日本で唯一の書、お米の藁で書く「わ
らもじ」の展覧会が開催 日本の新し
い芸術文化を世界へ

お米の藁で書く「わらもじ」を取り上げた『わらもじ作品展』が、2019年4月23日(火)~4月29日(月)まで、大阪府立 花の文化園にて開催される。
「わらもじ」最後の弟子、「三藁会」
清水藁水氏によって考案された「わらもじ」は、毛筆の書道とは違う文字の形・カスレを特徴とした心の文字として注目を集めた。
その後、大阪芸術大学で日本画を学んだ3人の若者が、3年前に清水藁水氏の書に感銘を受ける。当時、体調面の問題から「わらもじ」事業を畳もうとしていた所を熱意で引き留め、最後の弟子として師弟関係を結び、2018年に「三藁会」として活動を開始。3人が立ち上げたアトリエSubaruを中心に、教室や展示会を運営しながら「わらもじ」を再興し、デザインを施した新しい形の書の作品として日本をはじめ、世界へ広めたいと考えている。
「書く」から「描く」文字へ、しがらみのない自由な書道
苔専門店とのコラボ作品
「わらもじ」では、形や書き順、トメ、ハネなどにルールを設けず、「読めれば文字」を唱え、制作者が思いを込め、感動を伝えるという点に特化している。そのため書道経験がない方でも楽しめ、常識に捕らわれず、文字を通して自分の心を表現する感覚を味わうことができる。
絵画や音楽等の芸術分野は、開かれたものであるにもかかわらず、一般的には、基礎鍛錬を積んでなければならないという認識を植え込まれていることが多く、「苦手」や「自分には向かない」等のマイナスイメージを抱く人がいるが、その意味では、小学校の国語で漢字を習った段階で「書く」基礎をクリアしており、日常的に文字に接している誰もが第一歩をすぐに踏み出せることが特徴だ。
三藁会が目指す、デザインとしての文字「ワラグラフィ」
アルファベットやイラストを用いた、ファッションとしての書
かねてから、浮世絵に見られるような柔らかさやワビサビを重んじた日本人の自然由来の芸術感覚は、ジャポニズムとして海外から注目を集めてきた。近年の諸外国での日本文化ブームは、漢字・カタカナなどの文字への関心の深まりからファッションに取り入れられており、漫画、忍者、侍などと併せ根強い人気がある。
そこで三藁会では、2020年の東京オリンピックに向け、イラストや写真、英字や記号を用いた書を展開し、印刷物としてグッズも作成(シャツ・バッグ・ファブリックパネル等)。親しみやすくインテリアやファッションとして若者(同年代である20~30代)や海外の方にも日本の文字、わらもじの面白さを伝えたいと考えている。
日本の食文化の中心「米」
わらもじの筆に用いる藁は、清水藁水氏が長年の研究により選定した産地から取り寄せている。藁は産地により、弾力・伸び・カスレに違いが現れ、お米同様にそれぞれの個性がある。日本の文化としてのわらもじを提唱する上では欠かせない、日本の自然との密接な関わり合いもわらもじの魅力だ。

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