メンバーと共に音を楽しむプロジェクトが始動ーー上原ひろみ Hiromi’s Sonicwonderが導いてくれる新しい冒険の旅、その楽しみ方
「ようこそ、新しい冒険の旅へ」―――Hiromi’ s Sonicwonderのニューアルバム『Sonicwonderland』のリリースに先駆けて、上原ひろみが自らの作品に寄せたコメントが冒頭の一文だ。これを読んだだけでもワクワクしていた。どんな作品になっているのだろう、と。今年、映画『BLUE GIANT』のサウンドトラックと劇中での演奏シーンの吹き替えも手がけ、活躍の幅をグッと広げた姿を見せてくれた彼女。自身としては約2年ぶりとなるニューアルバムは、アドリアン・フェロー(Ba)~ジーン・コイ(Dr)~アダム・オファリル(Tp)という気鋭のミュージシャンと組んだ4人組編成のバンド・Hiromi’ s Sonicwonderという新プロジェクトの作品だ。このアルバムは今回のプロジェクト用に書き下ろした新曲に加え、コロナ禍中に自身のSNSで企画された1分間の演奏配信『One Minute Portrait』で発表した楽曲などをバンド用にリアレンジし収録している。冒頭の本人のコメント通り、アルバムはジャズ〜ラテン〜テクノなどを縦横無尽に行き来し、音楽を聴く・体感する楽しさに溢れた一枚になっている。小難しいことは一切ない、体が自然に動き出すアルバムだと言っていい。このアルバムの制作を、いかにして上原ひろみ自身は楽しんだのか。そして私たちはどのようにしてその冒険の旅を共に楽しむことができるのか。それを知りたくて、来阪中の彼女に話を聞いた。