安室奈美恵、デビュー当時から抱えて
いた葛藤 売れなかったら…

 来年9月に引退することを発表した、安室奈美恵。23日放送のNHK特別番組「安室奈美恵『告白』」では引退理由を告白し、反響を集めたが、この番組では、デビュー当時の想いなども明かしていた。

 NHKの音楽番組『ポップジャム」』の1995年3月におこなわれたオーディションのVTRが流されると、安室は満面の笑みを浮かべた。

 「衝撃すぎて、びっくりました」と懐かしい映像を見つめた安室。同番組の司会アシスタントも務めたが、「トキメキばっかりでした。いつか、私たちもこういう風にワアとかキャアとか言われたいね」と胸をときめかしていた当時の心境を語った。

 ただ、デビュー後、なかなかヒットに恵まれなかった。

 「私がセンターでメインボーカルしているから、ヒット曲が出ないんだろうなっていうのは、14歳、15歳なりに出した結論というか。一生懸命出した結論」と苦悩を抱え、事務所社長に「辞めさせてください」と話をしたこともあったという。

 その後、安室は5作目の「TRY ME~私を信じて~」がヒットした。

 そして、8作目の「Body Feels EXIT」で音楽プロデューサー・小室哲哉と出会う。

 「小室さんとのお仕事は、とにかくプレッシャーの連続だったので。最初は特に」と切り出した安室は、すでに小室プロデュースのアーティストがヒットを飛ばす中、「嬉しいってその時は思ったんですけど、『あれ?』って」と自問自答。「売れなかったらどうするんだろうって思って、やばい、どうしよう、責任重大なんだけど」との気持ちを抱えていたようだ。

 安室と小室のタッグは90年代後半の音楽シーンを席巻。デビュー当時はダンサーになりたかったという安室は、徐々に歌うことへの喜びを見出し、人気に拍車がかかると安室のマネをする“アムラー現象”が登場した。

 当時のことを振り返ると安室は「何で? 何で? アム“ラー”なのかがちょとイマイチ、よくわからなかった」といい、「自分のことじゃない感じ。名前だけが一人歩きして、不思議な感じでした」と戸惑う気持ちもあったことを明かした。

 その人気絶頂の20歳で結婚、妊娠、休業を発表。世間に驚きをもって迎えられたが、「本当に好きな人がいて、子供を授かった嬉しさしかなかったので」と話す安室には「大きな決断」を下したという感覚はなかったという。

 復帰は98年12月31日の「紅白」。緊張やプレッシャーを抱えていたといい、当時のVTRを見ると「もらい泣きしちゃう」と目から涙。

 「自分で自分を観て泣くっておかしくないですか?」と苦笑いしながら、「(歌唱の)後半、前に行く時に『おかえり』というような拍手をもらった時にまたファーって。温かく迎えてくださって、すごい嬉しかったのを覚えてます」と、その日のステージを思い返した。【朝倉浩正】

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