Lenine

59年、ブラジル北東部レシーフェ生まれ。ブラジルの中でも最も知性派のコンポーザー／ミュージシャンと評されるレニーニは、90年代においてブラジリアン・ポップスを再び第一線に甦らせたシンガー兼ギタリストとして広く賞賛されている。
18歳の時に、故郷ペルナンブーコのカーニバル音楽であるマラカトゥーのリズムを携えてリオ・デ・ジャネイロへと移住。マラカトゥーの要素と伝統的なリズム／パーカッション、そして現代の楽器を融合させることに成功する。以降、４枚の革新的なアルバムをリリースし、ブラジル新世代アーティストの中でも最も影響力のある存在に——。あくまでブラジル音楽の伝統的なスタイル／リズムを基本にしながら、テクノやエレクトロニカといった新しい音を積極的に吸収する彼のサウンド観は、若いリスナーから絶大な支持を受けるに至ったのだ。"現在"という瞬間を音楽に反映させるための探究を通して、彼は何世紀も続くブラジルの様々なリズムと最新のサウンドとを共存させたのである。
また、レニーニのサンプラー／MIDI機器／シンセサイザーといったテクノロジーの巧みな取り込み方は、MPB（＝MUSICA POPULAR BRASILEIRA／ブラジリアン・ポップの意）の著名度をさらにアップさせたと言えるだろう。
シコ・サイエンスらと共に、レニーニは進歩的なブラジリアン・ポップスの分野を確立。また同時に、サンバやボサ・ノヴァといった超メジャーなブラジル音楽のスタイルと同じぐらいマラカトゥーの存在も知らしめたのであった。