くらい経つんですけど、何て言うんでしょう……不要なものが取り除かれてきた感覚があるんです。変にカッコつけるのも自分たちの性に合ってないですし、元々私たちって結構陽気な性格だと思うんです。それが滲み出てきてしまう(笑)。
隠しきれない親近感(笑)。確かに最初の頃は自分たちの見せ方に迷いなどもありましたけど、最近はなくなってきましたね。
最初は名前を出して、自分たちの作品を世に発表することに対する恐怖心みたいなものもありました。でも、途中でそういう気持ちがなくなっていって……。
そもそも人はそんなに他人に対しての関心はないって思うようになって、それから振り切れたような感じですよね。
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