Leon Fanourakis、3rdアルバム『MUSA』リリース 客演にT-Pablow、Benjazzy、WILYWNKAら参加
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Leon Fanourakisがニュー・アルバム『MUSA』を5月20日(金)にリリースすることが発表された。
これまでもNY出身のラッパー、AKTHESAVIORとのコラボ作をリリースするなど、日本に留まらない交流を作品に反映させてきたLeon。今作もプロデュース陣にはこれまでの彼の諸作でお馴染みのYamieZimmerやNOCONOCO、DJ U-LEE(YENTOWN)などの日本人トラックメイカーたちはもちろんのこと、USで活動する日本人プロデューサーのYung Xanseiやバージニア出身のFULMETALPARKA$、フロリダ出身でJuice WRLDのプロデュースを手掛けたことでも知られるMitch Mula(2021年に配信されたLeonのシングル「FOCUS」も手掛けている)といったUSのビート・メイカーたちも多数参加。M05「FLIP」も、過去にwifisfuneralやKEY!のプロデュースで知られるフロリダ出身のDVMN NVBEELがプロデュースを手掛けていて、昨年、Leonが渡米した際にセッションして交流を深めた相手だという。
また、『SHISHIMAI』でも豪華な客演陣が目を引いたが、今作でもBAD HOPからT-PablowとBenjazzy、レーベルメイトのWILYWNKA、先日メジャー・デビューを果たしたElle Teresaや旧友のVA$COといった興味深いラインナップの客演陣となっている。
Leon自身のラップに耳を傾けると、『SHISHIMAI』ではメロディを載せたフロウなどにも積極的に挑戦した彼が、今作では更にそういった表現面でのラップ・スキル向上に挑んでいる点に注目すべきだ。彼のお家芸とも言える、ハードに響く808ベースとTRAPビートの上で縦横無尽にサヴェージなライムが放たれるバンガーの数々はもちろんのこと、切ないギター・ループに程よいメロディが彼のフリーな思想が歌われているリリックともハマる「JIYUU KIMAMA」のような楽曲もあり、音楽性/リリック共に彼のアーティストとしてのキャパシティが拡がってきていることに気付かされる。また、自分の主張と共に、リスナーたちに問いかけたりポジティヴなメッセージで激を飛ばしているリリックが多いのも印象的だ。
ギリシャをルーツに持つLeonらしい、ギリシャ神話に登場する女神たちを指す『MUSA』(英語ではミューズと呼ばれる)という言葉をタイトルに掲げた本作。ムーサとは文芸を司る女神たちのこと。このタイトルも踏まえると、今作はラップという“アート”に向き合い続けるLeonの誇りと覚悟が顕わになったアルバム、という解釈が出来るのかもしれない。そして、本作を聴いて筆者の推測に同感してくれるリスナーも多いのではないだろうか?
Text by 伊藤雄介(音楽ライター/プロデューサー)
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