集合写真。個人的にいつも気になっている、それぞれのロードをイメージしたハンドルの個別塗装にも注目して欲しい 撮影:高橋妙子

集合写真。個人的にいつも気になっている、それぞれのロードをイメージしたハンドルの個別塗装にも注目して欲しい 撮影:高橋妙子

“ペダステ”ガチ勢が語る 新旧キャ
ストたちの絆を繋ぐ『舞台 弱虫ペダ
ル 総北新世代、始動」ステージレポ
ート

過去に何度かウレぴあ総研でもレビューを行っている人気作品『舞台 弱虫ペダル』。3月中に全国各地にて、新たなエピソードが上演された。今回の“ペダステ”ではどんなところが見所となったのか、原作ファンでありペダステファンでもあるライターがストーリーを読解する。

毎度原作コミックスが発売されるたび自宅で悶え転がっている筆者にとって、今回の『舞台 弱虫ペダル』は最高としか言いようがない。これからその理由をじっくりと語らせていただきます。
「舞台 弱虫ペダル」他画像のギャラリーを見る
今回の舞台のサブタイトルは『総北新世代、始動』。主人公の小野田たちは物語の進行上、2年生に進級し、巻島や金城など前作でメインを担っていた3年生の先輩たちは卒業したというタイムライン上の話になる。屈強で頼もしく、大きな存在感で自分たちを後押ししてくれていた先輩たちが卒業し、小野田は自分の走りに自信が持てないまま、スランプに陥る。そこに新1年生たちも入学してきて、慣れない“先輩”としてもがんばらなければいけない……。そんな小野田たちの悩みや成長を、今作はメインにしているのである。
今回、新世代チーム総北のメインとして今回から新たに登場したキャラクターたちをまずは紹介したい。
新生総北の中心人物たちとは?鯨井康介演じる3年生のキャプテン・手嶋純太。手嶋は、自身が凡人であるとたびたび口にするように、自分の“弱さ”を知っている男である。頭の回転はよく、しかし小野田のような天性の才能はなく、経験から培った計算高さを武器にロードレースを闘う。
そして、キャプテン手嶋を支える副キャプテン、八島諒演じる青八木一。彼は脚力はありながら自己マネージメントが苦手であり、同級生の手嶋とともに練習するうちに、手嶋と二人でのチーム走法を生み出した。寡黙であまりしゃべらない青八木だが、手嶋には絶大な信頼を寄せている。
彼ら二人は自分たちのチームワークを“チーム二人”と称し、ずっと夏のインターハイレースへの憧れを募らせてきた。
実は、手嶋純太という人物は、これから先の『弱虫ペダル』という作品の中で重要な役割を担っていると筆者は思っている(単純に手嶋ファンだということもあ るが……)。今までは個性の強い先輩や後輩たちの影に隠れて、インターハイという舞台を望むだけの2年生だった手嶋。しかし、昨年のインターハイで総北高 校は箱根学園を倒して王者になり、手嶋は“王者・総北”のキャプテンとなった。その絶大なプレッシャーと戦いながら、昨年インターハイに出られなかった自 身らの弱さをかみしめながらも、青八木と二人で個性的な面々を苦労してまとめ上げていく。手嶋は努力の男なのだ。
そんな手嶋純太というキャラクターの根幹を、鯨井の骨太な演技がしっかり支えていたと思う。八島が演じたフレッシュさ溢れる青八木とのコンビも、見ていてとても清々しい。
個性派揃いの新キャラたち
新1年生として入学してくる鏑木一差(椎名鯛造)と段竹竜包(植田慎一郎)も個性派のキャラクターだ。社会人に混じってチームで走ってきた二人は、勝利への貪欲な欲望を持っている。
特に鏑木は、前年インターハイ優勝の小野田に憧れを持ちながらも、小野田を抜いて自身の実力を証明することに情熱を燃やしている。「この年で高校生役をやることになるとは……」と苦笑していた椎名だが、そのパワフルな演技は自信家でバカっぽい高校1年生・鏑木一差を舞台上にしっかり出現させていた。
さらに、小野田たちの同級生として以前から原作には登場していた杉元照文(山本一慶)、その弟として新入学してくる杉元定時(中村太郎)などの新登場メンツも、新しい総北を盛り上げるメンバーだ。
どこか影を背負い、ラストシーンでは衝撃的な次回作への余韻を残したメカニックの古賀公貴(輝馬)にも注目したい。ライバル校の箱根学園や京都伏見にも新たなメンバーたちが登場し、現在のペダステでは過去作からの継続キャストの方が少ない状況だ。
新生ハコガク&京伏の登場人物もチェックまた、今回はキャラクターヴィジュアルの再現度にも言及したい。ライバル校箱根学園の新エース・葦木場拓斗は、2m超の長身を誇る。そんな葦木場を演じる東 啓介は、2mまではいかないまでも187cmの長身俳優だ。
葦木場の長身のイメージを損なわないような絶妙なキャスト選出には、スタッフ側のこだわりが垣間見られる。
筋肉ムキムキの巨漢スプリンターであるハコガク新2年生の銅橋正清も、実力派俳優として知られる兼崎健太郎が演じているが、キャストが発表されたときには思わず「なるほど!」と納得しそうになるほど、個人的にはナイスキャスティングだったと思う。
銅橋独特の荒々しさとバイタリティが、舞台上からハミ出さんばかりに伝わってきた。
また、前作から続投の御堂筋翔(村田 充)の横に控える京伏の新一年生・岸神小鞠を演じる天羽尚吾の演技には、独特のヌラリとした色気があり、思わずゾクッとさせられた。
原作では「筋肉(ニク)」と連呼する変人の小鞠だが、今作でも怪しい存在感を際立たせており、個人的にはすでに次回作での活躍が気になるキャストとなっている。
受け継がれる“ペダステ魂”!?
キャストたちに脈々と受け継がれる“熱”登場人物が増えると同時に新キャストも多数登場した今作。筆者にはキャプテン手嶋を中心とする“新生チーム総北”の姿が、新キャストを中心にまとまる“新しい一座”の姿に重なって見えた。
小野田坂道を演じる小越勇輝も、前作からの参加である意味新人座長だ。過去作で絶大な人気を誇った廣瀬智紀演じる巻島裕介や北村諒演じる東堂尽八など、卒業していった先輩キャストたちの熱量を受け継いで、それよりも熱い舞台を見せようと新キャストたちが奮闘する姿。
今作はまさに、“総北魂”が舞台の中でも受け継がれる様子を生で見せられているようだ、と思った。原作ファンはもちろんのこと、今までの舞台を継続して応援してきた人にとっても、満足度の高い舞台になっているだろうと、筆者は思う。
ストーリー的にも、鳴子のスプリンターとしての苦悩や、小野田の先輩としての成長、新しいインターハイメンバーを選ぶ中でのドラマ、2年生になって自身の壁を破ろうと努力する杉元……さまざまなドラマが盛り込まれて、見所満載となっている。
特に、パズルライダーたちによるカメラワーク演出を多用した、杉元と鏑木のレースシーンはとてつもない臨場感をもって迫ってくるシーンだ。涙なしには見られない結末は必見なので、要確認だ。
新しいキャストを迎えて、さらに勢いを増した『舞台 弱虫ペダル』の一座。その勢いをぜひDVDで改めて感じて欲しいと思うのは、筆者だけではないはずだ。次回作にも大いに期待させていただく。新たなチームの快進撃を、ぜひ目撃して欲しい。
フォトギャラリーも盛りだくさん

ウレぴあ総研

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着