映画『ボヘミアン・ラプソディ』を完
全再現!? クィーンのトリビュートバ
ンドGUEEN、令和初のワンマン完遂
今回は映画『ボヘミアン・ラプソディ』ブームに完全便乗、映画をライブで再現するというコンセプトで展開。コミックバンドの基本姿勢を崩さず、真面目な演奏と随所に仕込まれたギャグと共に、笑いと感動が綯い交ぜになったパフォーマンスが披露された当日のセットリストとレポートをお届けする。
オープニングから笑いを取ってくる。スモークが焚かれる中。ステージにメンバーが表れ「炎のロックン・ロール」でコンサートはスタート。初期のフレディお馴染みの黒のバレエスーツに身を包んだフレディ波多江は、マイク・スタンドからマイクが抜けず悪戦苦闘。スタッフの助けでなんとか窮地を脱しマイクに向かったが、もちろんこれもネタ。場内苦笑いの中、しばらく真面目!?に演奏。MCでは、映画公開前の昨秋のコンサートでヒット祈願した事を話し、映画の大ヒットはあの時のウチらの祈願のおかげ!と嘯いて笑わせる。
続いてフレディ波多江はピアノの前に座り、おもむろに「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」を弾き始める。ピアノの傍らには煙草を咥えたポール・プレンターの姿が。映画では適役として描かれたフレディの付け人だ。映画のあのシーン同様、ポールが波多江の唇にそっと近づいたところで暗転し、場内は大爆笑。かと思うと「愛にすべてを」では感動の演奏で場内は感涙の大合唱と緩急自在で客席を翻弄し続ける。
ブライアン・井口がピアノを弾きながら「オール・デッド」を歌う間にフレディ波多江は3度めのお色直し。黒のレザー・スーツに黒のポリス・キャップ。1979年『LIVE KILLERSツアー』の頃の衣装だ。曲は「バイシクル・レース」。間奏ではGUEEN恒例の自転車ベル・タイム。ファンはマイ・ベルを取り出し、新しいファンにはメンバーがステージから配布。新元号を祝って自転車ベルで三三七拍子を鳴らす一幕もあり、その場にいる全員が楽しそうにニコニコしていた。
「地獄へ道づれ」から、フレディ波多江はこの日4度目の衣装チェンジで登場。黄色いジャケットに白いパンツ。フレディ生前最後のライブとなった1986年マジック・ツアーのコスチュームで大ヒット曲の連打。もちろん「ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」での女装も忘れない芸の細かさ。衣装スタッフの苦労が忍ばれる。
ラストはもちろん『LIVE AID』。スクリーンにはステージに向かうフレディ波多江が映し出される。ステージ後方にはLIVE AIDならぬLIVE EDO(!?)の旗が。ご丁寧にもギターのネックはアフリカ大陸ではなく、東京都の地図に刺さっている。ステージには警官姿の2人が登場。実際のクイーンの演奏前に、警官に扮した人気コメディアンのメル・スミスとグリフ・ジョーンズの名調子のやり取りだ。映画はもちろんライブ・エイドのDVDにすら入ってないこのシーン、おそらく殆どの人は知らないはず。そこまでやるかと改めてGUEENのこだわりの凄まじさを痛感した。
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