ライブミュージカル『プリパラ』公開
ゲネプロを振り返りレポート 実はこ
こにも見どころが!



オープニングでプリパラのメインキャスト6人が姿を現した。赤井めが姉ぇのナレーションが流れ、プリパラの世界観が説明される。そして、次の瞬間……。

「かしこまっ」の一声と同時に、真中らぁら役・茜屋日海夏がお馴染みのポーズで振り返る。続けて、南みれぃ役・芹澤 優、北条そふぃ役・久保田未夢、東堂シオン役・山北早紀、ドロシー・ウェスト役・澁谷梓希、レオナ・ウェスト役・若井友希が次々と決め台詞で挨拶。その後、オープニングナンバー「Make it!」で会場を盛り上げた。序盤から出演キャストがステージに登場し、熱気が高まるのを感じる。



ライブパートが終わり、ライブミュージカルのオリジナルストーリーが繰り広げられる。プリパラのメインキャストが自ら演技をするという贅沢な内容で、ファンだけでなく、ミュージカルファンにも楽しめる展開だ。ステージだけでなく、客席の通路も歩き、間近でキャストたちを見ることのできる演出に、思わずテンションが上がってしまう。

劇場の中通路で演技する光景はまさに圧巻。もちろん、これもミュージカルの演出だが、役に成りきったキャストたちの演技を目の前で見れることは数少ない。遠目からでは分からない迫真の演技力に、驚きをあらわにしてしまうほど。



今回のライブミュージカルでの注目ポイント、真中らぁら役の石井心愛(ダブルキャスト:久家 心)にも目を向けてほしい。このストーリーは石井演じる未来のらぁらが、タイムスリップするところから始まる。茜屋演じる過去のらぁらと出会ってやり取りをするシーンが面白い。未来と過去のらぁらが同じ時間を共有することなど現実ではありえないこと。けれども、もし目の前に自分が現れたら……、そんな摩訶不思議な世界観を作り上げてくれた。



ミュージカル「プリパラ」ならではの演出の1つが、出演者がストップする瞬間だ。青井めが兄ぃ役の畑中智行が「ターイムストップ!」と叫び、全員が様々なポーズで止まる。そこで畑中や石井がキャストたちにモノマネをさせて会場に笑い声を生み出した。



その後、アニメ本編でも描かれるらぁら・みれぃのライブパートが行われる。メインモニターに映し出されるキャラクターと一緒に踊るキャストたちのシンクロする風景に一体感があった。出演声優だからこその演技力に期待感が高まっていく。



後に登場したそふぃも交えて『SoLaMi♡SMILE』が誕生した。しかし、結成の儀式前にステージの照明が落ちるハプニングが発生。結成直前のハプニングに動揺してしまうが、石井がペンライトを光らせ、観客に3人を導いてほしいとお願いする。場内に灯る光が3人の道を照らし、見事に『SoLaMi♡SMILE』の友チケがそれぞれの手に渡った。








らぁら・みれぃ・そふぃが歌う「Pretty Prism Paradise!!!」が織り成すステージングは、アニメのライブパートをイメージしたシチュエーションで進行する。ダンサーたちのサポートもあり、ミュージカルの要素を兼ね備えたプリパラのライブで観客を圧倒した。









ストーリーは『DressingPafé』の結成へと続き、ファルルのライブから『SoLaMiDressing』ライブパートへ進み、『アイドルグランプリ』のステージで大盛り上がりを見せる。前回のミュージカルとの違いは、新たに集結した脇を固める舞台役者のキャスト陣たちの表現力もあるかもしれない。舞台で作り上げる役者のプロたちが集まったからこそ、より魅力的なプリパラを生み出せたことは言うまでもない。



ライブ終盤では、らぁらと友チケを交換しようとしたファルルが眠ってしまい、観客たちと「Make it!」のサビを合唱して目覚めさせるシーンへ移る。会場全員の気持ちが一丸となる場景に“観る”だけでなく、一緒に“体感”できる感覚が生まれた。



ラストは元の世界に帰る未来のらぁら役の石井と過去のらぁら役の茜屋がプリチケを交換するシーンだ。自分のプリチケをお互いに渡し合うというワンシーンに、不思議と笑みがこぼれてしまう。茜屋と石井のらぁらは、自分というよりも姉妹と呼ぶ方がマッチしていた。稽古場取材で久家との掛け合いを思い出す。仲の良さは練習中だけでなく、舞台の上からでも客席に伝わってきた。



ゲネプロ終演後、キャストメンバーによる記者会見が行われた。

――今回のライブミュージカルは前回よりもパワーアップしての上演ですが、観客の皆さんの反応についてご感想をお願いします。

茜屋日海夏:ゲネプロなのにサイリウムを持ってきている方がいて、プリパラは関係者の方も一緒に応援してくださる方が多いので、そういった部分でライブミュージカルの良さを引き出せたのではないかと思いました。

――畑中さんにお伺いしますが、初出演ということで青井めが兄ぃ役を演じての役作りや感想などあればお聞きしてもよろしいでしょうか?

畑中智行:アンサンブルの方を含めて男は一人だけだったんですけれど、皆さん大人の対応をしてくださって、とても楽しく稽古をすることができました。役はミュージカルオリジナルのキャラクターなので、最後まで自由に演じながら頑張っていこうと思います。

――高柳さんは2度目の出演となりますが、前回からパワーアップした部分などありましたら教えていただけますか?

高柳明音:今回、青井めが姉ぇのセリフに「システムですから」という言葉があるんですけど、実はもともと台本の中には無かったんです(笑)。明日からの公演でも、赤井めが姉ぇの違うセリフも取り入れていきたいと思っています!

プリパラの世界を余すことなく表現し、初日に向けての意気込みを語ったキャストたちの姿に凛々しさを感じた。アニメも装いを新たに生まれ変わるということで、これからどのような新鮮さと発見があるのか楽しみでならない。まだまだ勢いの止まらない彼女たちの活躍に今後も注目してみてはいかがだろうか。


取材・文・撮影=野島亮佑

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