Tia Rungray『Dancing Fly in my HE
AD』【ストイックに淡々と鍵盤を弾く
彼の姿とフレーズひとつひとつが持つ
キレの良さ】
まあそういうアーチストの活動の背景とかはリスナーにはあまり関係ないことだし、普通のロックバンドでも客を呼べなきゃライブはアウェイ感に苛まれるのだし、今ここでどうこう言ってもあまり意味のないこと。なのでこの2分ちょっとの映像と音楽を見てどうなのかということで、個人的に思うのは、ストイックに淡々と鍵盤を弾く彼の姿とフレーズひとつひとつが持つキレの良さが、飽きさせない何かを持っているなあということ。他の動画を見て聴いてみると、耳に優しくないノイズが多用されているものもあって、HPでは「暴力的で獰猛なノイズの融合」と書かれてて。だからそれは意図的に組み込まれているノイズなのだろうと想像するのだけれど、それによって表現される「狂気」の価値と、それによって耳を塞ごうとする人たちの数とを考えると、一体どうなんだろうなあと、余計なお世話ながら考えてしまったりする。まあ一般ウケを第一に考えるのであればそもそもインストもポストクラシカルもやらないのだから、ただひたすらに自分が求める「表現」を追及していくのが正解なのかもしれない。1リスナーとして、あまりノイジーではないこの曲を、ここでは。
(2017.8.25) (レビュアー:大島栄二)
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