【Bank Band、Mr.Children、中村 中
、GAKU-MC、MY LITTLE LOVER、福原美
穂、大塚 愛、ポルノグラフィティ、
甲斐よしひろ、トータス松本、伊藤由
奈、KREVA、Salyu、スガシカオ、今井
美樹、石井竜也、いきものがかり、キ
マグレン、JUJU、一青窈、秦 基博、
倖田來未、矢沢永吉】『ap bank fes
’09』 2009年7月18日

撮影:石渡憲一、渡部 伸/取材:松浦靖恵

 早いもので、今年5回目の開催となった『ap bank fes』。7月18日、19日、20日の3日間、今年もこのつま恋の緑のフィールドにたくさんの歌が広がった。 1日目(7月18日)。例年通り、最初に登場したのは、このフェスにはなくてはならない存在の、Bank Band。彼らが1曲目に選んだウェルカムソングは「糸」。そして、櫻井和寿(Vo&Gu)が“ずっとこのフェスで歌いたいと思っていた”という、ヒート・ウェイブの「明日のために靴を磨こう」へ。最初のゲストは、昨年に引き続き2度目の参加となる中村 中。彼女はMCで“このフェスに参加したことで、今までより環境や地域のことが気になるようになって、ニュースを見るようになりました”と言っていた。そう、この場所はそんな小さなきっかけを作ってくれる場所なのだ。3年連続、そして今年も3日間全てに出場したGAKU-MCは、新曲「Fight for YA right!」と、3年前に櫻井と一緒に作った「手を出すな!」を披露した。今年は本ステージだけではなく、ステージの両サイドに小さなライヴスペースを設けて、みんなの近くで歌える場所を作った。その場所から、MY LITTLE LOVERのAKKOは、緑に囲まれたつま恋にとても似合う、アコースティックな清々しい「白いカイト」を届けてくれた。櫻井が“僕がぜひ一緒に歌いたくて”と参加を依頼した福原美穂は、パワフルかつ繊細歌声を響かせた。休憩を挟んだ後、第二部の最初に登場したゲストは、2度目の参加となる大塚 愛。小林武史に“この歌を歌いたい!”とお願いして歌ったのは「ネコに風船」。ポルノグラフィティはとにかく圧巻の熱いライヴを繰り広げ、たった3曲なのに、“さすがライヴで鍛え上げられた人たちのライヴの温度は違う”と再確認。櫻井が“中学時代から好きだった”という甲斐よしひろ。彼の傍でギターを弾き、歌う櫻井は、もしかしたら一番この会場で心躍らせていたのかもしれない。また、ソロで登場したトータス松本は、今、自分の心や体にある思いをありのままに歌に重ね、本当に気持ち良さそうに歌っていた姿がとても印象的だった。 Bank Bandは、このフェスのためのリハーサルで誕生した新曲「奏逢 ~Bank Bandのテーマ~」を初披露。また、「スローバラード」と「ステップ!」というRCサクセションの曲を奏でた。06年と08年に、このフェスに参加する予定だった忌野清志郎は、病のため急遽不参加となってしまった。もうこの場所で彼の歌を聴くことはできないけれど、彼の音楽はこうして命ある人たちに歌い続けらていくのだろう。 2日目(7月19日)。初登場の伊藤由奈は、つま恋にハワイの風を運び、お祭り番長!?のKREVAはみんなの気持ちを完全にひとつに結び付けるパフォーマンスを繰り広げた。つま恋の空の下が似合うSalyuのまっすぐな声。スガシカオの弾き語りにストリングスが美しく絡み合った「黄金の月」。たおやかな優しさを纏った今井美樹。石井竜也は、みんなへのプレゼントだと言わんばかりに米米CLUBの名曲たちをたくさん歌ってくれた。今年の『ap bank fes』は1回目の時と同じスタイルになり、バンドアクトがなく、ヴォーカリストをBank Bandに迎え入れるスタイルだった。なので、バンドで登場したのは、Mr.Childrenのみ。彼らは5年連続の出演となった。この3日間を通して、決して晴天とは言えない天候ではあったけれど、雨が降ったのはこの2日目のMr.Childrenのライヴ時だけだった。とはいえ、強く降ったのはほんの10分ほど。雨上がりの空にはとてもキレイな夕焼けが見えた。 3日目(7月20日)。フェス最終日は、初参加組が数多く出演した。櫻井に“いつもお風呂場でこの人たちの歌を歌っております”と紹介された、いきものがかり。地元逗子の風をつま恋に運んできてくれた、キマグレン。JUJUと櫻井がデュエットした「明日がくるなら」。一青窈に提供した「空中ブランコ」を彼女と一緒に歌った、秦基博。そして、2年前に台風のため公演中止となった日に出演予定だった倖田來未のセクシーなステージ。初登場組が見たつま恋の風景は、きっと忘れられないものになっただろう。 3日目にはシークレットゲスト、矢沢永吉が登場。圧倒的な存在感を放出する矢沢のパーフェクトなパフォーマンスと歌に、観客のみならず、参加アーティストやスタッフまでもが、そのステージに釘付けだった。Mr.Childrenのライヴは、みんなが知っている曲に新しい息吹が吹き込まれ、新鮮な輝きを放っていた。最後に演奏したのは、“すべてが愛を歌っている”という歌詞が刻まれている「僕らの音」だった。 3日間通して、アンコールは出演者たちがステージに登場して、歌と歌、心と心でこの歌を歌い継いでゆく「to U」が選ばれた。夏空に打ち上げられた何発もの花火に彩られたフィナーレに、またこの場所で会えますようにというみんなの思いが重なっていた。

OKMusic編集部

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