武藤彩未が切り開く「ソロアイドル」
復活の革命

武藤彩未のサウンドは、80sアイドル路線を彷彿とさせながらも、最先端のアレンジも取り入れる新しさと懐かしさで構築されている。「正統派美少女」というビジュアルもあり、どこかイノセントで、それでいてスタイリッシュさも兼ね備える新感覚なアイドル像を魅せてくれる。
この日、楽曲は5曲と少ないながら、抜群の歌唱力を披露。『宙』『女神のサジェスチョン』『彩りの夏』『永遠と瞬間』では透明感あふれる歌声でファンを魅了。新曲の『RUN RUN RUN』も初披露。ファンを巻き込みタオルを振り回し、上に投げるなどの「ファンと共に楽しめる楽曲」で会場は一体感に包まれた。5曲の中でしっかりとエンタテインメントが成立しているのが武藤彩未の実力の高さだ。

ここ数年、ソロアイドルはグループに所属しながらのソロ活動(渡辺麻友や柏木由紀など…)という事例を除けば、AKB卒業後の前田敦子や、吉川友など数えるほどしかいない(前田敦子も女優という枠で考えると該当しないかもしれない…)。そんな、「ソロアイドルが少ない」中で、武藤彩未が繰り返し言葉にする「革命」を起こし、かつてアイドルといえばソロアイドルが当たり前だった時代を取り戻す可能性は十分にある。彼女には、それだけのポテンシャル、そして覚悟があると今日のLIVEをみてヒシヒシと伝わってきた。
武藤彩未は、一人で全てをこなし、ファンはもちろん会場全体を盛り上げる。さらにMCでも抜群のトークスキルで笑いを取り、絶妙のタイミングで次の曲に繋げる。曲になればキッチリと歌い感動を与えるパフォーマンス力を持ち合わせる。まさに、「アイドルの究極系」が武藤彩未なのではないだろうか、とたった5曲ながら思わせるようなLIVEだった。
武藤彩未のLIVEを観て感じるのは、ソロアイドルの可能性。同日に行われた記者会見で「自分だけでエンタテインメントしている」と話す通り、自身のポテンシャルが高ければどこまでも突き抜けていってしまうのがソロアイドル。かつて、松浦亜弥がたった一人で国民的アイドルになったように、グループにはない見えない力が働く時がある。そのアイドルを支えようとするファンの熱量が一点集中するため、とんでもない爆発を起こす場合があるのだ。
4月23日(水)付けオリコンアルバム・チャートで7位と好位置をキープした武藤彩未。AKBグループ、ハロプロ、BABYMETALが盛り上がる中で、2014年は武藤彩未が革命を起こし、ソロアイドルも活躍できる場が多くなっていく予感がする。

dwango.jp news

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