【angela インタビュー】
15周年に放つ定番曲必至の自信作!
最新シングル「SURVIVE!」は劇場アニメーション『K SEVEN STORIES』のオープニング主題歌。疾走感と衝動に満ちたナンバーには、長年『K』シリーズの楽曲を歌唱&提供してきた彼らならではの愛と情熱が満載だ。デビュー15周年を迎え、その創造欲は止まるところを知らない。
2012年のテレビシリーズに始まり、『K』シリーズの楽曲って相当作ってらっしゃいますよね?
KATSU
もう『K』の曲だけでワンマンライヴが十分できるくらいですね。
にもかかわらず、今回の「SURVIVE!」もまた“あぁ、『K』の曲だな”とピンとくる疾走感と軽やかさがあって、そのアイデアは一体どこから生まれてくるんだろうかと。
atsuko
簡単に言うと“もうネタ尽きてんじゃないの?”ってことですよね(笑)。確かにテレビシリーズの1期が終わる時も、もちろん2期が終わる時も“これが最後だろう”という想いで出し切ってきたので、ストックも何もないんです。今回も続編があるなんて考えてもいなかったし。じゃあ、なんで新しい曲が書けるかって言うと、新しいストーリーをいただけるからでしかない。例えば『K SEVEN STORIES』を構成する7つのエピソード全てのシナリオを読ませていただいたら、時系列が1期よりも前の物語が多かったので、よりキャラクターたちが無邪気に幼く、尖っているんですよ。目が合っただけで喧嘩する中学生みたいな感じで(笑)。なので、そういう衝動的な部分を歌詞にも出していこうとか。
KATSU
そもそも『K』の曲ってangelaがやりたいことを勝手にやらせてもらえるジャンルなんですよね。単純に僕らが好きなものをカッコ良く仕上げれば『K』の世界観になる。だから、常に感性を大事にした曲作りをしているし、変にギミックを仕込む必要もない。それに『K』を手掛けている作家集団のGoRAさんとは以前から知り合いで、クリエイターとしてすごく尊敬している存在でもあるんです。おかげで“負けたくない”という想いで制作に取り掛かれるし、実際『K SEVEN STORIES』のお話もめちゃめちゃ面白いんですよ!
だから、インスピレーションを刺激されるし、また新たな良曲を生み出せるということですね。
atsuko
そうですね。制作陣とangelaがお互いに刺激し合って生まれ出てくる。きっと『K』の制作陣がangelaに求めるものって疾走感であったり、スタイリッシュ感やカッコ良さだろうから、そこには応えたいという想いはありつつ。かといって既存曲と同じような作品ではダメだから、『K』の遺伝子は残して、“さらに上をいく生物に進化させた”みたいなものを出していこうと、声をデジタル加工してディレイを掛けたり、男臭い掛け合いを入れてみたりもしました。おかげで自分たちなりにカッコ良い曲ができたと思うし、ライヴで初披露した時もすごく盛り上がったんですけど、よくよく考えるとダサいんですよね、この掛け合い。“《もっとFire》とか《ずっとFire》って何なんだ!? ”っていう(笑)。
でも、前回のインタビューの時に仰っていたじゃないですか。“ダサさはキャッチーだ”と。
atsuko
そうなんです! やはり完璧すぎるものって通りすぎていってしまうというか、親近感を持ちにくいじゃないですか。なので、掛け合いパートは私からの“さぁ、おいで!”っていう親近感アピールなんですよね。
KATSU
そのあとの《Are you ready? BANG! BANG!》も意味が分かんないけど、これ実は1期の主題歌だった「KINGS」に《Big bang》っていう歌詞があったところから来てるんですよ。他にも劇場版の主題歌だった「Different colors」と似たギターリフで曲が始まったり、今までの『K』シリーズ楽曲や“クラン”と呼ばれる登場人物たちの要素を入れ込んでるんです。
atsuko
青のクランは和とデジタルの融合、赤のクランは熱いロックというイメージで、私たちも曲を作ってきたので。要するに「SURVIVE!」は集大成なんです、『K』シリーズの。
KATSU
結果すごく自信のある曲になったので、だったら主題歌の前にちょっと切ない曲で“『K』が帰ってきたよ!”とアピールしようと作ったのが、去年末に出したアルバム『Beyond』に入ってる「SEVEN STORIES」で。イメージソングという位置なんで、もしかしたらあの曲が主題歌だと勘違いしてた人もいるかもしれないけど、実は主題歌はあとから登場するっていう、ある意味angelaからのトラップですね、そんな仕掛けができるくらい「SURVIVE!」は自信のある曲なので、きっとライヴでも定番曲になっていくんだろうなっていう予感が、もう今からしています。
atsuko
だから、育てていきたいですよね。この曲をお客さんと一緒に。そのためにヴォーカリストは指揮者じゃないといけないと思うんです。振りとかジャンプとかのレクチャーはピシッ!とやらなきゃいけないし、指揮者がぐだぐだしてたら全体がぐだぐだするんで。カップリングには既存の『K』曲のライヴバージョンも入っているので、それを聴いてもらえれば初見の人もangelaのライヴがイメージできるはず!
そのへんは秋のベストアルバム発売に続く、10月27日の日比谷野外音楽堂ワンマンに期待してます。
atsuko
15年をひとまとめにしたベストなので、選曲が大変!野音は“濃すぎちゃってゴメンナサイ”がコンセプトなので、『蒼穹のファフナー』に『シドニアの騎士』や『K』と、主題歌系の濃い楽曲たちが一堂に会したライヴになる予定です。きっと声張ってる曲も多いと思うから喉枯れそう!
KATSU
観てるほうも終わったらぐったりすると思いますよ(笑)。ただ、新しいangelaのライヴの観せ方もしたいですね。
atsuko
5月に河口湖ステラシアターで15周年ライヴをやった時、ぢぇらっ子(ファンの呼称)自作の旗を送ってもらって入口に飾る企画をやったり、会場に記念スタンプを置いたりしたら、結構好評だったんです。そうやって一緒にライヴを作り上げるようなことを野音でもしたいし、デジタルな世の中だからこそのアナログ的な遊び心は大切にしたい。やっぱり私たち昭和の人間だから…って、どうしよう。平成も終わっちゃう!(笑)
取材:清水素子
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シングル「SURVIVE!」2018年7月18日発売
KING RECORDS
- 【期間限定盤】
- KICM-91853 ¥1,300(税抜)
- ※クリアケース付
- ※初回製造分のみ「K SEVEN STORIES」OP映像場面写カード封入(全6種/ランダム1枚)
- 【通常盤】
- KICM-1854 ¥800(税抜)
- ※描き下ろしアニメイラスト使用ジャケット
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『angela Live 2018 All Time Best in 日比谷野音』
アンジェラ:低音から高音に伸びる独特のヴォーカルセンスを持つatsukoと、ギターやアレンジなどでその世界観を生み出すKATSUによるユニット。2003年にTVアニメ『宇宙のステルヴィア』の主題歌「明日へのbrilliant road」でメジャーデビュー。以降、『蒼穹のファフナー』など数々のアニメ作品の主題歌を担当。また、海外イベントへも多数出演しており、世界中のアニソンファンの支持を得ている。17年には初の日本武道館単独公演を成功させ、18年にはデビュー15周年を記念したベストアルバム2枚を同時発売、19年3月下旬よりアジアツアーを、21年12月には17年にもわたってシリーズ全ての主題歌・挿入歌・イメージソングを担当したアニメ作品『蒼穹のファフナー』が完結を迎えることを記念した『蒼穹のファフナー FINAL Fes in パシフィコ横浜』のDay 2にて、“angela LIVE -蒼穹作戦-”と題した豪華ライヴを開催した。angela オフィシャルHP
「SURVIVE!」MV(short ver)