【serial TV drama】アイドルってだ
けで毛嫌いする固定概念は違う
80年代にヘイゼル・ディーンやカイリー・ミノーグが歌い、日本ではWinkが大ヒットさせた「愛が止まらない -Turn It Into Love-」のカバーを含む両A面シングルについて鴇崎智史(Vo)と新井弘毅(Gu)に訊く!
取材:高橋美穂
「愛が止まらない -Turn It Into Love-」のカバーにはびっくりしましたよ。Winkはリアルタイムじゃないですよね?
鴇崎
俺は何となく記憶にあるけど、お前(新井)は物心付いてない可能性あるよね?
新井
でも、僕はWinkが好きで。大学生の頃に車の中で一番聴いたんです。音楽は全部聴きたいと思って、いろんなものを聴いてたんですよね。
今の話を聞くと新井くんらしいですね。またアレンジがメタル、しかもジャーマンとか北欧みたいにメロディアスで。
そういうトツくん(鴇崎)も歌い上げてますよね(笑)。
鴇崎
そうですね(笑)。最初は原曲に寄ってたのかもしれないけど、完全にデンジャラスな感じで歌ってやろうと。
(笑)。でも、実際改めて聴くと歌詞は危険ですよね。
鴇崎
そうなんですよね! 危ない命取りな恋だなって思って、崖っぷち感で歌いました。
女性の歌を歌うことに関しての抵抗はなかったですか?
鴇崎
むしろ、女性の曲を歌いたい願望は昔からあって。
新井
トツさんはニュアンスとしてフェミニンだから、俺も女子が歌ってるものを歌ってほしいと思いましたね。
新井くんはWinkでは特にこの曲が好きだったのですか?
新井
いや。Winkの曲はカバーアルバムを出したいくらい好きだったんです(笑)。シンセの音とか、カイリー・ミノーグでは満たされないいなたさがあって。
日本人が解釈した途端にいなたさが出ますよね。
新井
向こうってユーロビートっていうか、クラブ寄りだけど、こっちではお茶の間になる感じが堪らなくて。でも、アイドルが歌ってるだけで毛嫌いする人がいるじゃないですか。そういう固定概念って俺は違うんじゃないかなって思ってて。まったく同じアレンジでも生楽器で演奏して、ロックな人が歌ったら、絶対気に入ると思うんですよ。だから、俺らがカバーすることに意味があるんじゃないかなって。それに、ロックな曲をシングルにするよりもイロモノっぽく思われた方が外に広がるというか。ゲームやネットに熱中してる人たちまで突き抜けるっていう意味ではすごく良いものができたと思います。
そして、「シティボーイの憂鬱」は展開がいつにも増して激く。
新井
そうですね。結果として展開だらけになって。楽しくなっちゃうとこうなっちゃうんですよね(笑)。
ということは、今、バンドが楽しいと?
鴇崎
そんなのばっかできてるよね。常軌を逸してるな、全部。
3曲目の「I♥U , TOKYO !!」については?
新井
TBSラジオの番組『Kakiiin』とのコラボ曲ですね。どんな電波状況でも同じように綺麗に聴こえる歌にするには、生モノじゃない方がいいと思って。ドラムも素材だけで組み合わせて、ベースもギターもラインで、前に前にっていう手法で録ったんです。
いろいろ聴いてるからこそできたコラボですね! では、その次の「I♥U , FAVORITE !!」は?
新井
ただのカラオケを作っても面白くないから、《TOKYO》部分だけ抜いて、何でも叫べるようにしたんです。
なるほど。年の初めから濃い作品になりましたね。
新井
そうですね。今年も面白くなるんで、お願いします!