新たな挑戦に熱狂と興奮! 進化し続
ける演劇『ハイキュー!!』〝東京の陣
〞が大阪で開幕

去る4月5日(金)、大阪・梅田芸術劇場のシアター・ドラマシティでハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』〝東京の陣〞が幕を開けた。本作は、集英社・週刊少年ジャンプにて連載中の、古舘春一による大人気バレーボール漫画『ハイキュー!!』を舞台化したもの。2015年11月の初演から2018年10月までシリーズ6作品が上演され、総観客動員数は32万人を突破している。
シリーズ7作目となる今作がこれまでと大きく異なるのは、主人公・日向翔陽が所属する烏野高校ではなく、ライバル校・音駒高校が主役を担うところ。初演から演劇『ハイキュー!!』を引っ張ってきた須賀健太ら烏野高校メンバーは、前作〝最強の場所(チーム)〞をもって卒業した。今回描かれるのは、原作でも人気の高い春の高校バレー東京都代表決定戦。舞台は宮城から東京へ。音駒高校、梟谷学園高校、戸美学園高校らが全国大会への切符をつかむため、代表枠をかけて熱い戦いを繰り広げる。
新しい演劇『ハイキュー!!』を魅せるため、演出面においても映像・照明・振付・音楽、すべてを刷新したという今作。初演から本シリーズを牽引する最先端のクリエイター陣による演出や最新テクノロジーからも目が離せない。
公演初日となったこの日、キャストらによる囲み取材とゲネプロが行われた。孤爪研磨役の永田崇人、黒尾鉄朗役の近藤頌利、木兎光太郎役の桜庭大翔、赤葦京治役の髙﨑俊吾、大将優役の福澤 侑、そして演出・脚本のウォーリー木下が登壇。意気込みを語った。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
新しい色、新しい挑戦
音駒高校が演劇『ハイキュー!!』に登場してから今回が5度目の出演となる、孤爪研磨を演じている永田は「今回は烏野がいなくなって僕らがメインになるということで、新しいことをやりたいと思っていて、それが形になってると自分ではすごく思ってます。今まで演劇『ハイキュー!!』を観てきた方も裏切りたいですし、まだ観たことがない方も「こんなおもしろいエンターテイメントがあるんだ」と感じていただけたらいいなと思っています」とコメント。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
永田と同じく3年間、孤爪研磨の幼馴染で音駒高校の主将・黒尾鉄朗を演じてきた近藤は「この髪型、このユニフォームを着て、もう5回目になります。ようやく僕ら音駒高校が主役になることができました。1番最初に僕らが出演した「烏野、復活!」編で、今回の東京都代表決定戦をずっとやりたいと言ってたのが、実現できたんですよね。夢であり目標のステージです。その夢を皆さんと共有できたらいいなと思っています!」と笑顔で語った。
続いて、梟谷学園高校の主将・木兎光太郎を演じる桜庭は、今回が初舞台。「僕は演劇『ハイキュー!!』がものすごく好きでして、ほんとに参加できたのが光栄でして、最初なのでわからないことだらけで……」と緊張した面持ちで話し始め、永田に「もっと強気でいこうぜ!(笑)」とゲキを飛ばされる。「意外と緊張するんですよ」と笑顔でこぼしながらも、「(東京都代表決定戦は)すごく好きなシーンの1つで、しかも大好きな梟谷の木兎としてやれて、ほんとに幸せです! めちゃめちゃおもしろいと思いますので、ぜひ劇場まで足を運んでください! ヘイヘイヘーイ!!」と、木兎の口癖で元気に挨拶を締めた。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
木兎を支える副主将・赤葦京治役の髙﨑は、今回2度目の参加。「チームのメンバーも入れ替わり、「新生梟谷」という新しい風をもたらしたいと思い、稽古に励んできました。今回は烏野がいないということで新しい色が盛りだくさんなので、永田座長を中心として、僕たちもかなり試行錯誤しながら作り上げてきましたが、ほんと自信を持って今この現場に立ってます」と、晴れやかな顔で今作への自信を覗かせた。
また、演劇『ハイキュー!!』初登場の戸美学園高校、主将・大将 優を演じる福澤は「とにかく3チームとも「ここまで動くのか」っていうぐらい運動量がすごい。自分もやっていてすごくおもしろいですし、ほんとに損はさせないと思います。ぜひ生で観てほしい舞台だと思います」と力強く語った。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
脚本・演出を手掛けるウォーリー木下は、見所を聞かれ、『ハイキュー!!』自体が青春群像劇で、誰もが学生時代を思い出すようなたくさんの思い出が詰まった作品であることを挙げ、さらに「主役の2人(孤爪と黒尾)が幼馴染なんですね。「約束」というテーマで、小さい頃から一緒に過ごしてきた人たちの話が全編を通して描かれているので、今までになかった新しい切り口の物語を楽しんでもらえるんじゃないかと思います。結果として、映像も照明も振り付けも音楽も全部刷新して、ほんとに新しい演劇『ハイキュー!!』になっております。まだまだ演劇『ハイキュー!!』は進化できるんだなってことを、今までのファンの方も含めて、観てくれた人に感じてもらえるんじゃないかなと思います」と、意欲を口にした。
東京が舞台だからこそできる演出を
質疑応答で、刷新した演出面を詳しく聞かれたウォーリー木下は「今回は東京が舞台で、東京の高校生の話なので、全部がハイスペック。試合も強豪校だらけで、予選とはいえレベルの高い戦いが繰り広げられるので、それを演出するため、音楽も今までやってた路線とはまるっきり変えて、ヒップホップ的なものをベースにしました。映像や照明も、LEDのパネルが動いたり、今までやったことがない舞台機構を使って、東京だからこそできる、今までよりもちょっとカッコ良い感じを目指して作りました。あとはライブ感も今まで以上にあるんじゃないかなと思います」と述べた。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
また、それぞれの高校の見所を聞かれたキャスト陣。「やはり梟谷高校といえば、テンションの高さ、元気なところですね。つまり見ていて楽しい高校なので、音駒のカッコ良いところや戸美の賢いところと比べて、見ていて「安心するな〜」というところがあるかなと思います」と無邪気に答えた桜庭に髙﨑がちょっと補足とし、「梟谷学園はかなりテンションが高く、目で見てもうるさいチーム。そして今回出てくる3チームの中で1番強いチームなので、その強さがどこにあるのか見てほしい。何よりも純粋にバレーを楽しんでる姿を舞台上で表現したいなと思ってやってきました」と、さりげなく桜庭をフォローしていた。
主役の音駒高校は「今までは烏野と対比されていたので、少しアンニュイな雰囲気だったんですけど、今回は僕らがメインチームなので、見え方としてはいつもの音駒とは違うと思います。ずっと出てる分、キャラクター1人1人にいろんな物語が見えたりします」と永田。「チームワークを構築するために努力したことは?」という問いに対しては「変わったキャストもあんまりいないし、元々僕らすごく仲が良いので、新しいキャストはそこに入ってきてくれた感じですね。だからその点で努力したことは特にないですね。音駒は今までにも増して良いチームになってると僕は思ってます」と述べた。近藤は「今までよりも1人1人のキャラクター性や対人関係、関係性が見える。そこも結構こだわって作ったので、今回の音駒の見所だと思います」と答えていた。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
初登場の戸美学園高校について、福澤は「1番見てほしいところは表情。戸美学園高校の7人が舞台上でどんな表情をするのかを注目してほしいなと思います。原作では戸美の印象はやらしい、セコい、良い意味で頭が良いという印象。ただそれだけじゃ強豪チームと一緒に戦えない。だからこそ、どれだけ熱いものを持ってる奴らが揃ってるかというところも注目していただいて見てほしいなと思います」と静かな熱意を燃やしていた。
また、ウォーリー木下は、今回座長を務めた永田のことを「自分から大きい声を出して仕切るわけでもないけど、ずっと真ん中にいて皆を見てくれている。そういう存在でいてくれて皆が安心してる中、実は彼(近藤)が一生懸命声出して、皆を引っ張ってくれてる。だからこの2人のペアが、すごく今回の作品の色を作ったんじゃないかなと思うので、素晴らしいことだったと思います」と、永田と近藤を賞賛していた。
その後行われたゲネプロでは、キャスト陣の力強いダンスやキレのある照明にオープニングから魅了され、劇中は可動式の舞台や映像を駆使した、迫力ある演出の数々に終始目が離せなかった。試合シーンでも、LEDパネルに映し出された映像に加え、キャストのアクロバティックな動きや音楽が一体となり、躍動感と熱量が客席まで伝わってきた。幼馴染の2人にスポットを当てたシーンもあり、原作ファンも楽しめる内容になっている。まさにエンターテイメント。最初から最後まで一気に駆け抜けた演劇「ハイキュー!!」"東京の陣"だった。
大阪公演は4月14日(日)まで梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演中。その後、宮城・東京公演へと続く。

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