川野夏美が歌に司会に大車輪の活躍、
『DAM CHANNEL演歌』収録の一日に完
全密着

カラオケファンの間でひそかに注目されているのが、『DAM CHANNEL TV』という番組。これはカラオケDAMで、カラオケ演奏の合間にモニター画面で放映されているスペシャル番組で、ゲストを招いてのトークのほか様々なエンターテイメント情報を見ることができる。DAMのあるカラオケルームやスナックなどでしか見ることができない番組なので、これを目当てにDAMを選ぶ人もいるという。
この7月からはその演歌バージョンもスタートした。その名もズバリ『DAM CHANNEL演歌』で、こちらも毎回ゲストの演歌歌手とのトークや歌を楽しめるという演歌三昧の番組。その司会を務めるのは“ドラマチック艶歌”で知られる川野夏美だ。数多くの歌番組に出演しているし、“演歌界のCM女王”と呼ばれるほど多数のCMソングを歌っているから、きっとその歌声を耳にしたことがあるだろう。そんな川野夏美が10月3日、『DAM CHANNEL演歌』の収録を行うというので、BARKSはその1日に密着した。
収録場所は、東京・王子駅前にある北とぴあ。この日は<3人の歌仲間>というイベントが開催される。川野夏美はこのイベントにシークレットゲストとして飛び入り参加し、その後『DAM CHANNEL演歌』の収録に臨むことになっている。
ちなみにこの<3人の歌仲間>とは、毎回仲の良い3人のシンガーが出演するコンサートで、この6月から北とぴあで毎月開催されている。そしてこのコンサートと『DAM CHANNEL演歌』がコラボしたTV番組『3人の歌仲間 with DAM CHANNEL演歌』(BS12 金曜5:00~)も放映中で、こちらも川野夏美が司会。この番組ではコンサートの様子や、『DAM CHANNEL演歌』と同じ演歌歌手とのトークも見ることができる。
■<3人の歌仲間>コンサートに飛び入り、さすがの歌声を披露
午後3時。北とぴあのつつじホールで<3人の歌仲間>が開演となった。この日の出演者は花咲ゆき美松川未樹桜井くみ子の3人。楽屋のあるフロアにはホールの音声が流れるようになっていて、3人の歌声や客席の歓声も聞こえてくるので、早くも盛り上がっているのがわかる。しばらくして楽屋を訪ねてみると、川野夏美はステージのドレスとは違い、リラックスした洋装で、スタッフとともに台本の内容を入念にチェックしている。“えー?こんなこと言うの?”とか“これどうやったら面白く持っていけるんだろう”と、短時間の飛び入り出演であるにもかかわらず、その表情はかなり真剣だ。
そんな出番直前のあわただしい中、川野夏美に飛び入りに臨む心境を聞いてみると、“<3人の歌仲間>の御三方を見にいらしたお客様ですから、私が出ていったら皆さん、え?なに?ってなるかと思いますが、それもこの企画の面白さだと思うので、なんとか和んでいただけたらと思います。意気込みとしては、もう勢いですね(笑)。思い切り笑顔を届けてきたいと思います”と語ると、ステージへと向かっていった。
その頃ステージではトークコーナーの真っ最中。子供のころ、青春時代、といったテーマに沿っての爆笑トークの中、川野夏美が突然乱入すると、客席からは歓声が上がった。ここからは川野夏美の仕切るカラオケコーナーとなる。3人がそれぞれ、いつものステージでは歌わないような曲や、プライベートのカラオケでの十八番を披露するということになった。まずは桜井くみ子が「暖簾」をしっとりと歌い上げる。続いて松川未樹が軽やかに「酔っぱらっちゃった」、最後に花咲ゆき美が伸びやかに「ハナミズキ」を歌って、3人とも大きな拍手と歓声を浴びる。DAMの採点機能での得点も発表され、全員が80点台を叩き出した。加点チャンスの少ないワンコーラスのみだったのに、この高得点。やはりみんな本当に歌が上手い。
これでカラオケコーナーは終了かと思われたが、ステージを去ろうとした川野夏美に客席から“歌って!”というリクエストが飛ぶ。それに応える形で、最新シングルの「オホーツク海岸」を熱唱。情感たっぷりに、張りと艶のある歌声を会場いっぱいに響かせた。ほとんどウォームアップもしていないはずなのに、いきなりの見事な歌声はさすがの一言だが、後で聞いてみると、準備しながらスタッフなどとおしゃべりをするのも彼女にとってはウォームアップになっているのだという。川野夏美は客席からの大きな声援と喝采を浴びながら退場し、これで約20分間の飛び入り出演は終了。
■ゲストの人柄を引き出しながら笑いに包まれたトーク収録
ステージから戻った川野夏美は、ほとんど休憩もとらずに別フロアにあるスタジオへ移動。次は、『DAM CHANNEL演歌』や『3人の歌仲間 with DAM CHANNEL演歌』で放映される、3人のゲストとのトークの収録だ。
川野夏美が席に着くとすぐに、最初のゲストの半田浩二がスーツをビシッと決めて登場。和やかな雰囲気の中、半田浩二がデビュー30周年を迎えた話題からトーク収録がスタート。“あっという間だったとも思うけど、短くはなかった”という半田浩二は、“歌うことが楽しくなってきた。デビュー当時はただガムシャラだったけど、今は歌える喜びを感じながら歌っている”と振り返る。しかし新曲「男の翼」へと話題が移ると雰囲気が一変。キャンペーングッズの団扇にパンダがデザインされているのを見て“かわいい!”とはしゃいでいた川野夏美は、そのデザインの理由が“オレ、パンダ浩二だから”と聞いて大爆笑。ほかにもタオルにTシャツにクリアファイル、次々とグッズを取り出す半田浩二に笑いが止まらない川野夏美だったが、最後は半田浩二の師匠、中山大三郎の思い出話を感慨深げに聞いていた。なおこの“パンダ浩二”グッズは、視聴者にプレゼントされることになった。
2人目のゲストは五十川ゆき。川野夏美と同じ大分出身ということで、地元のことからスタートしたトークは、4歳になるという五十川ゆきの息子の話題へ。今も大分在住という五十川ゆきは、家を離れる時間が長く、息子にもなかなか会えないのが悩みだという。そしてこの日着ていたドレスについて、“これまでの和服では、粋でカッコいい、自分にないものを演じる楽しさがあったんですが、新曲では家庭の母であり妻であるという気持ちを表現したい”とイメージチェンジの理由を語る。その新曲「愛はさりげなく」のイメージビデオを見たという川野夏美が“ホントにきれいで素敵な映像でした!”と言うと、“撮影のときは下ネタ混じりで…”と五十川ゆきが意外な裏話を明かし、またも大爆笑。15分ほどの短いトークは、とても楽しい雰囲気に包まれていた。
次のゲストまでの空き時間はほんのわずかしかないのだが、その間に川野夏美は資料をチェックする。そして“これ、突っ込むところ多すぎるよ”と思わず独り言。どうやらゲストのプロフィールに謎が多かったようで、3人目の出光仁美とのトークはその話題からスタート。ペットのリクガメの話や探し続けているというジンガサハムシの話など、本当に謎すぎる話題を目を輝かせて話す出光仁美に、川野夏美も共感したり突っ込んだり、興味津々の様子で聞き入っていた。ここまで立て続けに収録をこなしてきた川野夏美、かなり疲れているはずなのだが、そのテンションはまったく落ちることがない。元気いっぱいの様子で次々に謎に突っ込んでいく。そして出光仁美の新曲「忘れ雨」の歌詞の心情など、詳しい話を聞き出し、トーク収録は終了。
■川野夏美がコメント収録で見せた卓越したトーク技術
最後は一人で、『DAM CHANNEL演歌』の番組で使用するコメントの収録。“まずはこちらのコーナーから”、“ではコンサートの様子をどうぞ!”といった短いコメントや、番組のオープニングトークなど、11月に放送される複数回の分を一気に収録していた。ここで驚いたのが、すべて一発OKでNGをまったく出さないこと。だからとてもスムーズに収録が進行していく。とくにオープニングトークでは、季節にまつわる話題や自らの衣装の紹介などを3分ほど台本なしで話すのだが、言い淀んだり言葉に詰まったりする様子はまったくない。よく通る明るい声はずっと変わらず張りがあるし、話の内容に応じて感情を込めながらトーンを自在にコントロールするところも素晴らしい。分刻みのスケジュールをきちんと進行させるスタッフの手際も素晴らしいものだったが、そのスケジュールを組めるのも、川野夏美の卓越したトークの技術があればこそだろう。こうしてすべてのコメントを順調に撮り終え、この日の収録がすべて終了した。
この日収録したトークや出演者の歌唱シーンは、カラオケDAMの『DAM CHANNEL演歌』で見ることができるから、カラオケの合間の画面にもぜひ注目してほしい。また、このトークや<3人の歌仲間>のコンサートの模様は、『3人の歌仲間 with DAM CHANNEL演歌』(BS12 金曜5:00~)で放映される予定だ。
■川野夏美ミニインタビュー“雰囲気をつかんで、あとは好きに歌っていただきたい”
この日の『DAM CHANNEL演歌』の収録がすべて終了した後、川野夏美に話を訊いてみた。
――収録、お疲れ様でした。まず『DAM CHANNEL演歌』について、川野さんから改めて紹介していただけますか?
川野夏美:カラオケを楽しんでいらっしゃる皆さんに、曲の合間にご覧いただく配信コンテンツで、トークも歌も楽しめるようになっています。トークでは、歌い手さんがこんなふうに歌に向き合っていらっしゃるんだな、というところまでお伝えできたらいいなと思っています。歌い手さんの人柄も知っていただければ、よりカラオケを楽しんでいただけると思いますから。
――『DAM CHANNEL演歌』の司会を担当して、もう5か月ほどになりますが、振り返ってみていかがですか?
川野夏美:歌い手さんにじっくりお話を伺う機会って、これまであまりなかったんです。歌番組でお会いしても、ホントにちょっとしか話せないんで、この番組でじっくりお話できるのは、本当に得だな!と思いますね(笑)。たとえば今日の、30周年を迎えてますます楽しいという半田浩二さんのお言葉、これは希望だなと思いました。色々な方の歌との向き合い方を知ることができるというのは、見ている方も参考になることがあると思いますが、なにより私自身が興味を持っていることなのでとても楽しいです。
――歌い方などの話をすることもあるんですか?
川野夏美:音楽的なこと、とくにテクニックみたいなことはあまり皆さんお話しにならないですね。私も自分が歌い手なのでわかりますが、結局好きに歌うのが一番楽しいですから(笑)。
――TVやラジオのレギュラーもたくさん抱えている川野さんですが、今日も飛び入りからトークまで大忙しでしたね。
川野夏美:いや、忙しいのはスタッフさんだと思いますよ。ステージもあってトーク収録もあって。私が気持ちに余裕を持ってできるように、すごく上手に準備してくださっているんだと思います。
――コンサートの飛び入り出演、楽しそうでした。
川野夏美:ここのコンサートでは毎回乱入してるんですが、毎回違うお客様なので慣れないですね。でも楽しいです! ちょっとお邪魔します、というのがワクワクする感じで。サプライズというのは、やってるほうが楽しいんじゃないかと思います。
――『DAM CHANNEL演歌』をはじめ、カラオケにかかわる仕事も多いと思いますが、プライベートではカラオケに行かれますか?
川野夏美:一人でも行きますよ。発散したいときもありますし(笑)、もちろん練習のためにも。でも練習だけだと飽きるし、私のステージでもお客様に色々な歌を楽しんでいただきたいので、時々は歌ったことのない歌とか、好きだけどなかなかステージでは歌えない曲とかも歌っています。ポップスだとドリカムさんや内藤やす子さんも好きですね。ただ好きな曲でも、歌ってみたら合わなかった、ということもありますけど(笑)。でも、それを気軽に楽しめるのがカラオケの良さですよね。
――カラオケで川野さんの曲を歌いたい、という方も多いと思いますが、なにかアドバイスするとしたら?
川野夏美:これはホントにおこがましいんですけど、CDをよく聴いて、と(笑)。別にマネしてくださいとかではなくて、聴いたうえで、こういう雰囲気なんだ、気持ちいいところはここなんだというのをつかんで、あとは好きに歌っていただきたいです。
――CDと言えば、『川野夏美全曲集<オホーツク海岸/悲別~かなしべつ~>』が10月4日に発売されますね。
川野夏美:タイトルの「オホーツク海岸」は3月にシングルで出した曲です。これまでも色々な場所を舞台に歌詞を書いていただいてますが、今回はオホーツクということで、北海道の中でも“果て”のような感覚で、つらい旅なのかな、とも思いました。映画のように、映像が浮かんでくる歌だと思います。
――そのカップリング曲の「歌手~singer~」はニューミュージックのようで、ずいぶん雰囲気が違いますね。普段から幅広い音楽を聴いているんですか?
川野夏美:演歌だけとかJ-POPだけ、と決めているわけではなくて、幅広く聴きますね。子供のころからフォークソングは好きですし。ちょっと歌ってみたい、というものが色々あって、それはディレクターさんとも話しています。だから、今の川野にこういうのを歌わせてみよう、という感じで色々な球を投げていただいているんだと思います。
――では最後に、今後の予定を教えてください。
川野夏美:新曲の準備をすすめていきます。来年は20周年の節目を迎えますので、いつも応援していただいている皆さんが笑顔になっていただけるような活動をしていきたいと思っています。

リリース情報


『川野夏美全曲集<オホーツク海岸/悲別~かなしべつ~>』
2017年10月4日発売

【収録曲】

1. オホーツク海岸

2. 悲別~かなしべつ~

3. じょんがら恋唄

4. じょっぱり

5. あばれ海峡

6. サヨナラ桟橋

7. 室戸岬

8. 紙のピアノ

9. 出世太鼓

10. 雲母坂~きららざか~

11. 江差恋唄

12. 利尻水道

13. 九官鳥

14. 北海子守唄

15. 女の空港

16. 歌手~singer~

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