三浦大知、家入レオ、松下優也、中村
中ら出演『「蜜蜂と遠雷」リーディン
グ・オーケストラコンサート』第3弾
開幕 極上の音楽と歌声に包まれて

2019年8月16日(金)、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて『「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート~ひかりを聴け~』が初日を迎えた。「蜜蜂と遠雷」は、第156回直木三十五賞、また第14回本屋大賞を受賞した恩田陸が手掛けた名作。3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクールを舞台に、数多くの天才たちによって繰り広げられる競争、そして自らとの闘い、人間の才能と運命、そして音楽を描いている。この作品を原作として歌と朗読、ピアノとオーケストラのコラボレーションでコンサート化されたのが今回の公演となる。
第3弾となる今回は、音楽監督と指揮を千住明が務め、三浦大知家入レオ松下優也中村中木村優一がアーティストとして、また湖月わたる、黒田こらんはストーリーテラーとして出演する。演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が務める。
初日を目前にした16日、劇場内で囲み取材が行われ、千住、三浦、家入、松下、中村、木村、湖月、黒田が登壇した。
千住は今回のコンサートについて「このコンサート自体3回目になるんですけども、昨年の1月と5月にやったものが凝縮されました。まさかこんなにバラエティ豊かになるとは思わなかった」と感嘆し、「いろいろなジャンルの音楽が出てきますが皆さんきちんと対応できて凄いなと。僕はいっぱいいっぱいです。ここで他流試合のように、まさにコンクールのように皆が力を出し合って真剣勝負の2時間半となります」と意気込んだ。
「僕は役どころとかはなくて歌を歌わせていただきます」と口にした三浦は「こんなに素晴らしいアーティストの皆さまとオーケストラの演奏とで一緒に歌わせていただく機会がなかなかないので、この貴重な経験を自分の力に出来るように皆さんからもパワーを頂きながら、一生懸命頑張って歌えたら」と笑顔で挨拶した。
幼少期は神童と呼ばれ、その後ある出来事をきっかけにピアノから離れたが、今回再びコンクールに戻ってきた栄伝亜夜役の家入は「素晴らしいアーティストの皆さんとなかなかないこういったクラシカルな場で、自分の歌や皆さんの歌を歌える事を幸せに思います」とコメント。「朗読劇に挑戦することもなかなかないので、新しい環境の中でとても楽しくやらせていただいております」と笑顔を見せる。
自由な生き方をしてきた天才ピアニスト・風間塵役の松下は「皆さんとコラボで一緒に歌わせていただく楽曲があったり、朗読で風間塵の役どころでお芝居をします。皆さんについていけるように一生懸命に頑張りたいと思います」と謙虚に語る。
コンクールに出場する高島明石の妻を演じる中村は「高島明石が他のピアニストと違い、音楽だけで生きている訳ではなく、家族のために働いてピアノの練習もままならない人物。そういう人のピアノが他の人を感動させる事が出来ないのか、を知りたくてコンクールに出場するという役なんです。そんな夫を支える女房役です」と説明。「昔歌のコンクールに出た時は皆敵だと思っていたんですが、でも本作に登場するピアニストたちは皆お互いの演奏に“反応”するんです。だから今回の舞台で豪華なアーティストたちと一緒にやれるので私も皆と“反応”したいです」と微笑んだ。
湖月は昨日行われたリハーサルについて、「初演の時にはなかったコンサートバージョンで、それぞれの歌手の皆さまが持ち歌をコラボレーションしながら歌っていらして、フルオーケストラの演奏で、千住さんの指揮で歌われている姿がとても神々しくて、本当にこのコンサートでしか聞けないスペシャルなものを聴かせていただき、早くお客様にお届けしたい、お客様にも聴いていただきたいという気持ちになりました」と溢れる想いを言葉にし、「大好きな作品を少しでも躍動的に立体的にお客様にストーリーをお届けできるように心を込めてストーリーテラーをさせていただきたいです」と話した。
コンクールに出場するピアニストの一人、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール役を演じる木村は、「奇跡の声」の持ち主と呼ばれる名ソプラニスタ。「原作では高身長、大変な美男子で日系3世のペルー人という、いろいろな意味でかけ離れた役を演じます(笑)」と笑いを誘い、「身長が足りないので声の高さでカバーしようと思います」と言い、また笑わせていた。
湖月と同じくストーリーテラーを務める黒田は「こんな素敵なアーティストさんのなかで私は役者1本というか、ストレートプレイばかりやっているんです。最後にちょっとだけ歌を歌わせていただくんですが、一生のうちで経験できるのか、という経験をさせていただいています」と驚きや照れくささを交えつつ「エネルギッシュに、そして言葉を大切に表現できたら」と胸中を語っていた。
衣裳も素敵ですね!
歌手、シンガーソングライター、オペラ歌手、俳優……など、バラエティ豊かな顔ぶれについて、千住は「それぞれ個性があって様々な歌い方がある。それが音楽という大きなひとくくりで歌えるアーティストだらけ。こんな仲間たちと音楽が出来て嬉しいです。ひとつになれた、というのはこういうことなんだと思いました。皆様にぜひこんな新たな挑戦を見ていただければ」と会見を締めた。
会見の後に開催された初日の模様もダイジェストでお伝えしよう。
BGMでヴィヴァルディの「四季」が流れる会場にどこか遠くの空から雷が鳴る音が聞こえてくる。そんな状況下で開幕した。
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀

「ひかりを聴け」というオリジナル曲が演奏されたあと、三浦と松下、松下と中村、三浦と家入、の組み合わせで持ち歌が披露される。4人の声はまさに4者4様。吐息まじりで繊細さと甘い色気を持つ松下の声、透明感と伸びのある高音が魅力の家入の声、やわらかくあたたかさと切なさを感じさせる中村の声、そしてピンと張った強さと滑らかさ、安定感を放つ三浦の声―4人がそれぞれに魅力的な声で絡み合うハーモニーはどの組み合わせであっても聴く者の心を掴んで離さなかった。
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀
湖月と黒田が登場して、「蜜蜂と遠雷」の朗読が始まる。コンクールの予選段階では家入や木村、夫の無事を祈る中村、松下が、ショパンやリスト、ラヴェル、メンデルスゾーンの有名な楽曲が演奏される中、朗読で登場人物の心境を語る。そして三浦が物語の中でランドマーク的な存在感で「ひかりを聴け」をピアノバージョンで熱唱。
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀

コンクール本戦になると、家入たちが自分が弾く楽曲に歌詞を乗せて歌い上げる。ピアノの演奏は川田健太郎、西本夏生、重実徹が入れ替わり立ち替わり担当しているのだが、歌声で役を演じる家入たちと二人一役状態で役を演じるように美しい楽曲を指先から響かせていた。
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀

彼ら、彼女らが歌っている背景の照明にも目を奪われる。時には真夏のひまわり畑のような明るい黄色になり、また教会のステンドグラスのような七色に変化する事も。曲調や世界観とリンクしていて実に美しい光景だった。
数名に絞り込まれた本選のファイナルでは、ピアニストの川田がプロコフィエフを熱情豊かに、そして西本がバルトークを技巧の限りを尽くして演奏し、観客を圧倒していた。
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀
コンクールの結果が明らかとなり、それぞれの胸に様々な想いがよぎる中、芝居のクロージング役として三浦が歌い出すと、その歌声は大きなうねりを持って会場の隅々まで染みわたっていた。
最後は全キャストで「ひかりを聴け」を熱唱。圧巻の一言だった。
(c)「蜜蜂と遠雷」リーディング・オーケストラコンサート製作実行委員会/田中亜紀
取材・文・撮影(会見)=こむらさき

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