【舞花】どんなことをやっても
舞花は舞花
最近はLGYankeesやNERDHEAD、SO-TAなどとのフィーチャリングで、その名前を耳にする機会が多かったが、約1年半振りに舞花名義の作品をリリースする。
取材:石田博嗣
約1年半振りの舞花名義の音源。この1年半は、舞花さんにとって大きな意味を持つ期間だったそうですが。
3枚目のシングル『心』を出した後、いろんなアーティストの方の作品に呼んでもらうフィーチャリングの機会が続く中、自分の作品づくりも行なっていたんですね。だから、自分の作品に集中する時間が欲しいと思っていたし、自分がどこに向かいたいのかを自問する時間でもありました。いろんな意味で、自分にとって立ち止まる時期だったと思うんです。音楽を目指すようになったのは15歳の時だったんですけど、デビューした19歳までの4年間はまったく迷いがなかったんですね。でも、デビューして忙しい日々の中で21歳になった時、まだ15歳の頃とかの概念のまま突っ走っていたから、通用しない部分や、自分に合わない部分を感じていたんですよ。
その迷っていた思いが、3曲目の「誓い」という曲になったと? すごくもがいているし、ヘヴィな歌詞なんですけど、楽曲的には光を感じるものになっているのが印象的でした。
曲に助けられるじゃないけど、自分をもう一度信じてみよう、みたいな気持ちになりますね。その時の想いをそのまま出したら、こういう曲になっていました。今まではポジティブな曲…例えば、雨が降らなければ虹は見えないっていうような、辿り着いた自分の中の答えみたいなものを曲にしていたんですね。でも、もう少しありのままの自分を認めるというか、強がりすぎず、凹みすぎず、そのままの大きさの正しい重さの曲を吐き出していけたらいいなって思っていて…だから、前よりも歌詞がヘヴィになったし、よりポジティブにもなったと思います。
そして、今作の「やだよ…」ですが、こちらはLGYankeesのプロデュースという。
もともとはHIROさんが私の声を聴いて、LGYankeesさんのアルバムで一緒にやりたいと言ってくださったのがきっかけで。で、DJ No.2さんが私の今までの作品を聴いてくださって…強い女性っていうイメージがDJ No.2さんにあったみたいで、今回の『やだよ…』と『Molly feat.LGYankees』の2曲を書いてくださったんです。2曲ともツンデレな女性なんですけど(笑)。強いんだけど、弱い部分を素直に出せないっていう。それがすごく新鮮でしたね。そういうのって自分の曲では書かないので、新しい舞花の角度を見つけてもらったというか。
そんな歌詞を歌うわけですが。
最初は全然タイプが違うし、歌えるのかなって思ってたんですけど、歌詞を読んでまったく共感できないっていうわけじゃないから、自分の中にある共感する部分っていうものを曲と照らし合わせて、引き出して歌ったっていう感じですね。
それだけシンガーとしての可能性が広がったのでは?
そうですね。ロックのスタイルを辞めたとかじゃなくて、いろいろ挑戦するようになったことで、舞花というアーティストの表現の幅が広がったってとらえてもらえるとうれしいですね。今まで聴いてくれていた人にとっては『やだよ…』や『Molly feat.LGYankees』はタイプが違うと思われるかもしれないですけど、『誓い』を聴いてもらうとこれまでの舞花が残っているのも分かると思うんですよ。前は“これは舞花じゃない”とか“これをやると終わっちゃう”と思っていた…それは自信がなかったというか、怖かったんだろうけど、フィーチャリングに呼んでいただく中で意識が変わりましたね。前よりもベースに自信が付いたから、どんなことをやっても舞花は舞花だって思えるようになりました。
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