(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC

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【映画コラム】14歳の少年が体だけ大
人になって…『シャザム!』

 「DCエクステンデッド・ユニバース」の第7作となる『シャザム!』が公開された。
 14歳の少年ビリー・バットソン(アッシャー・エンジェル)は、魔術師に選ばれ、中身は14歳のまま、超能力を備えた大人のヒーロー(ザッカリー・リーバイ)に変身する。ちなみに、シャザムとは、ソロモンのS、ヘラクレスのH、アトラスのA、ゼウスのZ、アキレスのA、マーキュリーのMを合わせた超人という意味らしい。
 という、おかしな話から、12歳の少年が体だけ大人(トム・ハンクス)になる、ペニー・マーシャル監督の『ビッグ』(88)を思い出す人も多いと思われる。実際、この映画には 『ビッグ』のパロディーとおぼしき足踏み電子オルガンも一瞬登場するし、主人公の見た目と中身のギャップで大いに笑わせてくれる。
 ただ本作が『ビッグ』と大きく違うのは、基本的にはヒーロー物であることはもちろん、主人公を身寄りのない少年とし、里親を転々として暮らしているという設定にしたところだ。彼が最後にたどり着いた先は、さまざまな人種の子どもたちが暮らす家だった、というところに現代性がある。
 そして“義兄弟”となった彼らが活躍する後半は、『グーニーズ』(85)をほうふつとさせる楽しさがある。一人で彼らの相手をする敵役のマーク・ストロングが怪演を見せる。
 マーベルの『アベンジャー』シリーズは『/~エンドゲーム』でどうやら終息しそうだが、DCシリーズは今後どう展開していくのだろうか。
 ところで本作は、ScreenXでも上映されている。ScreenXとは3面マルチプロジェクション・映画上映システムのこと。正面のスクリーンに加え、両側面(壁面)にも映像が投影され、207度の視界全てで映画を鑑賞することができる。
 先日、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場のScreenXで本作を見る機会を得た。まず、全編が“3面”で映されるのではなく、シーンによって、正面のみに映像が映る通常のパターンと、両側面に映像が投影されるパターンとに切り替わる仕組みに少々戸惑った。また、3面になると、場内が明るくなる、映像や色合いがずれるなどのデメリットもあり、まだまだ改善の余地はあると思われた。
 本作では、バトルを中心としたアクションシーンや、物語の核となる謎の神殿のシーンなどが“3面”で映される。確かに2D版に比べると、映像に囲まれる感じがして アクションシーンでは臨場感が味わえ、神殿のシーンでは奥行きや広さを感じることができた。これらはアトラクションを好む人には楽しいと思われる。
 ScreenXは筆者にはいまひとつピンとこなかったが、それはあくまでも個人的な感想だ。3Dとも4DXともIMAXとも違う新たな映像体験を、本作を通して、自分自身の目で確かめてみてほしい。(田中雄二)

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